こちらのページでは証券会社の法人営業で必ず知っておくべき外国籍投信の活用について掲載しています。
証券会社の法人営業担当者や事業法人の運用担当者の方は必見です。
ポイントは外国籍投信には特別分配金という概念がないという点です。
詳細は下記をご覧ください。
外国籍投信には特別分配金がない
外国籍投信とは外貨資産に投資する投信という意味ではなく、投資信託の分類としての「外国籍投資信託」です。
ここでのポイントは外国籍投信には「特別分配金」という概念がないということです。
法人が通常の国内籍投信を購入して分配金を受け取る場合は個人と同様に下記のような取り扱いとなります。
- 利益の部分→普通分配金
- 元本の取り崩し部分→特別分配金
一方、外国籍投信の場合は全てが普通分配金となります。
国内籍投信の場合、特別分配金は利益計上できない
法人の決算でP/L(損益計算書)に利益(益金)として計上できるのは、普通分配金のみです。
特別分配金は投資元本が返ってきただけなので、利益とは認識されません。
ここで問題となるのが、法人によっては財務(経理)部に年間の収益予算(目標)がある場合があります。
通常の国内籍投信の場合、いくら分配金を受け取っても、購入した投信が値上がりして普通分配金として受け取らないと利益計上はできません。
投信で毎回値上がりするのを的中させることは困難ですし、常に右肩上がりで毎年上昇するとは限りません。
長期的には右肩上がりでも年によってはマイナスになるなど、とうしてもバラツキが出てしまいます。
その度に一喜一憂するのでは運用担当者も大変です。
外国籍投信の場合、全て普通分配金として利益計上できる(外国籍投信に特別分配の概念はない)
そこで、財務(経理)部に年間の収益予算がある場合に重宝されるのが外国籍投信です。
上記でも書いたように外国籍投信には特別分配金という概念がありません。
よって、分配金は全て普通分配金となり、全て利益(益金)計上となります。
あまり大きく分配金を出しすぎる投信の場合、元本が大きく下がってしまいますので、最も好まれる商品のイメージとしては、外債など安定的な資産で運用される投信で、中のポートフォリオの利回りと分配金の利回りがほぼ同水準の商品です。
更に円ヘッジ型で為替リスクもなく、円建てであれば法人顧客にとってはベストと言えます。(一般的に外国籍投信は外貨建ての商品が多いですが、円建ての商品もそれなりに存在します)
下記に条件に合いそうな商品例を掲載します。
法人運用担当者が喜ぶ外国籍投信の商品例
<理想的な商品のポイント>
- 外国籍投信
- ポートフォリオ利回りと分配金利回りがほぼ同水準
- 円ヘッジ型、円建て
- 投資対象が比較的安定的な資産クラス
<具体的な商品例>(2016年のデータです)
- 商品名:日興グローバル金融機関ハイブリッド証券ファンド
- 投資対象:金融機関が発行するハイブリッド証券(優先証券、CoCo債)、円ヘッジ型
- 商品形態:ケイマン籍の円建て投信
- 販売会社:SMBC日興証券
- ポートフォリオ最終利回り:4.3%(為替ヘッジ後)
- 分配金:年2回×200円(年率約4%)
年率4%の分配金は変更がない限り、分配金=益金(決算上の利益)となります。
例えば3億円購入すると、年間の利益として1,200万円は確保できます。
イメージとして債券のインカム収入のみを受け取っている形ですので、長期的には投資元本は横ばいとなります。
もちろん、上記のような債券型投信だけでなく、株式も組み入れられているバランスファンドのような商品でも良いでしょう。
安定的に利益計上しながら長期投資というのも悪くないと思います。
いずれにしても、収益目標がある運用担当者の方にとっては一部でも「計算できる利益」があると非常に助かるようです。
証券会社の法人営業の方は試しに提案してみてください。
法人の運用担当の方も良い商品があれば活用してみてください。
一つだけ注意点は、分配金利回りが必要以上に高いものは避けるべきということです。
例えば、ファンドの中のポートフォリオ利回りが5%前後なのに分配金利回りが30%のような商品です。
これでは利益の先食いになり、解約時に大きな損失か発生してしまいます。
これでは意味がありません。
ポートフォリオ利回りと分配金利回りがほぼイコールのものか、バランスファンドで長期的な期待リターンと同じくらいの分配金利回りであればベストです。
関連ページ
法人の運用担当者にラップについてアドバイスをするならこちらを参照してください。法人はラップ契約ではなく、ラップ型投信がおすすめです。
法人の税金や節税についてはこちらを参照してください!