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ETFの概要(原油等コモディティ関連ETFは注意が必要)

投稿日:2016年7月2日 更新日:

ETF概要

ETFは東証に上場している「国内ETF」と海外の取引所に上場している「海外ETF」に分けられます。

さらに海外ETFは「金融庁に届出されている海外ETF」と「金融庁に届出されていない海外ETF」に分けられます。

日本人から見た場合、一般投資家が投資できるのは「国内ETF」と「金融庁に届出されている海外ETF」です。

「金融庁に届出されていない海外ETF」に投資する場合は海外の証券会社に口座を開設する必要があります。

  • 【日本の一般投資家が国内で投資可能】
    • 国内ETF
    • 金融庁に届出されている海外ETF
  •  【日本の一般投資家が国内で投資できない】
    • 金融庁に届出されていない海外ETF(海外での口座開設が必要)

下記にも掲載されていますが、「国内ETF」と「金融庁に届出されている海外ETF」で世界のほぼ全ての資産クラスに投資ができますので、海外に口座を開設するメリットはそれほどないと考えられます。

国内ETF

東証に上場しているETFで銘柄数は200を超え、充実してきています。

日本株はもちろん、J-REIT、外国株式、外国債券、商品(コモディティ)、レバレッジ型等、一通りの資産クラスは網羅しています。

売買の方法は日本株と同じなので手軽に投資できます。

  • 【メリット】
    • コストが安い
      • 投資対象にもよりますが、通常の投資信託の半分以下のものが大半です。
    • 日本株などは終値ベースでなくリアルタイムで購入できる
      • 日本株の投信を購入する場合、その日の終値の価格で購入することになるため、投信の注文時点では正確な株価の価格が決定できません。
      • 15:00の引け間際に大きく上昇して思ったより高い値段で購入してしまう可能性が発生します。
      • ETFはリアルタイムで取引ができ、指値もできるため、例えば「日経平均が15,000円になったら買いたい」などのニーズに対応できます。
  • 【注意点】
    • 乖離
      • 新興国株式などの中には流動性が低く大口投資が難しいものや、投資対象のインデックスから大幅にかい離したパフォーマンスとなっているものもあり注意が必要です。
      • 例えば「上場インデックスファンド中国A株(パンダ)CSI300」(1322)の例をあげると
        2011/4/29~2016/3/31に投資した場合、投資対象のCSI指数のパフォーマンスは+55.59%ですが、当ETFに投資した場合のパフォーマンスは+16.58%となっています。
      • 信託報酬は年間1.026%かかりますが、それを差し引いても少しかい離が大きいといえます。

金融庁に届出されている海外ETF

「金融庁に届出されている海外ETF」も年々増加しており、国内ETFより銘柄数は多く、マニアックなものまで含めてほぼ全ての資産クラスに投資できるようになっています。

「金融庁に届出されている海外ETF」はどの証券会社でも全銘柄取り扱いがあるわけではなく、各証券会社ごとに取扱銘柄数に差があります。

ネット証券ではほぼ全銘柄を取り扱っているケースが多いようで、投資家にとっては便利です。

海外FTFは取引通貨が外貨建て(米ドルや香港ドル)になっており、取引方法は外国株式と同様になります。

国内ETFと比較すると債券型の商品のラインアップが充実しているように思われます。投資適格債、ハイイールド債、新興国国債、バンクローン等一般的な投資信託の投資対象になっているものはほとんどラインアップされています。信託報酬は高いもので0.7%程度、安いものですと0.1%程度のものもあり、やはりコスト面ではすぐれています。また、少し変わったETFも多くあり、例えば米国20年債の3倍ブルベアや米国リートの3倍ブルベアなどもあります。

銘柄一覧は楽天証券やSBI証券等の取扱銘柄を確認すると良いと思います。

  • 【メリット】
    • 低コスト
      • コスト面は国内ETFと同様です
    • リアルタイムで購入できる
      • リアルタイム取引については一部のネット証券では米国株等海外市場のオープン時間にリアルタイム取引ができます。
  • 【注意点】
    • 売買手数料は外国株式のテーブルになるので国内ETFよりやや割高
    • 一部の証券会社ではリアルタイム取引ができません(ただし指値は可能)

投信との比較

流動性が一定以上確保されているものに関して言えば、コスト面ではETFに軍配が上がります。

またリアルタイム取引や指値といった取引の利便性でもETFが優れています

よって投資信託を提案・購入する際、ポートフォリオがインデックスとほぼ変わらなかったり、パフォーマンスがインデックスに負けているようなものは意味がありません。

投資信託を提案・購入する際は、運用会社の特色がポートフォリオに表れているようなものが良いでしょう。

代表的なETF

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1570)
《愛称》日経レバレッジ指数ETF

  • 通称、日経レバ
  • 日経平均の2倍の動きをするETF。
  • ただしETFでないレバレッジ型の投信と同様、日々の価格の動きが日経平均の2倍の動きとなる仕組みで、2日以上離れた日で比較した場合はちょうど2倍の動きにはなりません。
  • 日経平均という分りやすい投資対象であり、2倍の動きとなる為、サヤを取りやすいことから、非常に人気が高いETFとなっています。
  • 空売りが可能、逆日歩には注意
    • 空売りも可能で、空売りをすれば日経平均の2倍ベアファンドと同じ効果になります。(買いは2倍ブルファンドです)
    • ブルベアファンドの場合、終値ベースでしか買えませんが、ETFは日中いつでも購入できる点で利便性が高く、人気の理由となっています。
    • 空売りの際、1つ注意しなければならないのは、ベアファンドと異なり、あくまでも上場の個別銘柄ですので、空売りが多くなると逆日歩がつくことがあり、思わぬロスとなりますので注意が必要です。

