こちらのページは「ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(杏の実)」を例に「豪ドル」のポイントやリスクを掲載しています。
大部分は豪ドル全般に共通する内容ですので、豪ドルの見通しを分析する上で活用いただけます。
豪ドルのポイントをまとめると下記の通りです。
- 高い格付け・健全な財政・安定した経済成長・豊富な資源
- 先進国の中では相対的に高い利回り
- 中国との結びつきが強く中国リスクには注意
- 豪ドル金利と米ドル金利の逆転現象には注意
詳細は下記をご覧ください。データや内容は随時、更新しています。
まず最初に「ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(杏の実)」の商品概要から紹介します。
ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(杏の実)の概要
実質的な運用会社
- 大和投信(委託会社:大和投信)
投資対象
- オーストラリアドル建て、ニュージーランドドル建ての債券
- 最終利回り0.9%(信託報酬控除後-0.475%)
(データは2021/9末基準)
商品組成上の特徴
- 毎月分配型に加え、年1回決算型/年2回決算型あり
主な販売会社(販売手数料)
- 三菱UFJモルガンスタンレー証券:5000万円未満2.2%、1億円未満1.1%、1億円以上0.55%
- SBI証券:500万円未満1.65%、1000万円未満1.1%、1000万円以上0.55%(IFA一律2.2%)
- みずほ信託銀行:1億円未満2.2%、5億円未満1.1%、5億円以上0.55%
信託報酬
- 1.375%
豪ドルに投資する上でのポイント・メリット
高い信用力
- オーストラリアの国債はAAA格
- 主要国のソブリン格付けはこちらを参照:世界の国債格付け(ソブリン格付け)一覧
オーストラリアは資源が豊富
- 鉄鉱石(世界シェア20%で2位)
- 石炭(世界シェア6%で5位)
- 金(世界シェア%で2位)
- ボーキサイト(アルミニウムの原料)(世界シェア29%で1位)
- チタン鉄鉱(世界シェア14%で3位)
- ダイヤモンド(世界シェア18%で3位)
オーストラリアは財政が健全
- 純公的債務の対GDP比は2020年(予測値)で39.4%と極めて低い水準(日本の2020年予測値は177.1%)
- 【参考:世界の政府債務残高(対GDP比)/世界の政府純債務残高(対GDP比)推移】
安定した経済成長と高い金利水準
- 安定した経済成長と先進国の中では高めの金利水準を維持
- オーストラリアの政策金利の推移はこちら:金利とインフレ率推移(チャート・変動要因)【②資源国】
- 実質GDP成長率は1992年以降連続してプラスを維持している
- リーマンショックの影響から2008年/2009年は多くの先進国がマイナス成長となる中、オーストラリアはプラスを維持した。(参考:世界の実質GDP成長率推移)
- オーストラリアの人口は今後も右肩上がりで増加する見通しで経済成長にプラスに寄与する(主要国の人口の見通しはこちら:世界の人口推計/人口ランキング)
- 外国人旅行者数が過去最高を更新しており、インバウンド消費も増加し、今後もオーストラリア経済の安定に寄与する見通し
「資源価格の下落」「中国景気の悪化」で豪ドルが安くなった時は買い
- 2014年~2016年にかけて、「原油をはじめとする資源価格が大幅に下落」したことと、「中国の景気悪化」や「豪州の利下げ」の影響により豪ドルは大きく調整した。
- 対円では2014年後半は1豪ドル=95円~100円前後で推移していたが、2016年9月は70円台後半まで下落
- 対米ドルでは2013年前半までは1豪ドル=1米ドル近辺での推移であったが、2016年9月は1豪ドル=0.75米ドル近辺まで下落。
- 最新の豪ドルレートのチャートはこちらを参照:豪ドル為替レート(円/豪ドル,ドル/豪ドル)長期推移(チャート・変動要因)
ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープンの愛称は「杏の実」
- 愛称の「杏の実」は「杏(あんず)」はオーストラリアとニュージーランドの頭文字ANZから、「実」は毎月分配という果実を受け取れるという意味からきている
- 現在ニュージーランドドルは数%で、大半はオーストラリアドルとなっている。
豪ドルのリスク・デメリット
中国リスク
- オーストラリアの輸出相手国第1位は中国で輸出の約30%強を占めている。
- よって、中国経済が低迷すると、オーストラリアの輸出も低迷し、その影響で豪ドルが不安定な動きになりやすい。(ちなみに輸出相手国の2位以下は2位:日本・約15%、3位:アセアン地域・約11%、4位:韓国・約7%とアジアの比率が高い)
豪金利と米金利が逆転(豪金利が米金利を下回る時は注意が必要)
- 豪金利と米金利の逆転現象が発生しないか注意が必要
- 過去、豪の政策金利が米国の政策金利を下回ったのは1997年~2001年のみであり、この時の対米ドルの豪ドルレートは1豪ドル=0.5ドル~0.75ドルと過去最低水準で推移した
- ただし、名目金利差のみでなく実質金利差の分析も必要:豪ドルの予想で重要なのは金利差ではなく実質金利差
投資対象が同じ投信(類似ファンド)
- オーストラリア公社債ファンド (オージーボンド)
- LM・オーストラリア毎月分配型ファンド
- 三井住友・豪ドル債ファンド
関連ページ
杏の実の月次レポート等はこちらを参照してください!
ドル/豪ドルレートの推移は実質金利差で大部分を説明できます!
オーストラリアのREITについてはこちらを参照してください!
豪ドルとニュージーランドドルの比較はこちらを参照してください!