ファイナンシャルスター

ハイレベル金融サイト(株式・債券・REIT・投信・税制など)Copyright©2016-2019 financial star

知識・ノウハウ(投資全般)

ボラティリティについての分かりやすくて詳しい説明

投稿日:2019年5月9日 更新日:

こちらのページではボラティリティについて様々な観点から解説しています。

まずはボラティリティとは何かを分かりやすく説明します。

ボラティリティとは / リスク・標準偏差と同義語

ボラティリティ(volatility)は「変動率(価格の振れ幅)」を意味します。

よく、投資の世界でリスクとは「危険」という意味ではなく、「不確実性」や「価格の振れ幅」のことを指すという話を聞いたことがあると思います。

リスクが高いということは「不確実性が高い」または「価格の振れ幅が大きい」ということになります。

つまり、リスクはボラティリティ(volatility)の大きさを表します。

投資の世界では、ボラティリティ(volatility)が大きいものをリスクが高いと表現しています。

こちらがイメージ図です。

ボラティリティのイメージ図

そして、一般的にボラティリティを数値化した指標として「標準偏差」が使われます。

下記はリスク・リターン表の例です。

リスクリターン表(ボラティリティの説明)

ここで用いられるリスクは一般的に「1標準偏差(1σ、1シグマ)」の数値となります。

少し難しい話になりますが、「1標準偏差」は正規分布において約68%の部分が収まる範囲です。(余談ですが、2標準偏差は約95%の範囲でテクニカル分析のボリンジャーバンドで活用されています)

例えば「海外債券のリスクは5%」と表現する際のリスクは「1標準偏差」を表しています。

上記の図で海外債券のリスクリターンは「リターン:3%、リスク:5%」となっていますが、これを言いかえると「3%±5%(−2%~+8%)の範囲に約68%の確率で収まる」ということになります。

また、機関投資家の世界などでは「去年の日本株のボラティリティは何%?」といった表現が出てくることがあります。

この場合のボラティリティも「1標準偏差」を表しています。

よって、運用の世界では「ボラティリティ」=「リスク」=「1標準偏差」ということができます。
(あくまで数値化して話すときのみですが)

  • 「過去1年の日本株のボラは8%」
  • 「過去1年の日本株のリスクは8%」
  • 「過去1年の日本株の標準偏差は8%」

全て同じ意味です。

次にボラティリティの大小がクーポンに影響を与える仕組債について解説します。

仕組債(オプションの売り)はボラティリティが大きい時に良い条件となる

一般的な仕組債(例えばEB債・日経リンク債・ノックインデュアルカレンシー債など)はオプションを売却することでオプション料を受け取り、そのオプション料を原資に高い利回りを実現しています。(厳密にはオプションの売りだけを行うとリスクが無限大になるので、異なる行使価格のオプションの買いも組み合わせて組成しています)

オプション料はボラティリティの大きさによって大きく変化します。

例えば上記の「ボラティリティのイメージ図」の2つのチャートで説明すると、2つのチャートの最後の価格(一番右側の価格)は共に1,050円です。

この時に期間6ヶ月、行使価格1,000円のコールオプションのオプション料(オプションプレミアム)はどちらのケースが高くなるでしょう?

考え方としてはコールオプションの買い手から見た場合を想定すると分かりやすいと思います。

コールオプションの買い手は原資産が上昇すればするほど利益が拡大します。

一方、原資産が権利行使価格(例では1,000円)より下落した場合は、オプションを行使せず、権利放棄すればオプション料分だけのロスで済みます。(プットオプションの場合も同様で、原資産が上昇した場合はオプションを放棄すればよく、原資産が下落すれば利益が得られます)

つまり、(コール・プット共に)オプションの買い手から見た場合、ボラティリティが大きい程、高いオプション料を払うインセンティブが発生します。

よって、ボラティリティが大きいとオプション料が高くなり、仕組債の条件(利回り等)が良くなります。

ボラティリティと投資(運用)

下記ではボラティリティを活用した運用について紹介しています。

ボラティリティ・インデックス

ボラティリティ・インデックスは株式指数や債券指数のオプションのボラティリティを基に算出されるインデックスです。

S&P500を対象としたVIX指数(通称:恐怖指数)が有名ですが、日経平均や日本国債を対象としたボラティリティ・インデックスも存在します。

リスクコントロール型ファンド(ボラティリティコントロール型ファンド)

マーケットのボラティリティが上昇すると(リスクが上昇すると)キャッシュ化や債券にシフトすることでポートフォリオのリスクを下げるファンドです。

一般的にマーケットが下落する時にボラティリティが大きくなります。

そのままの状態ではポートフォリオのリスクが上昇したままになるので、安定資産を増やす事でポートフォリオのボラティリティ(リスク)を一定に保つ手法です。

ただし、このような運用の場合、マーケットが下がった時にリスク資産を売却し、マーケットが上昇する局面でリスク資産を買い付けていくことになるので、なかなか良いパフォーマンスになりにくいのが現状です。

銀行が資金証券運用を行う際にリスク管理手法として使われる「Var(バリュー・アット・リスク)」も同じようなコンセプトです。

Varで管理してもなかなか思うような運用になりません。



-知識・ノウハウ(投資全般)