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CoCo債で重要 / 世界の大手銀行のTier1比率と普通株式等Tier1比率

2018年6月28日

こちらのページでは世界の大手銀行の「Tier1比率」と「普通株式等Tier1比率」の一覧を掲載しています。

過去の水準(Tier1は2007年、普通株式等Tier1は2013年)と現在を比較できるようにしておりますので、世界の大手銀行の自己資本比率の変化を確認することができます。

特にCoCo債に投資する場合は重要となりますので、参考にしてください。

CoCo債で重要なのは「普通株式等Tier1比率(CET1比率)」

リーマンショック以降、世界の大手銀行の自己資本比率は大きく上昇しています。

銀行の自己資本比率はCoCo債への投資を検討する際、非常に重要となります。

ちなみにCoCo債のトリガーで参照されるのはTier1比率ではなく、普通株式等Teir1比率(CET1比率)です。

多くのCoCo債のトリガーは5.125%又は7%となっていますが、これは普通株式等Teir1比率(CET1比率)が5.125%又は7%を下回ると、CoCo債の元本が削減されたり株式に転換されたりすることを意味します。(CoCo債のトリガーはユーロ圏の銀行が5.125%、イギリスやスイスは7%が多い)

下記では、G-SIBs (Global Systemically Important Banks)に含まれる世界の大手銀行の自己資本比率(Tier1比率、普通株式等Tier1比率)を掲載しています。

世界の大手銀行の「Tier1比率」と「普通株式等Tier1比率(CET1比率)」一覧

「G-SIBs」と同じような言葉で「G-SIFIs」や「G-Slls」と呼ばれるものがあります。

整理するとG-SIFIs(Global Systemically Important Financial Institutions)とは金融安定理事会(FSB:Financial Stability Board)が指定するグローバルな金融システムの安定に欠かせない重要な金融機関のことです。

G-SIFIsには大手の銀行と保険会社が含まれ、銀行はG-SIBs (Global Systemically Important Banks)、保険会社はG-Slls(Global Systemically Important Insurers)と呼ばれています。

それではこちらが「G-SIBsのTier1比率と普通株式等Tier1比率(CET1比率)の一覧」です。

G-SIBsのTier1比率と普通株式等Tier1比率(CET1比率)の一覧

  • 普通株式等Teir1比率(CET1比率)はバーゼルⅢになってからの比較的新しい概念である為、2013年(一部2014年)との比較を掲載(2014年データを使用しているのはクレディ・アグリコル、BPCE、ウニクレディト、ING銀行、サンタンデール)
  • 日本の3メガバンクは各年度のデータを使用(2018年は2019年3月期のデータ)

Tier1は「普通株式等Tier1」に「その他Tier1」を加えたものです。

  • Tier1=普通株式等Teir1(CET1)+その他Tier1(AT1)

「その他Tier1(AT1)」はCoCo債を含む永久劣後債や優先証券などが含まれます。(CoCo債等がAT1債と呼ばれることがあるのはこのためです)

ちなみに「Tier1」と「Tier2」の合計が広い意味の自己資本となります。

  • 自己資本= Tier1+ Tier2

「Tier2」は期限付劣後債が含まれます。

リーマンショック後の混乱を経験して、2013年から適用が開始されたバーゼルⅢでは大手銀行の自己資本を厚くして、金融システムのリスク耐性を高める方向となりました。

上記の一覧表を見ても分かる通り、バーゼルⅡが適用されていた2007年は多くの銀行でTier1比率が10%未満でしたが、現在はかなり高くなり15%前後が一般的です。

そして、2013年のバーゼルⅢになってから導入された概念である「普通株式等Tier1比率(CET1比率)」も現在、高水準となっています。(2007年時点のTier1比率より高い水準です)

リーマンショック以降、世界の大手銀行の自己資本比率が上昇傾向であることがよく分かります。

よって、大手金融機関の現在の普通株式等Teir1比率(CET1比率)はCoCo債のトリガー水準(多くは5.125%か7%)までは相当余裕があります。

どの銀行も数兆円レベルの損失が数回発生しない限り、トリガーにヒットすることはないレベルです。

また、仮に損失が発生して自己資本が減少しても、分母となる資産も減らせば自己資本比率を維持することが可能です。

最後に、CoCo債の仕組みを正確に理解することは少し難しいですが、利回りも高く、投資先としては優れた債券ですので、一度よく勉強しておくことをお勧めします。

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