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転換社債(CB)の仕組み・特徴・提案のポイントについて

投稿日:2016年11月30日 更新日:

転換社債(CB)の概要とメリット

2002年4月1日から施行された商法改正で正式名称は「転換社債型新株予約権付社債」となっています。

CBは「convertible bond」の頭文字をとっだものです。

仕組みは、あらかじめ決められた株価(転換価格)で株式に転換する権利が付与された社債です。

経済的には「社債+コールオプションの買い」ですので、ダウンサイドリスクをヘッジしながら高いリターンを得られる可能性があります。

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株式と債券の良いところを組み合わせた商品で、株価上昇局面では株式の性質により転換社債(CB)価格が上昇し、株式下落局面では債券の性質によりCB価格の下支え要因となります。

下記に投資家から見た場合と発行する企業から見た場合のメリット・デメリットを掲載します。

投資家が転換社債(CB)を購入するメリット・デメリット

  • 株価が転換価格より上昇し転換社債(CB)の価格が上昇した場合、キャピタルゲインを得られる
  • 株価が上昇しないまたは下落した場合でも額面で償還されるので元本割れリスクがない(発行時の転換社債価格が100超のいわゆるオーバーパー発行の場合は額面との差がキャピタルロスとなる場合がある)
  • クーポンは同じ発行体の社債より低くなるため、株価が上昇しない場合はリターンが社債より低くなる点がデメリット

企業が転換社債(CB)を発行するメリット・デメリット

  • 社債を発行する場合よりクーポンが低くなるため利払いを抑えることができる
  • 株価が転換価格を超え株式に転換が進んだ場合、返済する必要がなくなることでキャッシュフローが改善する
  • 株式に転換が進んだ場合、発行済み株式数が増加し希薄化が発生することから、既存の株主からは批判を受ける点がデメリット(これを回避するため自社株買いとセットで転換社債を発行するケースもある)

転換社債(CB)の発行例

  • 発行体:A株式会社
  • クーポン1%、期間5年
  • 転換価格600円(現在の株価500円)

株価が600円以上になると転換価格との差額がキャピタルゲインとなります。

株価が上がらなかった場合は5年後に100で償還されますので期間5年、1%の社債を購入したことと同じになります。

よって下値リスクをヘッジしながら、アップサイドのリターンを追求できる点で、投資家にとっては非常に良い商品と言えます。

デメリットは、同じ会社が一般の債券を発行した場合は1%以上のクーポンとなるため、株価が上昇しなかった場合は債券に投資した場合より利回りが低くなる点です。

転換社債(CB)の価格変動イメージ

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転換社債(CB)のデルタとは

転換社債(CB)のデルタとは転換社債が対象となる株式に対してどの程度連動するかを表す指標です。

上記の図にあるように株価が転換価格を大きく下回る場合はデルタは低く、株価が転換価格を大きく上回る場合はデルタが高くなります。

デルタは0~1(0%~100%)の数値で表されます。

デルタ1ということは転換社債の価格が株価に完全連動する状態を言います。株価が転換価格を大きく上回るときは、デルタ1近辺になります。

転換社債(CB)に投資するに当たってはデルタのレベルによって投資目的が変わってます。

  • デルタが低い時(デルタ0.2~0.4程度)
    • 高い利回りが期待できる
  • 中程度の時(デルタ0.4~0.6位)
    • 多少の利回りと株価上昇によるキャピタルゲインが期待できる
  • デルタが高い時(デルタ0.7~1.0程度)
    • 利回りはほとんどないか、もしくは全くないがダウンサイドリスクを限定しながら株価上昇によるキャピタルゲインが期待できる

転換社債(CB)のパリティとは

パリティとは株価から見た転換社債(CB)の理論価格のことを表し、株価と転換価格から算出されます。

パリティ=株価/転換価格×100

実際には株価が転換価格をしっかりと超えた水準になると転換社債(CB)の価格がパリティ価格と連動して動くようになります。

転換社債(CB)の価格とパリティ価格がイコールであれば、転換社債(CB)保有者はそのまま転換社債(CB)を売却しても、株式に転換してから株式を売却しても経済効果は同じになります。

逆に株価が転換価格よりも低い場合は、パリティ価格と連動せず、債券としての性格がメインとなるため転換社債(CB)価格は通常の社債と同様に100前後での推移となります。

