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主要国の経常収支(対GDP比)の推移【②新興国】

2018年6月23日

こちらのページでは「主要新興国の経常収支(対GDP比)の推移」を掲載しています。

新興国のイメージとして経常収支が赤字で通貨が弱いというのが一般的な見方だと思いますが、実際はどうなのか下記で確認してください。

国ごとに特徴が大きく異なります。

最初に「経常収支」の内訳について解説します。

経常収支の内訳

経常収支の内訳は①貿易収支、②サービス収支、③第一次所得収支、④第二次所得収支です。

  • 貿易収支:輸出と輸入の差額
  • サービス収支:モノ以外のサービス貿易の収支(特許料、海外旅行)
  • 第一所得収支:2013年までは所得収支と呼ばれており、海外に保有する資産から生じる利子・配当の収支
  • 第二所得収支:2013年までは経常移転収支と呼ばれており、海外への援助等

経常収支の内訳についての詳細はこちらも参照してください。(特に国際収支の内訳について分かりやすく記載しています)

2014年に国際収支の内訳が大幅に変更となっています。

ちなみに余談ですが、経常収支が恒常的に赤字の国は、国際収支上、その裏側である金融収支がプラスになります。つまり海外から直接投資や証券投資などを呼び込んで経常収支のマイナスを埋めることになります。

それでは下記に新興国の経常収支(対GDP比)の推移とポイントを掲載します。(ポイントは箇条書きで記載しています)

BRICs【中国・インド・ブラジル・ロシア】の経常収支(対GDP比)の推移

経常収支対GDP比(中国・インド・ブラジル・ロシア)

  • 中国は巨額の貿易黒字により経常収支が恒常的に黒字となっている。ロシアのようなエネルギー関連ではなく、工業品の輸出が活発である。人口が多く、経済成長も進んでいることから輸入も着実に増加しているが、輸出の伸びの方が大きく、貿易黒字が続いている。特に対米貿易黒字の額が大きく、貿易摩擦問題化している。米国の貿易赤字の推移はこちらを参照:米国の貿易赤字 長期推移(対中国・対日本・対メキシコ)
  • また、中国の特徴として2010年頃からサービス収支の赤字が拡大している。これは中国人の海外旅行が増加していることが要因である。サービス収支の赤字が貿易収支の黒字を相殺する形で、経常黒字が減少傾向となっている。
  • ブラジルの経常収支は年によって黒字になったり赤字になったりしているが、2008年以降は赤字が続いている。
  • 特徴としてサービス収支と第一次所得収支が恒常的に赤字となっている。日本からもブラジルレアル建て債券への投資という形で証券投資が積極的に行われており、これも第一次所得収支が恒常的に赤字となる一因となっている。高金利が魅力で投資資金を惹きつけているが、この利払い負担が第一次所得収支のマイナス要因ともなっている。
  • 経常収支が黒字化している年は貿易収支が大幅に黒字となったことが要因である。国際収支上、経常収支の赤字は証券投資より直接投資でファイナンスされている割合が大きい。ちなみにブラジルの経常収支が黒字化した2004年〜2007年はブラジルレアルが大きく上昇した。
  • ロシアは恒常的に経常黒字となっている。燃料・エネルギー関連の輸出額が非常に大きく、貿易収支の黒字が大きい為、その他(サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支)は全て赤字であるが経常収支は黒字となっている。
  • インドは多くの期間で経常収支が赤字となっている。特徴としては貿易収支の赤字と第二次所得収支の黒字が大きなウェイトをしめている。第二次所得収支の黒字は中東などで働く出稼ぎ労働者からの送金が大きい。また、インドは非資源国であることからエネルギー価格の上昇は貿易収支の赤字要因となる。
  • 新興国通貨の長期チャートはこちらを参照:お役立ちデータ(為替)

南アフリカ・トルコ・メキシコの経常収支(対GDP比)の推移

経常収支対GDP比(南アフリカ・トルコ・メキシコ)

  • 南アフリカ・トルコ・メキシコの経常収支は恒常的に赤字で推移している
  • 南アフリカの特徴として貿易収支は年によって黒字となる年もあるが、サービス収支・第一次所得収支・第二次所得収支は常に赤字となっており、経常収支が黒字化しにくい構造となっている
  • 2002年に一時的に経常黒字となっているが、これは南アフリカランドが急落した影響が大きいと考えられる
  • トルコは新興国の中でも経常収支の赤字(対GDP比)が大きい。2002年以降、経常赤字が続いている。
  • 観光収入が大きなウエイトを占めるサービス収支は恒常的に黒字であるが、貿易収支の赤字が大きい為、経常収支の赤字が大きくなる構図となっている。
  • ブラジルなどと異なり、経常収支の赤字は証券投資でファイナンスされている割合が大きい。直接投資と比べ証券投資は時期によって資金の出入りが大きく変動するため安定性は低くなる。よって、本来は直接投資のウエイトが大きい方が好まれる。これもトルコリラのボラティリティが高い要因となっている。
  • メキシコの経常収支は赤字で推移している。米国への出稼ぎ労働者からの送金が大きく、第二次所得収支が恒常的に黒字になっているのが特徴。それ以外は恒常的に赤字で推移している。
  • 南アフリカランド・トルコリラ・メキシコペソは長期的に弱い動きとなっているが、これは経常赤字が恒常化していることも要因と言えそうである。
  • 新興国通貨の長期チャートはこちらを参照:お役立ちデータ(為替)



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