コモディティ関連の問題点について

商品(コモディティ)関連のパフォーマンスの乖離

ETFに限らず投資信託でも同じですが、ETFには商品(コモディティ)関連の商品が多いので「商品(コモディティ)ETFの乖離」について掲載します。

これはETFの問題ではなくコモディティ投資の問題点です。

コモディティに投資する場合は通常、先物に投資します。

先物には限月という期限があり、期限が来ると先(将来)の限月の先物に乗り換え(ロールオーバー)する必要があります。

このとき保有している先物と乗り換える先物の間に価格差がある為、パフォーマンスの乖離が発生します

例えばWTI原油先物を例にすると

  • WTI原油先物は第1限月(1か月後に清算)と第2限月(2か月後に清算)の間には価格差があります。
  • 市場の見通しによって、将来に行くほど価格が高い状態(コンタンゴ)と将来に行くほど価格が低い状態(バックワーデーション)があります。
  • 原油の保有コスト等の理由で通常はコンタンゴの状態が多くなります。
  • コンタンゴの状態で先物の乗り換え(ロールオーバー)を行うと、安い先物を売却して、高い先物を購入することになりますので、投資しているETFや投資信託のパフォーマンスは実際のWTI先物の動きに比べて悪くなります。(先物のロールコスト)
  • バックワーデーションの場合は逆にパフォーマンスが良くなります。
    • 具体例としてWTI原油先物ETF(1671)とWTI原油先物を比較すると2016/2/22~2016/2/24の3日間で約9%の乖離が発生しています。
    • ちょうど限月交代のタイミングで、他のETFも同様の動きになっていますので先物の乗り換え(ロールオーバー)が要因と思われます。
    • WTI原油先物以外でもコモディティ関連のETFや投資信託で実際の指数と比べてパフォーマンスに乖離がある場合は、大半が限月交代による先物の乗り換え(ロールオーバー)が原因とみてよいと思います。
      commoditycurve

 

コモディティインデックスの問題点

コモディティインデックスの場合には上記のWTI原油先物と同様「限月交代時の乗り換えによるパフォーマンスの乖離」の問題に加え、もう1つ大きな問題があります。

それは、先物の乗り換え(ロール)タイミングが公表されていることです

<代表的なコモディティインデックスのロールタイミング>

  • ブルームバーグ商品指数(旧DJ-UBSコモディティインデックス)
    • 毎月月初第5営業日から第9営業日に20%ずつロールしていく
  • S&P GSCIコモディティインデックス
    • 毎月月初第5営業日から第9営業日に20%ずつロールしていく
  • ロイター/ジェフリーズCRB指数
    • 毎月月初第1営業日から第4営業日にロールしていく

これらのインデックスは流動性が高い直近限月の先物を保有し、上記のタイミングで1つ先の先物に乗り換えていきます。

このように先物を売却・購入するタイミングが分っているので、ヘッジファンド等のサヤとりに使われることで、ロールオーバー時のロスが大きくなります

先物をロールするタイミングを公表している理由は、インデックスというものは誰かに使われることで存在意義が発生するものであり、ロールタイミングを公表しておかないと、インデックスファンドやETFで使えないからです。

これは先物でしか投資できないコモディティインデックスの構造的な問題といえます。

コモディティインデックスに投資する場合は、ロールタイミングを機動的に変更していくアクティブファンドも存在するのでそちらの方がベターと思われます。(あくまでロールのアクティブ運用が上手くいくとの前提ですが)

commodityindex

図の説明

  • S&P GSCI スポット
    • ロール時に発生する価格差(乖離)を考慮していない単純な価格の推移。実際にこれと同じ運用を行うことはできません。
  • S&P GSCI エクセスリターン
    • ロール時の価格差(乖離)を調整した指数。実際の先物の投資はこのパフォーマンスとなる。
  • S&P GSCI トータルリターン
    • エクセスリターンに現金部分の短期金利での運用パフォーマンスを加えたもの。
    • 実際の投信やETFはこのパフォーマンスになる(S&P GSCIエクセスリターン+米ドル3ヶ月LIBOR)

スポットとエクセスリターンの差が、先物をロールする際のロスであり、時期によっては上記のように大きなかい離となります

GSCIは70%以上がエネルギー関連である為、5年間で原油も上がっているから相当儲かっているかと思ったら、上記のようにマイナスだったということも起こります。

(チャートの例では40%位プラスになっているかと思ったら18%のマイナスだったということになる)

コモディティインデックス参考情報

  • コモディティ・インデックスのアロケーション決定方法
    • S&P GSCIコモディティインデックス
      • 世界のコモディティ生産量の加重平均で決定されるため、原油などエネルギーの比率が高くなる
    • DJ-UBS
      • 先物の流動性2/3、生産量1/3
      • さらに下記の制限がある為、ある程度分散が効く形になっている
        • 単一セクターの構成比率33%以内
        • 単一関連商品の上限25%以内
        • 単一商品の上限15%以内
        • 単一商品の下限2%以上

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