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日銀が金融緩和で国債、株式、J-REITを買占め

投稿日:2016年8月26日 更新日:

資産の買入れ状況

2013年4月から始まった黒田日銀による金融緩和政策。

国債、ETF(株式)、J-REITを中央銀行である日銀が買入れするものです。

買入れの規模も年々増えており、2016年8月現在の買入れ金額は下記の通りとなっています。

  • 国債:年間80兆円
  • ETF(株式):年間6兆円
  • J-REIT:年間900億円

国債、ETF(株式)、J-REITの現在の市場規模(時価総額)

  • 国債:約1,000兆円
  • 日本株式:約500兆円
  • J-REIT:約12兆円

よって、市場規模に対して1年間で購入する割合はこのような比率です。

  • 国債:8%
  • 日本株式:1.2%
  • J-REIT:0.75%

日銀が国債市場に与える影響

日本株式の1.2%やJ-REITの0.75%も需給に与えるインパクトは絶大なものですが、国債の8%は凄すぎます。

国債の発行残高約1,000兆円に対して、日銀は既に390兆円保有しており、筆頭保有者となっています。これが毎年80兆円ずつ増えていくのですから大変なインパクトです。

このままいきますと東京オリンピックが開催される4年後の2020年8月には320兆円増加し、710兆円保有ということになります。

さすがに国の借金の7割を中央銀行が保有するということは無理があると思いますので、国債買入れの効果が出ない場合、どこかで作戦を変更する必要があると思われます。

一般的に考えますと、日銀の保有が50%(500兆円)を超えてくると批判も増してくると思われますので、あと1~2年くらいが限界でしょうか。

日銀が株式市場に与える影響

そもそも中央銀行が金融緩和で株式を保有するということ自体、極めて稀なケースです。

国債のように大半を買い占めるということはありませんが、年間6兆円という規模は需給には相当なインパクトを与えます。

例えば外国買いの例でお伝えしますと、郵政選挙後の2006年~2007年に外国人投資家は約10兆円買い越し、アベノミクス+黒田日銀金融緩和の2013年に約15兆円を買い越しています。この時の株価は大幅に上昇しました。

※参考:日本株の部門別売買状況(長期推移)

また既に日銀はETF経由で日本株式を約8.8兆円保有しており、日銀が実質的に筆頭株主となっている企業も出てきているようです。bloombergの調べでは今のペースで買入れが進むと2018年末には日経平均構成銘柄の1/3は実質的に日銀が筆頭株主となるそうです。

東京オリンピックが開催される2020年8月には33兆円ほどの残高になっている計算です。

しかし買うのは簡単ですが、売るのは大変です。出口は相当難しくなると思われます。

1つだけ良い方法があるとすれば、株式投資の比率を増やしていく予定である「ゆうちょ銀行」に相対で売却するスキームです。

ゆうちょ銀行は現在200兆円のポートフォリオの内、株式投資は約2兆円のみです。国債に偏っているポートフォリオを見直して国際分散投資にシフトしていくことになっていますので、受け皿としては規模的にもちょうど良いと言えます。

他に郵政グループのかんぽ生命も同じ環境にあり、最終的な受け皿としては問題ないので日銀のETF(株式)買いは当分継続できそうです。

日銀がJ-REIT市場に与える影響

J-REIT市場も株式市場と同様に日銀の買いによって非常に需給関係は良くなっています。

やや弊害があるとすれば、日銀の購入対象になっている銘柄とそうでない銘柄の利回り格差がやや大きくなっていることでしょうか。

日銀の購入対象となっている銘柄は時価総額上位が多くなっており、時価総額が少なめでスポンサーの信用力が劣る銘柄の配当利回りが相対的に高いまま放置されているケースが多くあります。

日銀のJ-REIT購入条件はこちら:J-REIT・リサーチ・オープン/J-REITの投資環境

現在の残高は3,300億円で東京オリンピックが開催される2020年8月には6,900億円となっている計算です。

日々の売買代金から考えると市場での売却は厳しいでしょうから、J-REITも出口はゆうちょ銀行とかんぽ生命への相対トレードしかなさそうです。

日銀のバランスシート

日銀のバランスシートは10日に一度、営業毎旬報告という形で公開されています。

平成28年8月10日現在のバランスシートを掲載します。

買入している国債、ETF(株式)、J-REITの数字も掲載されています。

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