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李克強指数・債務対GDP比率で中国の景気を確認

2018年11月11日

こちらのページでは中国経済の状況を把握する上で役に立つ指標を2つ紹介します。

  • 李克強指数
  • 債務対GDP比率

この2つのデータは一般的なニュースではあまり取り上げられませんが、中国の実態を把握する為には役に立つものですので活用してください。

特に「中国の債務対GDP比率」は当面のリスク要因となりますので注目しておいてください。

それでは最初に「李克強指数」から紹介します。

李克強指数(りこっきょうしすう)

中国の第7代首相である李克強(りこっきょう)氏が総理就任前の2007年に国内総生産(GDP)よりも信頼できる数値として挙げた「銀行融資残高・電力消費量・鉄道貨物輸送量」の3つをもとに作られた指数です。

2010年にイギリスのエコノミスト紙によって紹介されてから、広範に用いられています。

  • 銀行融資残高:40%
  • 電力消費量:40%
  • 鉄道貨物輸送量:20%

上記のウェイトで指数化されています。

「チャイナ・モメンタム・インディケーター」と呼ばれることもあります。

従来より、中国政府が公表するGDPなどの一般的な経済指標はデータが操作されていると言われており、信頼性は低いと考えられています。

一方、「銀行融資残高、電力消費量、鉄道貨物輸送量」はデータを操作しにくいと考えられることから上記の李克強(りこっきょう)氏の発言になったと考えられます。

よって、李克強指数は中国経済の実態を見る上で信頼性が高く、参考になるデータと言えます。他の一般的な経済指標と併せて観察することで中国の景気動向の分析を高い精度で行うことが可能となります。

李克強指数のチャートを掲載します。

李克強指数チャート

2009年は大きく上昇していますが、これは2008年11月に公表された「4兆元(当時のレートで約57兆円)の景気刺激策」による影響です。

李克強指数の注意点として、3つの指標のうち電力消費量と鉄道貨物輸送量は製造業の動向に影響を受けやすい指標です。

中国経済は構造変化により名目GDPに占める製造業のウエイトが低下し、サービス産業のウエイトが上昇しています。

李克強氏が3指数に言及した2007年はGDPに占める産業別ウエイトで製造業がサービス産業を上回っていましたが、2010年代に入りサービス産業が製造業を逆転しています。

今後、更にこの動き進むと李克強指数が実体経済と乖離していく可能性がありますので注意してください。

もしくは、李克強指数は製造業のモメンタムを表す製造業指数と割り切って活用するのも1つだと思います。

次に、当面のリスク要因として重要な「中国の債務対GDP比率」を紹介します。

中国の債務対GDP比率

上記の「李克強指数」と同様、ニュース等で具体的なデータが取り上げられることは少ないですが、中国経済の動向を分析する上で重要なのが「債務対GDP比率」です。

ここでは、中国の「総債務対GDP比率」とその内訳となる「企業債務対GDP比率・家計債務対GDP比率・政府債務対GDP比率・銀行債務対GDP比率」を掲載します。

中国の債務対GDP

中国の債務対GDP②

中国は長らく過剰債務問題が懸念されていますが、こちらのデータでそれが確認できます。

上記は債務残高ではなく名目GDPに対する比率であるため、かなりの過剰債務と言えそうです。

特に2008年のリーマンショック以降に債務比率が大きく増加しており、「総債務対GDP比率」は2008年の162%から2018年には276%まで上昇しています。

また、内訳の中では「企業債務対GDP比率」と「家計債務対GDP比率」の上昇が顕著となっています。

「企業債務対GDP比率」は2008年の100%から2018年には165%まで増加し、「家計債務対GDP比率」は2008年の18%から2018年には53%まで増加しています。

一方、「政府債務対GDP比率」と「銀行債務対GDP比率」はここ数年間は横ばいとなっており、水準自体もそれほど高くありません。

中国の債務対GDP比率は民間の企業債務と家計債務が大きく増加し、公的な政府債務と銀行債務はある程度コントロールされています。

よって、中国の債務問題は民間部門をいかにうまくコントロールできるかがポイントとなりそうです。

そして、上記のデータは名目GDPに対する比率ですが、2018年時点で中国の名目GDPは13.4兆ドルまで拡大しています。米国に次いで世界第2位で、3位の日本の2.7倍です。

上記のデータから中国の総債務は40兆ドル近くまで拡大していることになります。世界全体の債務の15%前後の水準です。

このように中国は経済規模が拡大する中、それ以上に債務が拡大しています。それにより、何か問題が発生した場合には、世界経済に与えるインパクトがどんどん高まっていることになります。

当面、中国の債務問題は注目しておくべきリスク要因となりますので覚えておいてください。



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