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SOX指数の長期チャートと構成銘柄の変遷

5G ・IOT・クラウド・自動運転など様々なテーマの中心に半導体があります。

そのため、半導体は「産業のコメ」とも呼ばれています。

現在では半導体なくして私たちの生活が成り立たないと言っても過言ではありません。

こちらのページでは半導体関連株の代表的な指数である「SOX指数(ソックス指数)」についての概要・構成銘柄・長期チャートを掲載しています。

SOX指数はボラティリティが大きく、ITバブルが発生した2000年前後は1年半で6倍になり、その後の1年半で1/6になりました。

そして、2015年以降、再度大きく上昇しました。

詳細は下記をご覧ください。

それではまず、SOX指数の概要から解説していきます。

SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)とは

「SOX指数」は「フィラデルフィア半導体株指数(PHLX Semiconductor Sector Index)」の通称で、アメリカ合衆国のNasdaq OMX PHLX(旧フィラデルフィア証券取引所)が算出・公表している半導体関連株の代表的な指数です。

「SOX指数」は半導体関連(設計・製造・流通・販売など)の代表的な30銘柄で構成されています。
(以前は30銘柄より少ない銘柄で算出されていました。下記「SOX指数の構成銘柄の変遷(2005年・2010年・2015年・2020年)」参照)

1993年12月1日を基準値100(当初は200だったが1995年に1/2に分割された)として2009年12月18日までは単純平均株価方式で算出、2009年12月21日以降は調整時価総額加重平均方式(いわゆる浮動株ベースの時価総額加重平均)で算出されています。

日本企業は採用されていませんが、日本の半導体関連株やハイテク株にも大きな影響を与えます。

米国企業以外ではオランダASMLや台湾TSMCなどが採用されています。

注目度が高い半導体関連株の動きを確認するには最適な指数ですので覚えておいてください。

SOX指数の構成銘柄・構成ウエイトの変遷(2005年・2010年・2015年・2020年)

SOX指数の構成銘柄がどのように変化してきたのかを指数構成ウエイト順にランキング形式で掲載します。

ちなみに現在のSOX指数は30銘柄ですが、以前はそれよりも少ない銘柄で構成されていました。(2005年は19銘柄)

表の下には構成銘柄の変遷においてポイントになる点を掲載します。

SOX指数構成銘柄2005年・2010年

SOX指数構成銘柄(2015年・2020年)

  • 上記構成銘柄一覧の基準日のSOX指数の推移です。SOX指数は特に2015年以降、大きく上昇しています。(下段の長期チャートも参照してください)
    • 2005年12月末:479
    • 2010年12月末:411
    • 2015年12月末:663
    • 2020年12月末:2,795
  • 2005年に5位であったリニアテクノロジーのようにその後M&Aで買収されている企業もかなりあります(リニアテクノロジーは2016年7月にアナログ・デバイセズに買収された)。その他、大手では2010年10位のアバゴ・テクノロジーズがブロードコムと合併しています。
  • 半導体製造装置(露光装置)を販売するオランダのASMLや同じく半導体製造装置を販売する米国のラムリサーチ等は2010年代に大きく躍進しているのが上記の表からも見てとれます。
  • 2020年12月31日時点において時価総額ではTSMCが約5,700億ドル(約60兆円)と半導体関連株の中で断トツに大きくなっていましたが、SOX指数は浮動株ベースである為、構成比率では7位となっています。ちなみに構成比率で1位のブロードコムの2020年12月31日時点の時価総額は1,780億ドルでした。
  • 日本企業はSOX指数の構成銘柄に入っていませんが、東京エレクトロン・ディスコ・アドバンテスト・SUMCO・東京精密など半導体関連株の値動きに影響を与えます。
  • 半導体の製造工程と関連銘柄についてはこちらを参照してください:半導体の製造工程を分かり易く図解 / 半導体製造過程のシェアも掲載

SOX指数の長期推移(チャートと変動要因)

