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「FRB」「FOMC」「FED(FRS)」「FFレート」とは?【米国中央銀行の仕組み】

2018年3月29日

経済ニュースなどで「FRB」「FOMC」「FED(FRS)」「FFレート」といった言葉を聞くことがあると思います。

いずれも米国の中央銀行に関連しています。

こちらのページでは米国の中央銀行制度について分かりやすく解説しています。

最初にまとめて説明するとこのような形になります。

  • FED(FRS)」は連邦準備制度という米国の中央銀行制度のことです。
  • 中央銀行である「FRB」の理事とその傘下にある連邦準備銀行総裁は年8回の「FOMC」を開催して、政策金利である「FFレート」の引き上げ・引き下げ等を決定しています。

詳細は下記をご覧ください。

それではまず最初に「FRB」から解説します。

FRBとは

「FRB」(エフ・アール・ビー)は「Federal Reserve Board」(連邦準備制度理事会)の略です。

「FRB」は米国の中央銀行として、12の連邦準備銀行と協力しながら金融政策の中核を担っています。

12の連邦準備銀行はこちらです。

  1. ボストン(マサチューセッツ州)
  2. ニューヨーク(ニューヨーク州)
  3. フィラデルフィア(ペンシルベニア州)
  4. クリーブランド(オハイオ州)
  5. リッチモンド(バージニア州)
  6. アトランタ(ジョージア州)
  7. シカゴ(イリノイ州)
  8. セントルイス(ミズーリ州)
  9. ミネアポリス(ミネソタ州)
  10. カンザスシティ(ミズーリ州)
  11. ダラス(テキサス州)
  12. サンフランシスコ(カリフォルニア州)

正確には少し異なりますが、FRBは日本では日銀で、12の連邦準備銀行は日銀の支店のようなイメージです。

FRBの理事は議長・副議長を含め7名が定員で大統領の指名により任命されます。(理事は空席があることもある)

理事の任期は最長14年です。

その中から選ばれる議長・副議長の任期は4年で再任が可能となっています。

グリーンスパンのように1987年8月11日~2006年1月31日まで18年以上議長を務めたケースもあります。

近年のFRB議長はこちらです。

  • ボルカー:1979年8月〜1987年8月
  • グリーンスパン:1987年8月〜2006年1月
  • バーナンキ:2006年2月〜2014年1月
  • イエレン:2014年2月〜2018年2月
  • パウエル:2018年2月〜

パウエル氏で16代目です。

FRBの明示的な目標は「物価の安定」と「雇用の最大化」です。

その目標を達成するために、FFレートのコントロールや公開市場操作を行うことで金融政策のオペレーションを実行しています。(利上げ・利下げなど金融政策の決定自体はFOMCで行われます)

量的金融緩和(QE)を行う際はFRBのバランスシートを拡大させて国債やMBS等を購入します。

12の連邦準備銀行の業務の内、マーケットで最も重要なのはベージュブック(地区連銀経済報告)です。

各連銀が管轄する地区の経済状況をまとめ、FOMCの2週間前の水曜日に公表されます。

全体の経済情勢の他、個人消費・雇用・製造業・金融サービス・不動産など幅広い項目について報告されます。

FOMCの討議資料として利用されるため注目度は極めて高くなっています。

報告書の表示がベージュであることからベージュブックと呼ばれています。

FOMCとは

「FOMC」(エフ・オー・エム・シー)は連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)の略です。

日本の日銀金融政策決定会合のようなイメージで、年8回(約6週に1回)開催され、米国の金融政策を決定する会合です。

ここで政策金利であるFFレートの「利上げ」「利下げ」が決定されます。

FOMCは「FRB理事の7名」と「連銀総裁の12名」が参加します。

将来のFFレート予想で紹介されることが多いドットチャートおけるFOMCメンバーはこの19名です。

  • FOMCメンバー(19名)=FRB理事7名(FRB議長含む)+地区連銀総裁12名

ちなみにFRB理事は欠員により7名未満になるケースもたびたび発生します。

FOMCにおける議決権はFRB理事7の名は常に保有していますが、連銀総裁12名の内、議決権を持っているのは5名のみとなります。

ニューヨーク連銀総裁は常に議決権を保有し、残りの4つの議決権は11の連銀総裁で持ち回りとなります。

  • FOMC議決権保有者(12名)=FRB理事7名(FRB議長含む)+NY連銀総裁+他の地区連銀総裁4名

FOMC参加メンバーの内、金融引締めバイアスのメンバーを「タカ派」、金融緩和バイアスのメンバーを「ハト派」と呼びます。

マーケット参加者はFOMCの議決権保有者が「タカ派」か「ハト派」かを注視しています。

下記に参考として主要国の金融政策決定会合の仕組みを一覧で表示します。

主要国の金融政策決定会合の概要一覧

主要国の金融政策決定会合の概要一覧

FED(FRS)とは

「FED」(フェド)は連邦準備制度(Federal Reserve System)のことを指します。

頭文字をとってFRS(エフ・アール・エス)と呼ばれることもあります。

「FED(FRS)」はFRBやFOMCを含めた米国の中央銀行制度の総称です。

FED(FRS)におけるFRBとFOMCの関係をまとめると下記のようになります。

FRB・FOMC・FED仕組み図

上記で説明した通り、FRB理事7名と地区連銀総裁12名の合計19名が参加しますが、議決権を持っているのはFRB理事7名と地区連銀総裁5名の合計12名です。

FFレートとは

米国の政策金利である「FFレート」(エフ・エフ・レート)はフェデラル・ファンド(Federal Funds)レートの略です。

フェデラル・ファンド(Federal Funds)は米国の銀行が地区連銀に開設している口座に預け入れる無利子の準備預金です。

日本で言う日銀当座預金のようなイメージです。

FFレートはフェデラル・ファンド(Federal Funds)が不足している銀行が、余剰となっている銀行から借りる際の適用金利です。

日本で言うところの無担保コールオーバーナイトと同じような金利となります。

上記に記載したFOMC(連邦公開市場委員会)で誘導目標を決定します。

よって、マーケットで変動する長期金利などとは異なり、人為的に操作されている金利と言えます。



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