日本に住む外国人の数は増加傾向です。
ただし、人口減少や労働力不足が深刻化する日本ですが、積極的な移民政策はとっていません。
ちなみに、下記では移民と表現していますが、日本における正式な呼び名は「在留外国人」です。あくまで移民ではないとのことです。(違いはないと思いますが)
日本の経済成長を考える上でも移民の受入れは有効だと考えられますが、治安の問題などで反対意見が多いのも事実です。
個人的には学歴などの条件をクリアした人は無条件で永住権を与えるなど、もう少し積極的な移民政策を行っても良いのではないかと思っています。(逆に誰でも簡単に日本に住めるのは少し困ります)
こちらのページでは世界各国の移民受入数のランキングと人口対比の移民比率を掲載しています。
移民比率は総人口に対する移民の数(移民数/人口)で計算しています。
移民数ランキングトップ50(移民数・人口・移民比率)【2024年】
2024年の移民数の順にランキングしています。
- 移民比率=移民数/人口
2024年と2015年のデータを比較できる形で掲載しています。
人口が小さい国などは移民比率が非常に高くなる場合がありますが、これは参考程度に見てもらえばよいと思います。
主要国の移民比率は10%~20%程度またはそれ以上
青く色づけしてあるのは主要先進国です。
いずれの国々もおおむね総人口の10%~20%は移民が占めています。
米国は移民政策を上手く活用していることで知られていますが、ドイツも人口が約8,400万人に対し、移民が約1,600万人もいます。
景気が安定していることで知られ、30年以上もリセッション(経済のマイナス成長)を経験しなかったオーストラリアも移民比率が30%と多くの移民を受け入れていることが分かります。
日本の移民比率は僅か2.7%で受け入れ余地は大きい
それに対して日本の移民比率は僅か2.7%です。
インドと中国は総人口が多いこともあり、移民比率は0.3%、0.1%と極めて低い水準です。
一般的に移民は新興国から先進国に移ることと、住みたい国であるか否かの人気面も影響していると考えられます。
現状ではインド・中国は移民を送りだす方の「移民送出国ランキング」では上位です。
移民送出の上位国はこちらです。
- インド
- メキシコ
- ロシア
- 中国
- バングラデシュ
そういう意味では日本は訪日外国人の数も増えており、外国人からの人気が高い国と言われます。
潜在的に日本で住みたい外国人は多いのではないでしょうか。
マクロ経済を考える上で人口は非常に重要です。
各国の経済規模を表す名目GDPは「1人当たりGDP×人口」表現されます。
経済成長するには(名目GDPを拡大するには)、生産性を上げるか、人口を増やすしか方法はありません。
生産性を高める努力をするのは当たり前ですが、その一方で人口が減少しているとかなり逆風になります。
最も理想的なのは生産性を高めながら緩やかに人口が増えることです。
日本はすでに人口が減少しており、しかも減少速度が加速しています。
国としての人気があるのであれば所得制限を設けて世界の富裕層を受け入れることも検討すべきではないかと思います。
- 世界各国の人口の予測はこちらをご覧ください:世界の人口推計(人口予測)/人口ランキング
- 日本人の人口増減の推移はこちらをご覧ください:日本の出生数・死亡数・自然増減の推移 / 日本は人口維持をあきらめた?
日本への移民はどの国から流入しているのか(国別トップ10)
ちなみに日本への移民はどの国から流入しているのかを表すのがこちらです。
移民とは少し定義が異なりますが、日本の在留外国人数を出身国別にランキングしています。
中国、ベトナム、韓国、フィリピン、ブラジルの5ヶ国で大半を占めています。地理的な面や歴史的な流れからこれらの国々からの移民が多くなっています。
地理的に遠いにも関わらずブラジル人が多いのは1980年代のバブル期に深刻な人手不足となった際、ブラジルに住む日系3世までの在留資格を大幅に緩和した事がきっかけです。当時、日本は外国人を受け入れる事に抵抗がありましたが、元々日本からブラジルに渡った人の子孫であれば馴染みやすいとの思惑です。
これにより、群馬県大泉町、静岡県浜松市、愛知県豊田市など、自動車などの製造業の工場がある地域に多くのブラジル人が住む事になりました。
ブラジル以外は近隣のアジア各国からの移民が中心となっています。