こちらのページでは米国長期金利の先行指標といわれる「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」について紹介しています。
「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」と「米国長期金利(10年米国債利回り)」はかなり高い相関性が認められます。
その為、特に2つのチャートが乖離した際は投資に活用することができます。
詳細は下記をご覧ください。
まずは「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」の概要から解説します。
銅/金レシオ(C/Gレシオ)とは
「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」は下記の数式で表されます。
- 銅/金レシオ(C/Gレシオ)=銅価格 / 金価格
人によっては「ゴールド/カッパーレシオ」という言い方をして「金価格/銅価格」で表すケースもあるようですが、個人的には「銅/金レシオ(C/Gレシオ)=銅価格/金価格」の方がしっくりくるので、当サイトではこちら(銅価格/金価格)を使います。
銅は自動車、パソコン、携帯電話、住宅など産業用途で幅広く使われることから、景気回復時に価格が上昇する傾向にあります。
一方、金は安全資産として景気悪化局面で価格が上昇する傾向があります。
その為、「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」は景気回復時に上昇し、景気悪化時に低下することになります。
- 「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」上昇→景気回復
- 「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」低下→景気悪化
ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)が『米国の長期金利の先行きを占う指標として「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」に注目している』とコメントしたことで世の中に広く浸透しました。
それでは「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」の実際の推移を確認します。
銅/金レシオ(C/Gレシオ)と米国長期金利の推移
まずは、銅価格と金価格の比較チャートです。
次に「銅価格/金価格」で表される「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」のチャートです。
そして「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」と「10年米国債利回り」を比較します。
「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」と「長期金利(10年米国債利回り)」の関係を理論的にまとめると下記のようになります。
- 「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」上昇→景気回復→長期金利上昇
- 「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」低下→景気悪化→長期金利低下
かなり同じような動きになっています。
必ずしも「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」が「10年米国債利回り」に先行している訳ではありませんが、2つのチャートが大きく乖離した場合は、再び収れんする可能性が高いと思われることから、投資に活用することができます。
2012年や2015年は「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」に対して「10年米国債利回り」が低く推移していましたが、いずれもその後収れんしています。
2018年は逆に「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」に対して「10年米国債利回り」が高く推移していましたが、こちらもその後収れんしました。
そして、2020年~2021年前半は「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」と比較して「10年米国債利回り」がかなり低く推移していましたが、結果的にこちらもその後収れんしています。
このように「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」は「米国長期金利(10年米国債利回り)」の先行指標として活用することができそうです。
また、「米国長期金利(10年米国債利回り)」は世界の株式市場にも大きな影響を与えることがあります。
特に米国のグロース株は「米国長期金利(10年米国債利回り)」の影響を大きく受ける形となります。
その先行指標ともなる「銅/金レシオ(C/Gレシオ)」は株式市場を占う上でも有益と考えられる為、定期的に確認してください。
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