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全世界の株式時価総額と名目GDPの比較チャート【株価水準の分析で超重要】

「世界の株式時価総額合計」と「世界の名目GDP合計」の比較は株価の水準感を確認する上で極めて重要です。

2017年8月に「世界の株式時価総額と名目GDPを比較 / 世界株式は割高か割安か」の記事を掲載し、世界の株式時価総額と名目GDPの比較チャートを紹介しました。

継続的にデータを更新してほしいといった声が多かったことから、データ更新用のページを作成しました。

今後はこちらのページで「世界の株式時価総額合計」と「世界の名目GDP合計」の比較チャートのデータを更新していきます。

世界の株式市場が割高か割安かを判断する上で「世界の株式時価総額合計」と「世界の名目GDP合計」を比較することは最もシンプルなやり方です。

理論的には「世界の株式時価総額合計」と「世界の名目GDP合計」が一致することがフェアバリューとは必ずしも言えませんが、過去の水準との相対的な割高・割安を見る上では役に立つと思いますので、参考にしていただければと思います。

過去のデータから「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を大きく上回る時は株価は割安でないと言えそうです。

特にこれから投資を始めようか迷っている人は、まず最初に下記のチャートを確認することをお勧めします。少なくとも「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を上回る状態では慎重に行動すべきです。

全世界の株式時価総額と名目GDPを比較

株式時価総額と名目GDPの比較チャート

最初に、株式時価総額と名目GDPの比較チャートを掲載します。

世界の株式時価総額合計と名目GDP合計の比較チャート

「株式時価総額/名目GDP」比率チャート

次に、「株式時価総額/名目GDP比率」の推移です。

世界の株式時価総額/名目GDP比率の推移

名目GDPは2024年の予想値(IMF予想)まで掲載しています。

株式時価総額と名目GDPのポイント

リーマンショック前は2007年の約1年間は「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を上回っていました。「株式時価総額/名目GDP比率」は一時、110%近くまで上昇しています。当時の「株式時価総額/名目GDP比率」の最高値は2007年10月の約107%でした。

2008年のリーマンショック後は株式が大きく下落する中、名目GDPは先進国がマイナス成長となりましたが、新興国はプラスとなり全世界ベースではプラス成長を維持しました。

その結果、「株式時価総額/名目GDP比率」は2009年2月に約44%まで低下しました。

2009年の後半からは株式が回復に転じ、2017年12月に「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を逆転しました。

2020年1月にも「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」と同水準(101.9%)まで回復しましたが、コロナショックによる影響で株式が大きく下落したことで「株式時価総額/名目GDP比率」は2020年3月に80.6%まで低下しました。

その後の株価の急回復により、2020年7月には再度、「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を上回りました。

「株式時価総額/名目GDP比率」は2021年12月には約126まで上昇し、過去最高を更新しました。

過去の動きを見る限り、「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を上回っているときは注意が必要です。

その後、株価が下落するケースが多くなっています。

「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を上回っているときは、少なくとも株価は割安でない状況と言えますので注意しましょう。

逆に「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を大きく下回っている場合は株式に投資するチャンスといえます。

上記のデータから「株式時価総額/名目GDP比率」が70%を下回れば割安と言えそうです。

当面、「世界の名目GDP合計」は右肩上がりで成長することが予想されます。

株式を購入した後、仮に下落した場合でも、時間の経過とともに名目GDP対比の割安度が高まります。

全世界の株式時価総額と名目GDPの注意点

名目GDPは米ドルベースであるため為替が影響している

名目GDPの推移をみると若干下落している時期もありますが、これは為替レートの影響が大きいです。

2003年以降、リーマンショックの影響で最も経済が混乱した2009年でも世界の現地通貨ベースの実質GDP成長率は0.0%とマイナス成長とはなっていません。

インフレ率も全世界ベースではマイナス(デフレ)にはなっていませんので、世界の名目GDPはマイナス成長にはなっていません。

上記チャートの名目GDP合計は米ドルベースで集計してますので、為替レートの変化によりマイナスに見えることがあります。

例えば日本の名目GDPをドル建ベースで考えると円高は名目GDPの増加要因で円安は減少要因となります。

同様に新興国通貨が対米ドルで下落した場合、新興国の名目GDP(米ドルベース)は減少しているように表示されます。

世界の株式時価総額も為替の影響を受ける

全ての国の株式時価総額を米ドルベースで掲載しているため、米ドル安になると米ドル以外の通貨を使用している国の時価総額が増加します。

もちろん、米ドル高の場合はその逆です。

例えば2018年1月に「世界の株式時価総額」が大きく拡大し、「世界の名目GDP合計」を上回った際はドル安が進んでいたことも一因です。

米ドルが各通貨に対して高くなっているか、安くなっているかは、ドルインデックス(DXY)で確認することができます。

データ出所

  • 世界の株式時価総額合計:bloombergデータより作成
  • 名目GDP合計:IMFデータより作成

「株式時価総額/名目GDP」の関連情報

国別の「株式時価総額/名目GDP」比率

世界各国の国別の「株式時価総額」と「名目GDP」の比較は下記をご覧ください。

国別の「株式時価総額/名目GDP」比率を掲載しています。

これは「バフェツト指数」と呼ばれ、国別の株式時価総額は長期的に名目GDPと一致するという理論が前提となっており、「株式時価総額/名目GDP」比率が100%を超えると割高、100%を下回ると割安であるとされます。

ただし、例えば米国などではグローバルにビジネスを展開する企業が増えており、米国以外の世界各国から収益を得ているケースが多くなっています。

米国市場の時価総額にカウントされているが、利益は米国以外が大半という企業も増えています。

その結果、米国の名目GDPに対して米国の時価総額が大きくなりやすい状況となっています。(日本も同様です)

よって、国別の株式時価総額と名目GDPの比較は以前ほど意味がなくなっていますので参考程度にご覧ください。

グローバル化した現在では、上記の「全世界の株式時価総額」と「全世界の名目GDP」の比較が重要です。

時価総額ランキング

下記では「時価総額ランキング」を様々な切り口から掲載しています。

過去のマーケットピーク時やボトム時の時価総額ランキングや、1990年代からの時価総額ランキングの変化を確認することができます。



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