SOX指数の長期チャートです。

1993年12月1日が100となりますが、データが取得できなかったため1994年5月からのチャートを掲載します。

チャートの下にはSOX指数の推移でポイントとなる点を掲載します。

SOX指数の長期チャート

  • ITバブルが発生した2000年前後に大きく上昇しています。1998年8月末193ポイントから2000年3月末は1181ポイントと約1年半で約6倍の上昇となっています。ただし、2002年9月には238ポイントとなり、こちらは約1年半で逆に約1/6となりました。【1年半で6倍の後、1年半で1/6
  • リーマンショック前の2003年~2007年の株価上昇局面でも半導体関連銘柄は上昇しましたが、2000年前後や2010年代ほど極端な上昇とはなりませんでした。当時はBRICsをはじめとする新興国株式ブームで、先進国株式でも新興国に関連した銘柄が大きく上昇したマーケットでした。
  • リーマンショック後から右肩上がりですが、特に2016年以降の上昇が大きくなっています。
  • 2016年以降は5G・AI・IoT・クラウドなどで半導体の需要が莫大に増え、半導体サイクルがなく継続的に成長していくスーパーサイクルに入るとも言われ期待感が高まりました。
  • ただし、特に2018年~2019年は米中貿易戦争の影響を大きく受け、変動率(ボラティリティ)が大きい展開となりました。
  • その後、新型コロナウイルスの影響で2020年3月末には1,510ポイントまで下落しましたが、その後は大きくリバウンドしました。
  • 2021年1月14日には初めて3,000ポイントを超え、3,055.64ポイントまで上昇しました。
  • 2021年12月には4,068ポイントまで上昇しています。
  • 2022年に入り、金利上昇の影響で成長株が多いSOX指数は下落しました。2022年9月には2,300ポイント前後まで下落しました。
  • その後リバウンドし、2023年12月には4,175ポイントまで上昇しました。
  • リーマンショック後の安値である2009年2月末(199ポイント)から2023年12月(4,175ポイント)まで、約21倍の上昇となりました。
  • S&P500指数の長期チャートはこちらを参照:米国株(S&P500)長期推移(チャート・変動要因) / 30%以上の暴落は過去8回

SOX指数に関連するETF(日本からSOXXは買えないがSMHは投資可能)

こちらではSOX指数に関連する投資商品を紹介します。

まず、最もシンプルなのがSOX指数をベンチマークとするETFの「iシェアーズPHLXセミコンダクターETF(SOXX)」です。

しかし、2022年時点で金融庁登録を行っていないため、日本国内では取扱いできません。

iシェアーズは多くのテーマ型ETFを国内で取扱いしているのでブラックロックには手続きをお願いしたいものです。

他のETFではSOX指数がベンチマークではありませんが、ほぼ同様の動きをする「ヴァンエックベクトル半導体ETF(SMH)」というETFがあります。

ベンチマークは「マーケット・べクトル米国上場半導体25インデックス」です。

こちらは金融庁登録されており、日本国内からも売買が可能です。

参考までに「ヴァンエックベクトル半導体ETF(SMH)」とSOX指数がベンチマークである「iシェアーズPHLXセミコンダクターETF(SOXX)」の比較チャートを掲載します。

ヴァンエックベクトル半導体ETF(SMH)とiシェアーズPHLXセミコンダクターETF(SOXX)の比較チャート

ベンチマークは異なりますが、これだけパフォーマンスが類似していれば「ヴァンエックベクトル半導体ETF(SMH)」をSOX指数の代替として活用できそうです。

また、下記の3倍ブルベアETFも売買が可能です。

  • Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF(SOXL)
  • Direxionデイリー半導体株ベア3倍ETF(SOXS)

ただし、ブルベア型ETFについては長期で保有するとパフォーマンスの乖離(減価)が大きくなるため注意が必要です。

また、資金的に余裕がある方は、SOX指数構成銘柄の上位10銘柄程度をまとめて購入しても良いでしょう。

それでもSOX指数とほぼ同じパフォーマンスを享受することができます。



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