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日本の長期金利上昇で儲かる商品と投資タイミングを紹介

こちらのページでは日本の長期金利上昇で利益を上げるための商品(取引)と投資タイミングを紹介しています

2020年代前半時点で日本の長期金利はゼロ近辺で、これ以上低下する余地は限定的です。

その為、長期金利上昇に賭ける投資は低リスクと言えます。

ただし、低金利が長期間継続する場合は損失が発生する可能性もありますので、投資タイミングは下記を参考にしてください。

最終利回り0%から「日本の長期金利上昇」に賭ける投資はローリスク

2000年代以降、多くの期間で日本の短期金利(短期金利)はゼロ金利となっています。

また、長期金利(10年債利回り)も2016年以降、ゼロ近辺で推移しています。

短期金利とは異なり、本来、長期金利はマーケットで変動しますが、日本においては2016年9月から日銀のイールドカーブコントロールが行われている為、短期金利と同様、長期金利も人為的に操作されている状況です。

日銀のイールドカーブコントロールでは10年物国債金利が概ねゼロ%程度で推移するように調整されています。

ここで、長期金利を投資対象として考えた場合、既に0%前後の長期金利が更に低下する可能性は低く、逆に将来どこかで上昇する可能性があるのであれば、そこに投資するという選択肢は悪くないと思います。

少なくとも日銀のイールドカーブコントロールが行われている間は、長期金利が上昇することはありませんが、日本の景気回復やインフレ率上昇が見えてくると、どこかで長期金利の急上昇があるかもしれません。

投資対象としてリスクが低い「日本の長期金利上昇に賭ける投資」は魅力的な投資対象といえます。

ただし、日本の長期金利上昇で直接的に利益が出る投資商品は少なく、仕組みも単純ではありません。

また、ベアファンドなどでは金利が低下しなくても基準価格が下落する場合があるため、投資タイミングが早すぎると上手くいきません。

下記では、日本の長期金利上昇で直接的に利益を上げることができる商品(取引)と投資タイミングを紹介していますので参考にしてください。

日本の長期金利上昇で直接的に利益を上げることができる商品(取引)

例えば銀行株への投資などでも長期金利上昇で利益を上げられる可能性はありますが、こちらでは長期金利上昇で直接的に利益を上げることができる商品(取引)を紹介します。

候補になるのは下記の3つです。

  1. 日本債券ベアファンド
  2. CFDで日本債券のショートポジション
  3. 日本債券ETFの空売り(ショートポジション)

詳細は下記をご覧ください。

日本債券ベアファンド

債券ベアファンドは金利上昇局面で直接的に利益を上げられる商品の代表例です。

ただし、現在、日本国内で投資できる債券ベアファンドはT&Dアセットが運用する「日本債券ベアファンド(5倍型)」のみです。(おそらくですが)

「日本債券ベアファンド(5倍型)」は長期国債先物を5倍売り建てている投信です。

長期国債先物ですのでデュレーションは約7年と考えられますので、7年債が1%上昇した場合、デュレーション7年×5倍で35%、債券ベアファンドの基準価格が上昇します。

ちなみに長期国債先物のデュレーションを約7年と紹介しましたが、単純に考えると長期国債なので10年では?と思われる方もいらっしやるのではないでしょうか。

長期国債先物を現物債券で決済する際の受け渡し適格銘柄は「残存期間が7年以上11年未満の10年利付国債」となっています。

そして現物を渡す側が銘柄を選択できることになっています。

債券市場の仕組み上、通常は最も残存期間が短い7年債が割安な銘柄となります。

現物を渡す側は最割安銘柄である7年債で決済することが慣例となっており、長期国債先物の動きは現物の7年債の動きにリンクしています。

ちなみに、債券ベアファンドは長期保有した場合に注意すべき点が2つあります。(債券ベアファンドだけでなくブルベアファンドに共通の注意点です)

  1. マーケット(金利)が上下に動いた場合はファンドのパフォーマンスが徐々に悪化(下方乖離の問題)
  2. 売り建てによるネガティブキャリーコスト

債券ベアファンドの場合、ネガティブキャリーコストについては長期金利がゼロ近辺であれば大きな問題になりませんが、下方乖離の問題は注意が必要です。

これら注意点に関する詳しい内容は「ブルベアファンドの仕組みと問題点」を参照してください。

CFDで日本債券のショートポジション

取引業社(証券会社)によりますが、「CFD」で米国債や日本国債を取り扱っている場合があります。

ちなみに日本でおなじみのFXはCFDの為替版です。

CFDは為替(FX)だけでなく株式・債券・コモディティなど様々な資産クラスがあります。

CFDでは売り(ショート)から取引が可能であるため、債券をショートしておけば金利上昇時に利益を上げることができます。

また、レバレッジも活用できますので、上記で紹介したベアファンドと同様の効果が期待できます。

CFDは低コストで利便性も高くおススメの取引です。

また今後、取り扱い商品もどんどん増えていくと思われます。

どこかで口座を開設しておくことをお勧めします。

日本債券ETFの空売りも理論的には有効

東証に上場しているETFの中で日本債券に投資するETFがあります。

  • NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA‐BPI総合連動型上場投信【2510】
  • iシェアーズ・コア日本国債 ETF【2561】

これらを空売りすることで、日本の金利上昇時にリターンを上げることができます。

ただし、国内ETFは流動性が極端に低いもの多いので、慎重に売買する必要があります。

また、逆日歩にも注意が必要です。

日本の長期金利上昇で儲けるための投資タイミング(実はタイミングは難しい)

上記で紹介した商品(取引)は長期国債(長期金利)が投資対象となりますので、日銀が操作する政策金利(無担保コールオーバーナイト)と異なり、市場金利に連動することとなります。

そして、日銀は利上げを行う前に、イールドカーブコントロールを終了し、国債・ETF・J-REITの買入れを終了することが予想されます。

その時点で、長期金利は上昇し始めることになります。

よって、債券ベアファンド等ヘの投資タイミングとしては、日本のインフレ率が1%を超えて2%に近づいてきて、日銀が国債・ETF・J-REITの買入れの終了が見えてきたタイミングがベストと言えます。

また、実際に金利が上昇し始めた場合、その金利上昇はある程度トレンドを持った形になる可能性もあるので、実際に金利上昇が見えてきてからの投資でも遅くはないと思います。

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