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インフラ投資法人(太陽光発電施設)のリターンの考え方 / ポイントは減価償却

2019年4月9日

J-REITの太陽光発電施設版といえるインフラ投資法人(インフラファンド)ですが、仕組みの中でやや難解な部分もあり、投資家の理解が深まっていません。

ここではインフラ投資法人(太陽光発電施設)に対する投資のリターンをどのように考えるべきかを分かりやすく解説します。

インフラ投資法人が保有する太陽光発電施設の減価償却期間

インフラ投資法人の決算資料を確認すると、バランスシートの80%~90%部分が「機械及び装置」、10%~20%が「土地」「無形固定資産」「現預金」などです。

よってバランスシートの大部分が太陽光発電設備ということになります。(土地の割合が低いので大部分が償却資産となります)

また、同じくインフラ投資法人の決算資料を確認すると、「機械及び装置」等の減価償却費を計上する際の耐用年数は17年~25年を採用しています。(太陽光発電施設の法定耐用年数は17年ですが、J-REITと同様に経済的な耐用年数で減価償却を行う場合も多いようです)

仮に全体で100億円の太陽光発電施設の80%が「機械及び装置」等、耐用年数を20年とした場合、減価償却費の計算(定額法)はこのようになります。

減価償却費=80億円÷20年=4.0億円

総資産の4.0%も費用が計上されることになります。

4.0%も費用計上するのは少し多すぎる感があります。

よく、インフラ投資法人は利益超過分配だから「たこ足」だという内容を目にしますが、減価償却の耐用年数が短すぎることで過大に費用計上される点にも問題があると思います。

これだけ費用計上しているので、利益超過分配を行うことはある意味当たり前とも言えます。

インフラ投資法人の本質的なリターンを考えてみる

ここではインフラ投資法人の投資家目線でリターンを考えていきます。

上記と同様に100億円の太陽光発電施設で80%が「機械及び装置」、耐用年数を20年とした場合を想定します。

太陽光発電施設の固定価格買取制度(FIT)の期間も20年ですので、20年間の投資のリターンについて考えてみます。

まず、太陽光発電施設への投資によって得られる純粋な利回り(減価償却後、コスト控除後、レバレッジなし)は3.5%程度と考えられます。
(カナディアンソーラーインフラ投資法人等の決算短信のデータを確認すると分かります)

キャッシュベースで考えた場合、純粋な利回りからの分配金3.5億円に加え、4.0億円の減価償却分が残る形となります。(修繕費等はわずかであるため省略します)

次にインフラ投資法人の借入比率(LTV)を50%と仮定します。(100億円の太陽光施設を出資金50億円・借入金50億で保有)

つまり、投資元本は50億円で2倍のレバレッジの投資となります。

借入金の50億円は20年で返済します。返済するには年間2.5億円の資金が必要です。

よって、毎年手元に残るキャッシュは分配金3.5億円に加え、1.5億円(4億円-2.5億円)となります。

3.5億円はそのまま配当し、1.5億円はバランスシート上にプール、2.5億円は借入金の返済をすると20年後のバランスシートは下記のようになります。

インフラ投資法人のバランスシート

ここまでで考えると、インフラ投資法人のように50億円借入をしながら50億円出資し、100億円の太陽光施設に投資した場合、毎年3.5億円ずつ配当を受け取って、ちょうど元本の50億円が返ってくる形となります。

しかし、20年経過してもパネルなど太陽光発電施設は70%~80%の発電能力は維持できると言われています。

バランスシート上はゼロ評価になっていますが、まだ価値があるということになります。

ただし、固定価格買取制度(FIT)が終了しているので、その時の買取価格がいくらになるかが問題です。

現状では1kw当たり10円前後ではないかと予想されています。

それにパネルの能力が70%~80%に低下していることを総合して考えると資産価値としては10億円程度が妥当でしょう。

そうすると20年後のバランスシートは10億円の含み益が発生します。

インフラ投資法人のバランスシート(実態)

上記をまとめると、50億の出資(+50億円は借入)で太陽光発電施設を購入すると3.5億円×20年=70億円受取り、20年後に60億円受取る計算となります。

キャッシュフローはこのようになります。

インフラ投資法人への投資(キャッシュフロー)

IRR(内部収益率)は7.46%となりました。

これが2019年時点のインフラ投資法人の本質的なリターンと言えます。
(レバレッジ2倍の太陽光発電施設のリターンとも言えます)

そう考えると投資対象としては悪くないのではないでしょうか。

今回は少し難しかったと思いますが、インフラ投資法人(太陽光発電施設)のリターンの考え方について解説しました。



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