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リスク(標準偏差)や相関係数の資料をエクセルで作成/リスクリターンの意味を具体的に説明

投稿日:2017年7月23日 更新日:

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月次リターンのデータからリスク(標準偏差)や相関係数を求める

先進国株式、先進国債券、新興国株式、新興国債券(現地通貨建て)の月次リターンをもとにリスク(標準偏差)や相関係数を求めます。

まず各資産の月次騰落率の時系列データを準備します。

リスクリターンデータ

月次騰落率の時系列データから、標準偏差(リスク、ボラティリティ)、共分散、相関係数をもとめます。

EXCELの関数を使うことで簡単に標準偏差(リスク、ボラティリティ)、共分散、相関係数を求めることができます。

年率リターン・リスク

関数の後ろにSQRT(12)とありますが、これはルート12(√12)の意味で月次データを年率に変換するためにルート12を掛けます。

共分散と相関係数

相関係数や共分散も下記のようにEXCELの関数を使えば容易に計算できますが、関係式を理解しておいた方が本当の意味が分かります。

AとBの共分散=「Aの標準偏差」×「Bの標準偏差」×「ABの相関係数」

ちなみに相関係数は2つの資産クラスの値動きの類似性を表す指標で-1~1の数値で表されます。

相関係数が1に近づくと2つの値動きが似ているということとなり、-1に近づくと真逆の値動きということになります。

ポートフォリオの分散効果を考える場合は、相関係数が「0」に近い方が値動きに関連性がないということになり、一般的に良いと考えられます。

使用したインデックス

  • 先進国株式:MSCIワールドインデックス(MXWO Index)
  • 先進国債券:Citi World Government Bond Index (CFIIWDUC Index)
  • 新興国株式:MSCIエマージング・マーケット・インデックス(MXEF Index)
  • 新興国債券(現地通貨建て):JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス・エマージング・マーケッツ(GBI-EM)グローバル・ディバーシファイド、キャップ15%フロア4.5% (GBIE1545 Index)

リスクリターン表を作成する

これは各資産クラスのリターンとリスクのデータからエクセルの図形作成で簡単にできます。

下記のリスクリターン表を作成するにはEXCELの「挿入」→「グラフ」で「散布図」を使うと便利です。

ここからさらに進んで有効フロンティア曲線を作成することも可能ですが、少し難しいので今回は掲載しません。

リスクリターン表

ちなみに過去のデータからリスクリターンを計算する場合、リターンはどの期間のデータを使用するかで大きく変化しますが、リスク(標準偏差)は概ねどの期間を使っても、資産クラスごとの特徴通りのデータとなります。

よって機関投資家などで最適ポートフォリオを検討する際にはリスク(標準偏差)は過去のデータから計算したものを使い、リターンは過去データを使わずに予想される期待リターンや配当利回りなどを使う場合も多くなっています。

またリターンとリスクのデータから算出できるシャープレシオというデータもよく利用されます。

シャープレシオはリスク当たりのリターンを表す指標ですが、リターンはリスクフリーレートを控除したデータを使います。

シャープレシオ計算式

仮に低金利の環境を想定し、リスクフリーレートをゼロとした場合、リターン/リスクとなり、各資産クラスのシャープレシオは上記のリスク・リターン表の傾きとなります。

上記のリスク・リターン表では新興国株式の傾きが最も急になることからシャープレシオが最も高いということになります。

新興国株式のリターン5.94%、リスク6.88%、仮にリスクフリーレート0%とするとシャープレシオは5.94/6.88=0.86となります。

ちなみによくリスクリターン表にヘッジファンドのデータを掲載してシャープレシオが高いと宣伝している資料を見かけますが、ヘッジファンドはリターンの分布が正規分布にならないため本来、株式や債券などの伝統的アセットと一緒にリスクリターン表に掲載することはミスリードです。

リターン5%・リスク8%の意味を具体的に説明できますか?

リターンはそのまま年率の収益率で問題ありません。

リスクは標準偏差のことです。

ちなみに標準偏差も良く使われるもので「1標準偏差」と「2標準偏差」があります。

少し難しくなるかもしれませんが、「1標準偏差」は正規分布において約68%の部分が収まる範囲で、「2標準偏差」約95%の部分が収まる範囲です。

正規分布

通常、投資の世界で「リスク」はと言えば、特に指定がなければ「1標準偏差」のことを言います。

よって「リターン5%・リスク8%」「5%±8% (つまり-3%~+11 %)の範囲に約68%の確率で収まる」ことを表します。

また、「標準偏差」は株式などのテクニカル分析で使われるボリンジャーバンドでよく活用されます。

一般的には2標準偏差を使うことが多くなっています。

よって2標準偏差のボリンジャーバンドは約95%の確率で収まる範囲ということになります。

「1標準偏差」「2標準偏差」のことを「1σ(シグマ)」「2σ(シグマ)」と呼ぶこともあります。

機関投資家向け営業の世界では当たり前の話かもしれませんが、リテール向け営業ではこのリスクリターンの意味を理解している方が少ないと感じるため掲載しました。

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