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時価総額ランキング上位企業(1992年と2016年) / グローバルでは大きな変化、日本は同じ顔ぶれ

こちらのページでは「世界の時価総額ランキングTOP50」と「日本の時価総額ランキングTOP50」を1992年と2016年で比較しています。忘備録として残しています。

最新の時価総額データは下記をご覧ください。

世界の時価総額ランキングTOP50(1992年と2016年)

世界の時価総額トップ企業を1992年と2016年で比較すると時代の大きな変化を感じることができます。

下記に変化したポイントを解説付きで掲載します。

IT企業の躍進

1995年にWindows95が発売されて以降、インターネットが急速に普及し、多くのIT関連企業が大きく成長しました。

2016年の時価総額トップ10にはアップル・グーグル・マイクロソフト・アマゾンドットコム・フェイスブックがランクインしています。

グーグル・アマゾン・フェイスブックは1992年の時点ではまだ設立もされていません。

このような新しい分野の新しい企業が生活スタイルを変えてしますようなサービスを生み出し、社会インフラの一部となるところに米国の長期的な成長力を感じます

中国企業の躍進

中国は1990年代から現在まで、大きな経済成長を成し遂げてきました。

現在、経済規模では日本を抜き、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国となっています。

それに伴い国内企業も大きく成長し、テンセント・アリババ・4大銀行をはじめ多くの企業が世界の時価総額トップ50にランクインしました。

人口も多く経済規模が大きいことと、国家による様々な規制により企業規模が大きくなりやすいことが要因と考えられます。

中国以外では韓国のサムスン電子・台湾セミコンダクター等がトップ50にランクインしています。

日本企業が大幅に減少

1992年の時点では時価総額世界トップ50に日本の企業が10社ランクインしていましたが、2016年ではトヨタ1社のみとなっています。

バブル崩壊以降、経済成長が進まないことと、7社もランクインしていた銀行が不良債権処理などの影響もあり大きく時価総額を減らしたことが要因となっています。

逆に米銀はウェルズファーゴ・バンクオブアメリカ・シティグループが大きく時価総額を拡大しトップ50にランクインしています。

ちなみにランキングは米ドルベースの時価総額となっていますが、ドル円レートは1992年12月末が1ドル=約125円、2016年12月末が1ドル=約117円ですので為替による影響はほぼありません。

逆に若干円高になっている分、日本企業にとってはプラスに作用しています。

時価総額の規模自体が大きく増大

1992年はトップのエクソンモービルでも時価総額は759億ドルでした。

2016年のトップであるアップルの時価総額は5,893億ドルとなっており、時価総額の規模自体が大きく拡大しています。

759億ドルの時価総額は2016年12月時点では120位くらいになります。

日本企業をみているとトヨタを除き大企業の時価総額が拡大しているイメージはありませんが、グローバルで見るとものすごい勢いで拡大しています。

言い換えると、1992年から2016年でみると世界中の株式は大きく上昇していますが、日本のみ株価が上昇していないということになります。

以前よりM&Aが増加している点は注意すべき

時価総額の増加は必ずしも株価の上昇によるものではないことに注意すべきです。

近年、M&Aの活発化により個別企業の時価総額が大きくなりやすい状況にあります。

例えば、それぞれ「発行済み株式数1億株、株価1000円、時価総額1000億円」のA社とB社が対等合併すると単純計算で「発行済み株式数2億株、株価1,000円、時価総額2,000億円」の企業が誕生します。

時価総額は増加しますが、投資家は1株1,000円の株式を持っていることに替わりはありませんので、儲かっている訳ではありません。

このようなケースが特に欧米の企業で多くなっています。

例えばユーチューブやインスタグラムは上場していても良さそうですが、それぞれグーグルとフェイスブックに買収され、時価総額の観点ではアルファベット(グーグル)とフェイスブックの中に含まれています。

日本の時価総額ランキングTOP20(1992年と2016年)

日本の時価総額トップ企業はそれほど大きく変化していません。

本当の意味で時代を反映した新しい企業と言えるのはソフトバンク・キーエンス・ファナックくらいで、それに携帯電話のドコモ・KDDIを加えた5社しか新しい会社はありません。

上記にも記載しましたが銀行の低迷が目立ちます。

現在でも3メガバンクはトップ20にランクインしていますが、時価総額の減少は著しいです。

例えば1992年の3位日本興業銀行、6位富士銀行、7位第一勧業銀行は合併して現在はみずほフィナンシヤルグループとなっていますが、時価総額は当時の3社合計1,299億ドルから現在は452億ドルと約1/3となっています。(ちなみにメガバンクは2000年代に大型増資を行ったことで発行済み株式数は大幅に増加しています。よって時価総額は1/3ですが、投資をしていた場合の損失はもっと大きくなります)

上記の「世界の時価総額TOP50(1992年と2016年)」と比較すると海外、特に米国では革新的な企業が現れ、生活スタイルを変えるようなイノベーションが起きていますが、日本ではイノベーションが起きていないことははっきりと見て取れます。

その結果が株価の推移にも表れており、1992年12月末から2016年12月末で日経平均はほとんど上昇していませんが、ニューヨークダウは約6倍になっています。

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