転換社債パリティ

クレジットリスクが高まっている時が投資の狙い目

上記の通り、転換社債は投資家にとって魅力的な商品性ですが、株式市場やクレジット関連の環境が良好な時は、それほど条件の良い銘柄は存在しません。

リーマンショック後はかなり信用リスクの高い銘柄でも、残存期間3年、最終利回り8%~10%という条件がゴロゴロ存在していました。

このような時に、分散が効いた投信で購入するのが最もリスクが小さく、高いリターンを期待できるパターンとなります。

このような状況ですとパリティは30~50で一見すると大きなリターンは期待できないように感じたのですが、リーマンショック後は株価が大きく反発しましたので、予想外に大きなリターンを得られる銘柄も存在し、投信で購入していてもかなり大きなリターンになりました。

逆にマーケット環境が良い時に分散が効いた投信で転換社債(CB)を購入しても、「キャッシュで薄めた株式を購入しているイメージ」になりそれほど魅力的ではありません。

マーケット混乱時に投信で幅広いお客様に提案することをお勧めします

株式に投資するの投信と比べても安心感がある分、通常より1ケタ大きい大口契約も獲得できます

その際は、トラックレコードが非常に長く、運用に定評のあるJPモルガン・アセット・マネジメントのCBファンド等がおすすめです。

  • JPMグローバル・CB・オープン'95
  • JPMワールド・CB・オープン

為替も機動的にヘッジしていく仕組みもあり、中長期で保有しても良い商品です。

転換社債(CB)や社債(SB)がおいしい価格で購入できるようなクレジット危機は10年に1度くらいしかありませんが、その時は大チャンスです。

その時はマーケットの雰囲気も悪く、投資家のマインドも低いため、普通の株式で運用する商品を勧めてもあまり大きなお金は動きません。

その際に、債券的性質をもつCBは安心感もあるため大口取引につながりやすくなります。

差別化できる提案として覚えておいてください。

転換社債(CB)の個別銘柄情報

ツイッター(TWTR)の転換社債(CB)

2016年11月時点のデータです。

マーケット環境が良く面白味のある銘柄があまり存在しませんが、個別要因で割安になっているものもいくつかあります。

例えばツイッター(TWTR)の転換社債(CB)などは買いたい方もいると思います。

【2016/11/28現在の条件】

  • 償還日:2021/9/15
  • クーポン:1%
  • 単価:92.5程度
  • 最終利回り:2.55%程度
  • 転換価格:77.644ドル(現在の株価18.06)
  • パリティ:23.26

業績は赤字が続き、信用力が高いとは言えませんが、それでも株式時価総額は1.4兆円あります。

信用リスクもそれなりにありますが、倒産しなければ5年弱で最終利回り2.5%です。

さらに黒字化などで株価が上昇した場合、大きなリターンも期待できます。

ツイッタークラスの企業なら時価総額10兆円規模になる可能性もゼロではありません。

時価総額10兆円で株価が125ドル前後となりますので、転換社債の理論価格(パリティ)は160超(+60%超)となります。

テスラ(TSLA)の転換社債(CB)

次にテスラ(TSLA)も面白いのではないでしょうか。こちらは2017年11月の条件です。

【2017/11/15現在の条件】

  • 償還日:2022/3/15
  • クーポン:2.375%
  • 単価:116程度
  • 最終利回り:-1.2%
  • 転換価格:327.5038ドル(現在の株価:311.3ドル)
  • パリティ:95.05

上記のツイッターの転換社債(CB)がバリュー系(利回り重視)とすると、テスラの転換社債(CB)はクロース系(値上がり重視)です。

パリティを比べるとツイッターの転換社債(CB)は23.26であるのに対し、テスラの転換社債(CB)は95.05です。

つまり株価が転換価格に近い水準まで上昇しており、もう少しで転換社債(CB)もキャピタルゲインがでる水準となっています。

その分、逆に転換社債(CB)の価格はオーバーパーとなっており最終利回りはマイナスです。

ただしクーポンも合わせた最終利回りで-1.2%です。

残存期間が4年強ですので最悪のケースでもトータルで約-5%です。

株価があと15ドル程度(5%程度)上昇すれば転換社債(CB)価格も上昇していきますので、損失は5%限定でリターンは無限大の投資となりかなり魅力的です。
(もちろんテスラが破綻しないことが前提ですが)

ソフトバンク(9984)の転換社債(CB)

かなり前の話ですがソフトバンクが1996年に発行した転換社債(単価100)が1999年のネットバプルの時に2000以上(20倍以上)で取引されていました。

100万円の転換社債(CB)が2,000万円以上というものすごいリターンです。

【ソフトバンク第1回無担保転換社債】

  • 発行日:1996/1/26
  • 償還日:2002/3/29
  • 転換価格:8,141円
  • クーポン:0.5%

転換価格8,141円に対し,ネットバブル時のソフトバンクの株価は2000/2/15に198,000円まで行きましたので20倍以上になったわけです。

これが転換社債(CB)の醍醐味でもあります。

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