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国内で販売されたヘッジファンドの紹介

2017年4月19日

こちらのページではこれまでに国内で販売されたヘッジファンドについて紹介しています。

国内で販売されているヘッジファンドの形態

ヘッジファンドは様々な戦略があり世界中で数多くのファンドが存在します。

パフォーマンスは戦略やファンドマネージャーの運用能力により各ファンドごと大きく異なります。

日本国内で運用しているヘッジファンドはほとんどなく、日本国内で販売されているヘッジファンドは海外で運用されているファンドを国内に持ち込んだ商品です。

商品形態としては米ドルベースで販売する場合は外国籍投信、円建てで販売する場合は国内籍投信として販売されています。(一部、円建てでも外国籍投信の場合あり)

それぞれ販売期間が限定されている単位型の場合と、いつでも購入できる追加型の場合があります。

一般の投資家が購入できるのは公募投信のみになりますが、機関投資家向けの「適格機関投資家私募」や富裕層向けの「少人数私募」で販売されているケースもあります。

また公のデータはほとんど存在しませんが、日本国内で日本株ロングショート等の運用をしているヘッジファンドも一部存在します。

エピック・パートナース・インベストメンツ、ミョウジョウアセット、アズカルアセットマネージメント(旧フィノウェイブインベストメンツ)などです。

そのような会社の商品は公募投信ではなく、機関投資家向けの商品か一般投資家向けでも直接販売が一般的です。

証券会社などで募集はしておらず、既存投資家からの紹介か、ファンド側から顧客ヘのアプローチがないと購入できません。

ヘッジファンドの歴史や戦略については下記をご覧ください。

下記では日本国内で公募投信として販売されている代表的なヘッジファンドを紹介します。

公募投信として販売された代表的なヘッジファンド

マクロ・トータル・リターン・ファンド(三菱UFJ国際投信)

  • 円建て国内籍投信
  • 追加型
  • 円ヘッジ
  • JPモルガン・アセット・マネジメントが運用

商品名の通り「グローバルマクロ」戦略のヘッジファンドです。

「グローバルマクロ」は世界全体のマクロ経済をウォッチし、割安な金融商品を買い、割高な金融商品を売り建てします。

具体的には世界の株式、債券、為替のロングショート取引を行います。

一言で言うと何でもありのファンドで運用会社の運用力が特にパフォーマンスに反映されやすい戦略です。

グローバルマクロの著名ファンドとしてブリッジウォーター、AQRキャピタル・マネジメント、ブレバン・ハワード、ジョージソロスのクウォンタムファンドなどがあります。

ロボット戦略世界分散ファンド(愛称:資産の番人)【T&Dアセットマネジメント】

  • 円建て国内籍投信
  • 追加型
  • 円ヘッジ
  • MAN(マン)が運用

商品名はAIを連想させますが、「CTA」の老舗MAN(マン)のフラッグシップファンドである「マンAHL」です。

AHLは当初の運用モデルを開発したメンバー3名の頭文字です。(Adam、Harding、Lueck)

「マンAHL」は「CTA」では最もよく知られたファンドです。

「CTA」の運用はトレンドフォローと呼ばれる手法で、株式・債券・為替・コモディティ等の先物を活用し、値動きにトレンドが出たものを追随して購入していく運用です。

よって、マーケットが下落局面でもトレンドが出ていれば利益が出る形になります。

逆に上下にジグザグの動きをするようなマーケットではパフォーマンスが悪化します。

人間が売買の判断をするのではなくモデル運用(計量運用)でコンピューターが売買を判断します。(ただし、モデルを作成するのは人間です)

ウィントン・パフォーマンス連動ボンドプラスファンド15-05(豪ドル建)【三菱UFJ国際投信】

  • 豪ドル建て外国籍投信
  • 単位型
  • WINTON(ウィントン)が運用

「ウィントン」は上記のMAN(マン)が実質的に運用する「ロボット戦略世界分散ファンド(愛称:資産の番人)」と同様に「CTA」の著名ファンドです。

マンとウィントンはCTA戦略のヘッジファンドの中で常にトップを争っています。

ウィントンの創設者Harding(ハーディング)はMAN(マン)の創業メンバーの1人で、「ロボット戦略世界分散ファンド(愛称:資産の番人)」のマスターファンドであるマンAHLの「H」はHarding(ハーディング)の頭文字からとったものです。

ちなみにAHLの「L」のLueck(ルーイック)はCTA大手のアスペクト(Aspect)を設立しています。

ウィントンの運用手法は上記のマンAHL同様、先物を活用したトレンドフォロー型の運用です。

AR国内バリュー株式ファンド(愛称:サムライバリュー)【アセットマネジメントOne】

  • 円建て国内籍投信、
  • 追加型
  • アセットマネジメントOne(合併前はみずほ投信)の自家運用

商品名にあるARはAbsolute Return (絶対収益)の略です。

日本の中小型株の買いとTOPIX先物の売りを組み合わせた「日本株ロングショート」戦略のファンドです。

ネットロングのポジションは0%~20%の範囲でコントロールしますので、ロングショートの中でもマーケットニュートラルに近い運用と言えます。

よって、マーケットリスク(β:ベータ)はあまり取らない運用ということになり、銘柄選択効果がパフォーマンスに大きく影響を与えます。

スパークス・日本株・ロング・ショート・ファンド(愛称:ベストアルファ)【スパークス・アセット・マネジメント】

  • 円建て国内籍投信
  • 追加型
  • スパークスが運用

日本株の中で割安な銘柄を買い建て、割高な銘柄を売り建てするいわゆる「ダブルアルファ」タイプの「日本株ロングショート」戦略のファンドです。

(上記のサムライバリューは売り建ては個別銘柄でなくTOPIX先物を使うので「シングルアルファ」タイプのロングショート)

通常時のネットのロングポジションは40%~60%、リーマンショック後の混乱時はほぼ0%にしており、逆に強気の時は80%までネットロング比率を上昇させています。

グロスポジション(ロングとショートの合計ポジション)は概ね100以下となっており、安定的な運用が期待できます。

長期のトラックレコードと高いパフォーマンスを誇り、各種のアワードを受賞しているファンドです。

ブラックロック世界株式絶対収益追求ファンド

  • 円建て国内籍投信
  • 追加型
  • 為替ヘッジありと為替ヘッジなしの2コースがありスイッチングが可能
  • ブラックロックが運用

グローバル株式のロングショート」戦略です。

ブラックロックが運用する2つの外国籍投信(「グローバル・アルファ・オポチュニティーズ・エクイティ・ファンド」「BSFブラックロック・グローバル・ロング/ショート・エクイティ・ファンド」)に50%ずつ投資します。

原則、個別株のロングショートを行うダブルα(ダブルアルファ)タイプで、ネットポジションはマーケットニュートラルに近くなっています。



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