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実質実効為替レートを分解して分かりやすく解説

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「実効」為替レート

「実効」は何を意味するかというと、ドル円レートのように特定の2か国間の為替レートではなく「複数国間の相対的な通貨の強弱」を表します。

BIS (国際決済銀行)が算出する実効為替レートは貿易額で加重平均してウェイト付けされます。

BIS(国際決済銀行)が公表している実効為替レートは26ヶ国を対象としたNarrow Indicesと61ヶ国を対象としたBroad Indicesがあります。

現在のBIS実効レートは2010年の月次平均を100として計算されています。

ドル円レートのイメージとは逆で数値が大きくなると通貨が強くなり、数値が小さくなると通貨が弱くなったことを意味します

「実質」為替レート

「実質」は何を意味するかというと、「物価やコストの相対的な変化を調整する」ことです。

少しわかりにくい概念ですが簡単に説明します。

例としてドル円レートを考えた場合、名目のドル円レートが現在1ドル=100円で1年後も変化がないとします。

この間、日米のインフレ率は米国が2%、日本が0%とします。

米ドルの購買力は2%減っており、円の購買力は変化していません。

この時、米ドルの購買力は2%低下しているのに名目レートが同じということは実質的には米ドルの価値は2%上昇していると考えるのが実質為替レートの考え方です。
(円から見るとデフレで相対的な購買力は上がっているはずなのに名目レートが同じということは円の価値は低下しているということになります)

よって実質為替レートを考える時、相対的にインフレ率が高い通貨の方が実質為替レートが強くなります。

逆にインフレ率が低い国の実質為替レートは安くなります。

名目実効為替レート長期推移(円・ドル・ユーロ)

名目実行為替レートチャート

円は名目実効為替レートでもドル円レートと同様に変動相場制以降、大きく上昇しています。

ドル円レートでも1ドル=360円から一時期は70円台まで大きく上昇していますのでおおよそイメージ通りだと思います。

米ドルとユーロは上下はあるもののトレンドを持った動きではなく、一定のレンジの間での動きとなっています。

実質実効為替レート長期推移(円・ドル・ユーロ)

実質実効為替レートチャート

円の名目実効レートは長期的に右肩上がりで上昇してきましたが、実質実効為替レートでみると少し違った形となります。

2017年4月現在、日本の実質実効為替レートは1980年代前半と同じくらい安いレベルです。

この時の名目ドル円レートが1ドル=200円~250円です。

これだけ実質実効為替レートが安い理由はデフレの長期化が要因と思われます。

【参考記事】2017/4/14日経朝刊

強いドル いらつく米 実効レートの伸び、50年で最大「米国第一」ジレンマ

トランプ米大統領が12日、再びドル高けん制に踏み込んだ。主要国の先陣を切って利上げに踏み出し、景気刺激策への期待も加わって世界の投資資金はドルに集中。「米国第一主義」を掲げる自らが招いた「強いドル」に異例の口先介入だ。中国には北朝鮮政策への協力の見返りに「為替操作国」の認定を見送ると示唆。通貨政策を外交取引の材料とするトランプ氏の姿勢に日本も身構える。

「痛手を被る」。トランプ氏は12日の米紙インタビューで、輸出企業の採算を悪化させる通貨高にいらだちを隠さなかった。さらに「低金利政策が正直好きだ」と利上げシナリオにも注文した。

ムニューシン財務長官は「中長期的には強いドルが望ましい」と従来の米政権を踏襲する考えを示し、トランプ氏も2月の同長官就任以降は発言を控えていた。だが、インタビューにはムニューシン氏も同席。再び飛び出した発言はドル安誘導への思いをうかがわせる。

対中外交での経験も背景にありそうだ。北朝鮮への対応で中国の協力を引き出せ、通貨政策への関与が政権にプラスに働くとの思惑が浮かぶ。内政面で独自策を打ち出せない中、シリア攻撃など外交・安全保障への傾斜を鮮明にしたように、通貨外交でも立ち位置を鮮明にする狙いが透ける。

大規模緩和からの出口を目指す米国のドルは歴史的な上昇局面にある。国際決済銀行(BIS)によると、ドルの総合的な実力を示す実質実効為替レート(2010年=100)は2月で126。値上がりを始めた3年前からの伸び率は2割強に達する。過去50年で最大だ。

トランプ氏が口先介入しても、米国が利上げを続ければドルには上昇圧力がかかる。だが、UBS証券の青木大樹氏は、米国の雇用増が賃金上昇につながっていない点を重視。「利上げが市場予想の年3回から年2回に減る可能性もある」とみる。

3年前からのドルの上昇率は対人民元で12%、対円で7%。人民元は17年初めに1ドル=6.95元と08年5月以来の安値を付けたが、13日の上海外国為替市場ではドルに対し3日続伸した。円も13日の東京外為市場で5カ月ぶりに一時1ドル=108円台に突入した。

18日に日米経済対話を控える日本。トランプ政権はどこまで日本に踏み込むか。予断を許さない。

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