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富裕層の資産管理会社について

投稿日:2018年5月17日 更新日:

こちらのページは金融機関で富裕層向け資産運用アドバイザリー業務に従事している方がご覧になることを想定して掲載しています。

もちろん、一般の方にとっても有益な情報となっていますので、ご覧いただければと思います。

資産管理会社について実践で役立つ内容を掲載します。

資産管理会社とは / 所得が分散でき所得税を節税できる

名前の通りですが、資産管理会社とは富裕層の個人資産を個人名義ではなく、法人名義で保有する為に設立される会社です。

上場企業のオーナーをはじめ、多くの富裕層が資産管理会社を持っています

多くの場合、個人富裕層が100%出資して資産管理会社を設立しますので、形態は法人ですが、意思決定のスピードなどは個人と何ら変わりありません。

資産管理会社で金融資産や不動産を保有する理由としてまず挙げられるのは所得税の節税です。

仮に5,000円の収入がある場合を考えてみます。

まず、個人が5,000万円を受取る場合を考えます。

個人の税金は累進課税ですので所得が増えると税率が高くなる仕組みです。

最高税率は4,000万円を超える部分で55%です。

5,000万円の収入の場合、2270万円前後が税金となります。

税率に直すと約45%となります。

これを法人が5,000万円を受取る形にするとどうなるかを考えます。

まず、家族を役職員とすることで所得を分散することができます。

分かり易くするためにシンプルな例で説明すると、例えば自身と家族3人の給料を1,000万円(1,000万円×4名)とします。

1000万円の所得の場合、実効税率は27%となりますので、上記の法人の場合の45%と比較してかなり低くなります。

さらに法人の場合は各種経費が認められます

自家用車を法人名義にすることで維持費を経費にしたり、電話代・交通費なども経費とすることができます。

これらを経費として計上することにより、残りの1000万円もかなりの部分が損金となります。

その結果、法人税の対象となる利益がほとんどない状態になります。

結果として個人が一人で5,000万円を受取る場合と比較して、資産管理会社を経由することで低い税率で受取ることが可能となります。

収入金額が大きすぎると逆効果の場合も

上記のような5,000万円前後の収入であれば資産管理会社で受取った方が税金を低くできますが、金額が大きすぎると逆効果となることもあります。

例えば毎年20億円の収入がある場合、家族に給与として支払って、経費を頑張って使っても大半は法人の利益として残ります

日本の法人の実効税率は約30%です。

これを差し引いたものが法人の資産として残りますが、将来、これを個人に移転する際には必ず所得税・住民税が掛かります。

法人で30%支払った後のお金に対して、個人の税金がかかりますのでトータルとして節税にはならず、逆に増税になってしまいます

資産管理会社

よって通常、上場企業のオーナーなどは一部だけ資産管理会社に移転して、一部は個人名義で保有したりします

つまり、税効果のある金額だけ、資産管理会社に株式を移転するわけです。

また、収入が大きく法人に利益が出てしまう場合に、オペレーティングリースや保険などで利益の繰り延べを行うこともよくあります。

所得税の節税以外で資産管理会社を持つメリット

資産管理会社による相続(税)対策

上記で紹介した節税は所得税に関するものでしたが、資産管理会社を活用することで相続税を圧縮することも可能です。

よく使われる例としては、資産管理会社でマンションなどを購入し、資産を圧縮することで資産管理会社の株価評価(自社株の評価)を下げる手法です。

自社株の評価を下げて、当該株式の贈与・相続を行います。

これにより相続税を節税することが可能です。

また、相続財産の分割においても資産管理会社は効果を発揮します。

不動産・有価証券等は相続する際に、分割が難しいケースがあります。

これを資産管理会社に保有させることで、相続時は相続割合に応じた資産管理会社の株式を相続させるだけで済みます。

節税だけでなく分割においてもプラスに働きます。

法人名義にすることで運用が多様化

また、金融商品の中には法人でしか購入できない商品もあります。

特に私募投信や組合形式の商品は個人名義で購入すると総合課税になることから、法人のみに限定しているケースが多くなっています。

その中には優良な海外のPEファンドや、不動産証券化商品など魅力的なものも多くなっています。

資産管理会社を保有することで運用の多様化が可能となります。

上場企業オーナーの資産管理会社は「株特(かぶとく)」になりやすく金融マンにとってビジネスチャンスが多い

上場企業オーナーの場合、資産のほぼ全てが自社株という人も多いです。

資産管理会社を設立した場合、資産の大半が自社株となってしまうケースがあります。

相続発生時の資産管理会社の株式を評価する際(いわゆる自社株の評価)、株式等が資産の50%以上となっていると「株式保有特定会社(株特)」として、相続税評価額が高くなります。

その為、「株特はずし」を行うことになります。

「株特はずし」は金融マンにとって大きなビジネスチャンスにもなります。



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