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ホテル関連J-REITについての分析(ジャパンホテルリート、インヴィンシブル等)

投稿日:2016年11月26日 更新日:

J-REITでホテルの組入れが増加(訪日外国人だけでなく日本人旅行者も増加)

一般的にホテル関連リートというと、ジャパンホテルリート(8985)、インヴィンシブル(8963)、星野リゾート(3287)、いちごホテルリート(3463)、森トラストホテルリート(3478)の5つを指します。

しかし最近では総合型のJ-REITでホテルを組入れるところが増えてきています。

ユナイテッドアーバン、森トラスト総合リート、福岡リート、MCUBS MidCity、阪急リート、スターアジア、マリモ地方創生リートがホテルの組入れを開始ししています。

J一REITでホテルの組入れが増えているのは、もちろんホテル需要が大きく伸びているからです。

よく訪日外国人旅行者数(インバウンド)が伸びているからと言われますが、実際にはそれに加えて国内旅行者も増加していることが要因となっています。

増えたとはいえ訪日外国人旅行者数は約2,000万人で、仮に平均5泊と考えても1億泊です。

訪日外国人旅行者を含む国内旅行者数は約5億泊ですので、インバウンドは全体の20%の割合でしかありません。

  • 訪日外国人旅行者数と国内旅行者数
    hotelreit_inbound_kokunai

団塊世代が引退して多くの方が国内旅行に出かけていることなどもプラスに作用し国内旅行者が増えていることも最近のホテルブームの一因となっています。

変動賃料(歩合賃料)の大幅増加で2014年以降ホテルリートはオフィス/レジデンシャルなどに比べて大きく上昇

ホテルリートの特徴として変動賃料(歩合賃料)制を採用している点があげられます。

これはホテルの売上や利益が一定金額以上を超えた場合、超えた金額の一部を固定賃料に上乗せして受け取る仕組みです。

現在のように稼働率が高止まりしながら、ADR(平均客室単価)も上昇している局面ではかなり大きな金額となり、2017年3月現在、ジャパンホテルリートやインヴィンシブルでは賃料収入の約30%以上の割合を占めています。(2016年は50%前後)

  • ジャパンホテルリート変動賃料割合:2016年12月期 43.9%
  • インヴィンシブル変動賃料割合:2017年3月期 30.0%

ただし、これは裏を返すと今後賃料収入が減少するリスクも存在するということになります。

ホテルリートはオフィス、レジデンシャル、商業施設、物流施設などのリートとは異なり収益の変動率がかなり高くなります。

そのため株価(投資口価格)のボラティリティもかなり大きくなります。

リートの収益(賃料収入)のボラティリティ比較(上から安定している順)

  • レジデンシャル(景気による賃料変動が小さい)
  • 物流施設(テナント契約が長期間)
  • 商業施設(テナント契約はやや長めだが景気の変動により賃料が上下する)
  • オフィス(テナント契約は2年程度と短めで景気の変動により賃料が上下する)
  • ホテル(一部変動賃料のため賃料の変化率は高い)

2016年4月以降は大幅下落で割安に

ホテル関連リートは2016年4月以降かなり大幅に下落しています。

インヴィンシブル投資法人(8963)は2016年4月高値である88,400円に対し、2016年11月の安値は49,600円となっています。

現在の50,000円前半の価格ですと分配金利回りは約6.0%とかなり高利回りです。

上記の通り、インヴィンシブル投資法人の場合は50%以上が変動賃料によるものですので、変動賃料がほぽゼロになると分配金もおおよそ半分となりますので利回りが約3.0%となります。

東証リート指数全体の平均利回りは2016年11月18日時点で3.7%ですので、インヴィンシブル投資法人の現在の価格は変動賃料収入の大半がなくなるところまで織り込まれていると考えられます。

2017年4月現在、45,000円まで下落しています。インバウンド需要の落ち着きと安定性を高めるためにレジデンシャルの物件を取得した影響もありポートフォリオに占める変動賃料の割合は30%となっています。

分配金利回りは6.1%と魅力的な水準です。

変動賃料割合が以前より低下したことで分配金減少リスクも低下しています。

そういう意味では40,000円台の価格は購入するには悪くないかもしれません。

ホテルリートの今後の見通し

プラス面

訪日外国人旅行者数は2016年は2,000万人を突破することは確実ですが、今後も増加することは間違いなさそうです。

円高になると減るのではという方もいるようですが、訪日外国人旅行者数が増加している理由として円安効果はあまり大きくなく、中国をはじめとする新興国の所得水準が高まってきたことと、訪日ビザ(査証)の要件緩和による部分が大きいと考えられます。

東京オリンピック開催による注目度アップもあり、現在言われている4,000万人~5,000万人位までは増加しそうです。

しかし、上記に掲載したように旅行者数のメインは国内旅行者であり今後、国内景気が悪化した場合にはホテル稼働率の低下やADR(平均客室単価)の低下による減収も考えられます。

現在は国内旅行者も増加基調で、訪日外国人旅行者の増加も確実であることを考えると少なくとも2~3年は問題ないと思われます。

よってアベノミクスによる様々な政策で国内景気が2~3年で回復すれば中長期にわたってホテル需要は高まり、景気回復が上手くいかない場合は2020年頃に注意が必要となります。

マイナス面

予想は難しいですが大地震により海外からの旅行者が減少するリスクも潜在的にあります。

さらにもう1つ注意が必要なのはホテル需要が高止まりしても、それ以上にホテルを作りすぎる可能性もあります。

最近のニュースを見ているとホテルの開発が活発で供給過剰となるリスクもそれなりに考える必要があります。

同様に規制緩和で民泊(Airbnb)等が一般的に活用され始めるとホテルと競合することになります。

ホテルリート関連の指標【参考】

稼働率:販売客室数/販売可能客室数

ADR:Average Daily Rate(平均客室単価)

RevPAR:Revenue Per Available Room(販売可能な客室1室あたりの売上)、稼働率×ADR

GOP:Gross Operating Profit (売上高営業粗利益)

リート関連の参考ページ

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新光US-REITオープン(ゼウス)/米国リートの投資環境

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J-REITについての営業に役立つ知識はこちらを参照してください。いずれも実践的な内容です。

J-REITの「負ののれん」

J-REITの破綻(ニューシティ・レジデンス)、J-REITの実質破綻(日本レジデンシャル)

J-REITの東証REIT指数組入れ、インデックス買い~IPO(新規公開)の場合とPO(公募増資)の場合~

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