こちらのページは2017年8月時点の情報です。
最新のデータは下記のリンク先をご覧ください。
全世界の株式時価総額と名目GDPの比較チャート【株価水準の分析で超重要】
続きを見る
世界の株式市場が割高か割安かを判断する上で「世界の株式時価総額合計」と「世界の名目GDP合計」を比較することは最もベーシックな手法です。
下記では「世界の株式時価総額合計」と「世界の名目GDP合計」の比較チャートと分析する上でのポイントを解説しています。
ちなみに「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を上回っている時は注意が必要なようです。
詳細は下記をご覧ください。
全世界の「株式時価総額合計」と「名目GDP合計」の比較チャート
「世界の株式時価総額合計」と「世界の名目GDP合計」の比較チャートです。(2003年12月~2017年8月)
- ※名目GDP合計:IMFデータより作成
- ※世界の株式時価総額合計:bloombergデータより作成
下記では
全世界の「株式時価総額合計」と「名目GDP合計」の比較ポイント
「世界の株式時価総額合計」と「世界の名目GDP合計」の推移には一定の相関性があります。
名目GDPについては近年、中国やインドをはじめとする新興国の成長が著しく、リーマンショック時などは先進国のみだとマイナス成長ですが、新興国を含む全世界で見るとリーマンショック時も含めて右肩上がりとなっています。
- 世界の経済成長率についてはこちらを参照してください:世界の実質GDP成長率推移
データが取得できた2003年以降のチャートを見るとほとんどの期間で名目GDP合計が株式時価総額合計を上回っていたことが分かります。
「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を上回ったのは、リーマンショック前の2007年のみでしたが、2017年に入り再び「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を上回り始めました。
ただし、「世界の名目GDP合計」のデータは2016年末のものとなっていますので、2017年の名目GDPデータを使うと実際にはギリギリ逆転していない可能性もあります。
また、米ドルベースの時価総額とGDPのデータですので為替レートの動きにより影響される部分もあります。
例えば2015年に名目GDP合計が若干減少しているのは、新興国の通貨安(米ドル高)が原因と考えられます。
よく「バフェット指数」や「バフェット指標」と呼ばれているものがありますが、これは各国ごとの名目GDPと株式時価総額は長期的にはイコールとなる理論が前提で「株式時価総額 / 名目GDP」が100%を超えると割高、100%を下回ると割安な状態を意味します。
しかし、現在は経済がグローバル化しており、例えば日本に上場している企業でも利益の大半が海外ということはよくあります。
米国に上場している時価総額上位の企業を見てもほぼ全てがグローバル企業です。
よって、現代では各国ごとの時価総額とGDPの比較は参考までにしておいて、全世界の株式時価総額と名目GDPの比較をすることでグローバルな株式市場の割高・割安を見ていくことをお勧めします。
- 参考までに国別の名目GDPと株式時価総額の比較チャート(いわゆるバフェット指数)はこちらをご覧ください:世界各国の「株式時価総額/名目GDP」比率の推移
上記のチャートから、過去の推移を考えると2017年8月の世界の株式市場は少なくとも割安な状況ではなさそうです。
「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を上回った場合には注意が必要と言えます。
逆に「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」を大きく下回っている場合は、投資のチャンスと言えます。
株式時価総額合計が名目GDPよりどれくらい下がると底入れするかはその時々で異なりますが、少なくとも世界の名目GDP合計に関しては新興国の成長等により、当面は右肩上がりで上昇する見通しです。よって、投資した後に株価が下落した場合でも、時間の経過とともにGDP対比の株価は割安になっていきます。
よって、「世界の株式時価総額合計」が「世界の名目GDP合計」をある程度下回っている場合は、長期投資における株式のエントリーポイントとしては悪くないと言えます。
株式市場への投資を行う際は、この辺のバランス感覚を常に持っておくことが重要です。
時価総額と名目GDPの比較は非常に分かりやすい指標だと思いますので、ぜひ覚えておいてください。
定期的に下記リンク先の2017年8月以降のデータ更新用チャートを確認してください。
- 2017年8月以降のデータはこちらのページで更新しています:全世界の株式時価総額と名目GDPの比較チャート(データ更新用)