こちらのページではシリコンバレーに関連する内容を様々な角度から紹介しています。
シリコンバレーは面積や人口は京都府に近い規模ですが、2021年にはシリコンバレーに本社を置く上場企業の時価総額が日本企業全体の時価総額を上回りました。
詳細は下記をご覧ください。
シリコンバレーとは
シリコンバレーはアメリカ西海岸のカリフォルニア州、サンフランシスコ周辺に位置します。
具体的にはサンフランシスコからサンノゼまでのベイエリア周辺のことを指します。
元々、特定の地名を指すのではなく、その一帯に多くの半導体メーカーが集まっていたことと、周辺の地形が盆地地帯となっていたことから、通称シリコンバレーと呼ばれるようになりました。
- シリコン ⇒ 半導体の原料ケイ素の英語表記:Silicon
- バレー ⇒ 周辺の地形:谷・渓谷(Valley)
ざっくりしたデータですが、シリコンバレーの面積は約5,000㎢、人口は約300万人です。
日本の都道府県で上記データに最も近いのが京都府です。(面積約4,600㎢、人口約260万人)
シリコンバレー上場企業の時価総額ランキング
シリコンバレーには多くのIT企業の本社があります。
下記は2021年8月時点でシリコンバレーに本社を構える上場企業の時価総額ランキングです。
シリコンバレーに本社を置く上場企業の時価総額が日本企業全体の時価総額を初めて上回った2021年8月時点のデータです。
合計で90,409億ドルということは,1ドル=110円で換算すると約1,000兆円になります。
2021年8月時点での日本株全体の時価総額が735兆円(2021年8月26日時点)でしたので、シリコンバレーに本社がある企業だけで日本企業全体の時価総額の1.36倍となります。
さらに、上記以外に上場していないユニコーン企業も数多く存在します。
- ユニコーン企業についてはこちらを参照してください:ユニコーン企業の増加はバブルの兆候か!【国別企業数・時価総額ランキング】
上記に掲載した通り、シリコンバレーは日本で例えると京都府ぐらいのイメージです。
そこに日本の時価総額全体を上回る企業が集まっていることになります。
米国のハイテク企業は所得水準も高いので周辺の景気が良くなり、家賃が高くなるのも理解できます。
スタンフォード大学はシリコンバレーエコシステムの中心
シリコンバレー周辺には多くの大学がありますが、日本でも有名な大学はスタンフォード大学とカリフォルニア大学バークレー校です。
なかでもスタンフォード大学はシリコンバレーの中心地にあり、卒業生が起業するケースも多いことから、シリコンバレーの象徴的な大学と言われています。
上記の「シリコンバレー企業時価総額ランキング」に入っている上場企業でもスタンフォード大学卒業生(MBA含む)が創業した会社がいくつもあります。
これら優秀な学生が集まる環境に加え、起業するための資金を提供するベンチャーキャピタル(VC)も多く存在します。
シリコンバレーには多くのベンチャーキャピタル(VC)がありますが、その中でダントツに有名なのは世界最大級のベンチャーキャピタルであるセコイヤ・キャピタル(Sequoia Capital)です。
1972年にシリコンバレーの父と呼ばれるドン・バレンタインによって設立され、初期のアップル、グーグル、シスコシステムズなど多くのスタートアップに投資してきました。
- ベンチャーキャピタル(VC)ファンドについての詳しい内容はこちらを参照:プライベートエクイティファンド(PEファンド)の全て
また、シリコンバレーには世界中の大手企業の研究所(R&D拠点)が集まることで、スタートアップ企業を成長させる機会が増えるとともに、スタートアップ企業に対するM&Aの機会も増加します。
これによりスタートアップ企業はイグジットの確率が大きく上昇します。
このようにシリコンバレーはスタンフォード大を中心としたエコシステム(生態系)が完成されていることで大きな発展が可能となりました。
第2のシリコンバレー【中東のシリコンバレー:イスラエル、中国のシリコンバレー:深セン】
世界には第2のシリコンバレーと呼ばれる地域がいくつか存在します。
2024年時点で最も成功しているのはイスラエルと中国・深センです。
中東のシリコンバレーと呼ばれるイスラエルは国を守る軍事技術やサイバーセキュリティ技術をベースとしたスタートアップ企業が多く誕生しています。
テルアビブ証券取引所・米国ナスダックに上場(IPO)するケースや大手企業に買収(M&A)されるケースが増加しています。
多くのベンチャーキャピタルが存在し、世界の大手企業の研究開発(R&D)拠点が多いこともシリコンバレーと共通です。
- イスラエルについての詳しい内容はこちらを参照してください:イスラエルの概要と金融市場 / イスラエルは先進国か新興国か
中国のシリコンバレーと呼ばれる深セン市は1980年に経済特区に指定された後、急激に発展しました。
現在は人口1,200万人の大都市となっています。
米国のシリコンバレーと同様に、深センにも多くの大手ハイテク企業が本社を構えています。
ファーウェイ、テンセント、BYD、ZTE、DJIなどそうそうたる顔ぶれです。
更にこちらもシリコンバレーと同様、マイクロソフトなど世界の大手企業が研究開発(R&D)拠点を構えています。
また、中国の株式市場は大きく分けて上海市場と深セン市場がありますが、上海市場は大企業、深セン株式市場は米国のナスダックの様なイメージでベンチャー企業やハイテク企業という棲み分けがされています。
これも深センのシリコンバレー化に大きく貢献しています。
- 中国の株式市場の仕組みについてはこちらを参照してください:中国株式市場の仕組みを分かり易く解説【香港・上海・深セン / A株・B株・H株・ハンセン・レッドチップ】
最後に米国内にも第2のシリコンバレーと呼ばれる地域があります。
それはシリコンバレーの北側に位置するワシントン州のシアトルです。
従来からアマゾンとマイクロソフトが本社を置いています。クラウド分野では世界1位・2位です。
近年は両社がAI関連に力を入れている事もあり、AI関連の研究所やスタートアップが集積しています。
また、アマゾンとマイクロソフト出身者が起業するケースも多く、急速にシリコンバレー化が進んでいます。