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日本債券ベアファンドの出番はくるか?日銀の利上げは?

投稿日:2017年3月19日 更新日:

【参考記事 2017/3/17日経朝刊】

緩和継続、残された日銀米は追加利上げ

日米欧の金融政策の温度差が目立ってきた。世界経済の回復と原油価格の底入れで、米欧中心に物価に上昇圧力が掛かってきたためだ。米国は利上げのアクセルを踏み、欧州も緩和の出口を探る。粘り強く緩和を続ける日本との姿勢の違いが鮮明で、市場では円安期待が広がるが、米トランプ政権との摩擦が強まるリスクもある。

 「米経済の底堅さとショックへの弾性には自信がある」。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は15日、3カ月ぶりの利上げに踏み切った。失業率が完全雇用に近い水準まで下がり、物価上昇圧力も強まる。

イエレン氏は「今後数年は緩やかな利上げが適切だ」と加えた。FRBは年3回ずつ利上げし、2019年に政策金利を3%とするシナリオを描く。年1回しか利上げできなかった15年、16年に比べギアは上がっている。

金融市場は米利上げをひとまず冷静に受け止めた。15日の米市場でダウ工業株30種平均は0.5%の上昇となり、16日の東京市場では日経平均株価が0.1%高の1万9590円となった。

欧州も金融政策の正常化を探る。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は9日の記者会見で「デフレのリスクはおおむね消え去った」と指摘。危機回避に何でもやるという姿勢からの転換を強調した。市場では仏独の政治イベントが終わる秋口以降の政策転換を予想する声が増えている。

新興国経済への不安と原油価格の急落で悲観論が広がった1年前から、世界経済は変化。トランプ政権の大型減税とインフラ投資への期待も投資家心理を明るくする。そんな世界に対し、日銀は16日の金融政策決定会合で、現在の金融緩和策の継続を決めた。

黒田東彦総裁は記者会見で「基調的な物価の動きには(米欧と)差がある」と話した。消費者物価指数(CPI)上昇率はプラス圏に浮上したが、日銀が目指す2%には遠い。黒田氏は「米国の金利が上がったから日本の金利も上がっていくことにはならない」と緩和の継続を約束した。

世界経済の持ち直しは、日本経済にも恩恵をもたらす。企業収益は過去最高水準で設備投資も増え始めた。ただ賃上げと物価上昇が連動する米欧型の好循環は今のところ実現していない。

日米の金融政策の違いが鮮明になったのは日本経済にプラスだ。日米金利差拡大で投資マネーが米国に流れやすくなれば、円安・ドル高が勢いづく可能性があるためだ。

ただ、トランプ政権は日本やドイツを「通貨安誘導」と批判する。日銀が金融緩和は国内の物価・経済のために実施していると訴えても、米国は「円安を狙った」と受け取る可能性がある。4月には日米経済対話がある。日銀は上がらぬ物価とトランプ政権によるけん制の両方に目配りが必要。金融政策の難易度が増している。

インフレ率上昇前に日銀が利上げをすると円高になる

2017/3/15、FRBは3か月ぶりの利上げを来ない米国の政策金利であるFFレートは1.0%となりました。

2017/3/16、日銀は金融政策決定会合で金融緩和の継続を決定しました。

記事にもあるように欧州のECBは金融緩和からの政策転換をうかがっており、日銀だけが取り残されつつある状況となっています。

では、なぜ日銀だけ取り残されつつあるかというと、これも記事にあるようにポイントはインフレ率です。

米国・欧州のインフレ率は中央銀行が目標としている2%前後まで上昇していますが、日本のインフレ率は日銀が目標とする2%には程遠い状況です。

この状況で日銀が利上げをすると、日本の実質金利が高くなり為替が大きな円高になってしまいます。

実質金利と為替レートの関係については「為替レートの予想・分析は実質金利差・購買力平価を活用」を参照してください。

参考までに2017年3月17日現在の政策金利とインフレ率(CPI)を使った実質金利を比較してみます。

  • 米国:政策金利1.0%、インフレ率2.7%、実質金利-1.7%
  • 欧州:政策金利0.0%、インフレ率2.0%、実質金利-2.0%
  • 日本:政策金利0.0%、インフレ率0.4%、実質金利-0.4%

すでに日本の実質金利は相対的に高くなっています

ここで米国が利上げを見送り、逆に日銀が利上げを開始した場合、大きな円高になることが予想されます。

よってFRBが利上げ、日本がゼロ金利継続は為替レート安定の面からも賢明な政策運営と言えます。

よくドル円の為替レートと日米金利差について語られることが多いですが、重要なのは日米金利差ではなく、日米実質金利差です。

他の通貨でも同様ですが、為替レートを考える場合、インフレ率も考慮しないと正確に分析することができませんので注意してください。

日銀の大規模金融緩和からの転換はインフレ率の上昇待ちということになります。

日銀の緩和政策が転換するときに債券ベアファンドを活用

金利上昇局面で直接的に利益を上げられる商品は債券ベアファンドです。

現在、日本国内で投資できる債券ベアファンドはT&Dアセットが運用する日本債券ベアファンド(5倍型)です。

長期国債先物を5倍売り建てている投信です。

長期国債先物ですのでデュレーションは約7年と考えられますので、7年債が1%上昇した場合、デュレーション7年×5倍で35%、債券ベアファンドの基準価格が上昇します。

債券ベアファンドは長期保有した場合などで注意すべき点がありますので、そちらに関しては「ブルベアファンドの仕組み」を参照してください。

債券ベアファンドは長期国債が投資対象となりますので、日銀が操作する政策金利(無担保コールオーバーナイト)と異なり、市場金利に連動することとなります。

日銀は利上げを行う前に、現在行っている国債・ETF・J-REITの買入れのペースを縮小していくことが予想されますが、その時点で、長期金利は上昇し始めることになります。

よって債券ベアファンドヘの投資タイミングとしては、日本のインフレ率が1%を超えて2%に近づいてきて、日銀が国債・ETF・J-REITの買入れを縮小し始めたときがベストと言えます。

また、日本はゼロ金利でこれ以上金利が低下する余地が限られていることから、リスクも限定的と考えられます。

そして実際に金利が上昇をし始めた場合、その金利上昇はある程度トレンドを持った形になると思われますので、実際に金利上昇が見えてきてからの投資でも遅くはないと思います。

また、金利水準が低いためベアファンドのネガティブキャリーの問題もそれほど大きな影響を及ぼしません。

ベアファンドのネガティブキャリーについては「ブルベアファンドの仕組み」を参照してください。

米国の金利上昇で利益を得るには「米国金利上昇時に直接利益を上げるには米国債券ベアファンド(ETF)」を参照してください。


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