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J-REITの破綻(ニューシティ・レジデンス)、J-REITの実質破綻(日本レジデンシャル)

投稿日:2016年11月26日 更新日:

リートの破綻例

2008年10月9日、ニューシティ・レジデンス投資法人が民事再生法適用を申請しJ―REITとしては初の破綻となりました。

スポンサーは米国の不動産大手シーピー・リチャードエリス(CBRE)のグループ会社でした。

破綻した直接的な原因は「ニューシティ・レジデンス池袋プレシャスタワー」をフォワードコミットメント(将来取得する契約)で取得したが、資金調達ができなかったことによります。

ニューシティーレジデンス投資法人の資産規模約1,700億円に対し池袋の物件は277億円と規模が大きな物件でした。

リートが新たに物件を購入する際にはローンによる調達か公募増資による調達が必要となりますが、リーマンショック直後でマーケット環境が大幅に悪化しており、どちらの調達もできませんでした。

その結果、物件を購入できず、契約不履行で違約金55億円が発生し破綻につながりました。

民事再生法を申請後の経緯(上場廃止前の終値で買えば大きくプラスだった)

  • 2008/10/9:民事再生法申請を発表:発表前の終値71,000円
  • 2008/11/7:上場廃止:終値14,200円
  • 2009/9/9:ローンスターをスポンサーとする再生計画案が債権者集会で否決される
  • 2009/11/10:ビ・ライフ投資法人(現 大和ハウスリート投資法人)と合併契約を締結(合併比率はニューシティーレジデンス1株に対しビ・ライフ0.23株を交付)
  • 2010/4/1:ビ・ライフ投資法人(現 大和ハウスリート投資法人)と合併
  • 2010/4/1:ビ・ライフ投資法人(現 大和ハウスリート投資法人)の投資囗価格は初値396,500円

よって2008/11/7の上場廃止時にニューシティレジデンスを1株14200円で購入した場合、2010/4/1にはビ・ライフ投資法人396,500円×0.23 = 91,195円と6倍以上になったことになります。

この91,195円という価格は民事再生法発表前の71,000円をも上回る価格です。

ただし、2008年3月頃はニューシティレジデンス投資法人は300,000円以上でしたのでそこから見れば大きな損失となっています。

もしそのまま現在まで保有していれば1 :2の分割を2度行っていますので大和ハウスリート投資法人0.92囗(0.23×4)となっています。

2016/11/25現在、大和ハウスリート投資法人は282,600円ですので、282,600×0.92=約260,000円となります。

これでようやく一連の騒動の前の水準となります。

現在はリスク管理が向上

リーマンショック以降、各J-REITのリスク管理は格段に向上しています。

LTVを控えめにすることで市況の悪化により公募増資ができくなっても物件を購入できるように余裕を持った運営を行っているリートが多くなっています。

また、ニューシティーレジデンス破綻の原因となった物件のフォワードコミットメントは現在ではあまり行われておらず、ブリッジファンドを活用することで、資金調達ができない場合や価格下落時のリスクを外部に分散しています。

リートの実質破たんの例

法的には破たんではありませんが、「実質的に破綻十吸収合併された」ケースとして日本レジデンス投資法人の例があります。

日本レジデンシャル投資法人のスポンサーはパシフィックホールディングスという東証1部上場の不動産投資会社でしたが、この会社が2009/3/10に会社更生法を申請し破綻しました。

投資法人とスポンサーは別法人であり、スポンサー企業が倒産しても、J-REITの投資法人は物件を保有しているだけであり、直接的な影響はありません

ただし資金調達時の信用力や物件の供給等でスポンサーは非常に重要なファクターとなります。

日本レジデンス投資法人は入札形式でスポンサーを募り、最終的に伊藤忠商事が新スポンサーとなり、既に伊藤忠商事がスポンサーとなっていたアドバンス・レジデンス投資法人と合併することとなりました。

この時、非常に割安な価格で日本レジデンシヤル投資法人を吸収したことで現在でもお宝となっている「負ののれん」が439億円も発生しました。

逆に日本レジデンシヤル投資法人の投資家は不利な合併比率となり影響を受けました

やはりリートはスポンサーが大切だと改めて感じさせる事例です。

アドバンス・レジデンスと日本レジデンシャルの合併はJ-REIT初の合併でしたが、その後2010年~2011年に同様の救済合併が多く行われました。

最近でいうと、2016年にテナントの退去問題や外部成長パイプラインがない等いくつか問題点を抱えていたトップリートが野村不動産マスターファンドに吸収合併されています。

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