こちらのページでは「ナスダック総合指数」がピーク時とボトム時の時価総額ランキングを掲載しています。
- ITバブル前のピーク:2000年3月10日(ナスダック総合指数5,132ポイント)
- ITバブル後のボトム:2002年10月10日(ナスダック総合指数1,108ポイント)
- コロナショック前ピーク:2020年2月20日(ナスダック総合指数9,817ポイント)
- コロナショック後ピーク:2021年11月19日(ナスダック総合指数16,057ポイント)
ナスダックはIT関連企業が多い事もありNYダウやS&P500指数と比較してボラティリティが非常に高くなっています。
ピーク時やボトム時の時価総額ランキングを見る事で、その時々のマーケットの移り変わりを確認する事ができます。
- ナスダックだけでなく、マーケットピーク時の全世界の株式時価総額のランキングはこちらを参照:マーケットがピーク時の株式時価総額ランキング(2000年・2007年・2020年・直近)
- 日本の時価総額ランキングはこちらを参照:日本の株式時価総額ランキングの変化(1989年・2000年・2009年・直近)
まず最初にナスダック総合指数の長期推移から掲載します。
ナスダック総合指数の長期推移(1997/1/31から)
ナスダック総合指数は1999年~2000年前半のITバブル相場で大きく上昇しました。
ナスダック総合指数は1998年10月にロシア危機後の安値である1,357ポイントを付けた後、大きく上昇し2000年3月10日には5,132ポイントまで上昇しました。(上記チャートは月次データで作成しているため2000年は5000ポイントに達していないように見えますが、日次データでは超えています)
その後、ITバブル崩壊によりナスダック総合指数は急激に下落し、2002年10月10日には1,108ポイントとなりました。
指数(インデックス)が1年5ヶ月で約3.8倍になり、2年7ヶ月で約1/5になったことになります。
ITバブルとその崩壊がいかに異常なマーケットであったかがよく分かります。
- ITバブル崩壊後の各資産クラスの下落率はこちらを参照:各資産の最大下落率(ITバブル崩壊)
2008年のリーマンショック時もナスダック総合指数は大きく下落しましたが、2002年10月10日の1,108ポイントを下回ることはなく、その後は長期に渡り上昇し、2020年2月20日には9,817ポイントを付けました。
- コロナショック後の各資産クラスの下落率はこちらを参照:各資産の最大下落率(コロナショック)
2020年3月のコロナショックの際は一時的に下落しましたが、金融緩和の影響もありその後リバウンドし、2021年11月19日には16,057ポイントまで上昇しました。
- S&P500の長期推移はこちらを参照:米国株(S&P500)長期推移(チャート・変動要因) / 30%以上の暴落は過去8回
- SOX指数の長期推移はこちらを参照:SOX指数の長期チャートと構成銘柄の変遷
ナスダック総合指数は米国のナスダック市場に上場する全銘柄の時価総額加重平均を指数化したものです。
ちなみに、ナスダック市場の時価総額上位100銘柄のみをピックアップして時価総額加重平均したナスダック100という指数も存在します。
それではマーケットのピーク時とボトム時の時価総額ランキングです。
ナスダック時価総額ランキングTOP50
ナスダック時価総額ランキング【ITバブルピーク】(2000年3月10日ナスダック総合指数5,132ポイント)
ITバブル時のナスダック総合指数がピークとなった2000年3月10日のナスダック時価総額ランキングです。
ITバブル時の上位銘柄はその後、合併・買収などで形を変えた企業が多くなっています。
上記50社の中では下記の17社が形を変えています。
- サンマイクロシステムズ(オラクルと合併)
- ベリタス・ソフトウェア(ファンドに買収)
- ネクステル・コミュニケーションズ(スプリントと合併)
- BEAシステムズ(オラクルと合併)
- シカモア・ネットワークス(上場廃止)
- パームインク(HPと合併)
- イミュネクス(アムジェンと合併)
- ジーベル・システムズ(オラクルと合併)
- アリバ(SAPと合併)
- エクソダス・コミュニケーションズ(チャプター11)
- スリーコム(HPと合併)
- TIBCOソフトウエア(ファンドに買収)
- ファウンドリーネットワークス(ブロケードコミュニケーションズと合併)
- テルラブス(ファンドに買収)
- メトロメディア・ファイバー・ネットワーク(ファンドに買収)
- Desert Community Bank(イースト・ウエスト・バンコープと合併)
- JDSユニフェース(ビアビ・ソリューションズと合併)
中にはエクソダス・コミュニケーションズのように時価総額が日本円で3兆円以上もあったにもかかわらず、1~2年後にはチャプター11を申請して破たんした企業もあります。
ITバブルピーク時の時価総額ランキング上位には赤字の企業やPERが100倍以上の銘柄が多く存在しており、まさにバブルといった感じでした。
特に1999年1月頃から2000年3月はIT関連・バイオ関連で短期間に10倍以上となる銘柄が続出しました。
ただし、この異常なピーク時でもアマゾンは230億ドル、アップルは209億ドルでした。
その後、両社とも1兆ドル企業になっています。
ナスダック時価総額ランキング【ITバブル崩壊後ボトム】(2002年10月10日ナスダック総合指数1,108ポイント)
ITバブルが崩壊した後、ナスダック総合指数は2002年10月10日にボトムをつけました。
下記はその時の時価総額ランキングです。
上記の通りITバブル時は赤字企業やPERが100倍以上の銘柄が当たり前の状況だったこともあり、バブルが崩壊してからの下落速度はとんでもなく速いものとなりました。
ナスダック総合指数はITバブルのピークからボトムまでは2年7ヶ月で78%の下落となりました。
上記の表をみるとマイクロソフトをはじめとして時価総額の上位銘柄は概ねランキングを維持していますが、2000年3月10日時点と比較すると時価総額は大きく減少しています。
マイクロソフトは5,070億ドル→2,488億ドルで約1/2以下、インテルは4,016億ドル→945億ドルで約1/4以下、シスコシステムズは4,521億ドル→710億ドルで1/6以下となっています。
下落幅がいかに凄かったかを物語っています。
ちなみにアマゾン・ドット・コムは2000年3月10日時点では時価総額230億ドルでナスダックの中で41位、アップルは時価総額209億ドルでナスダックの中で46位でした。(上記、2000年3月10日のランキングを参照)
2002年10月10日時点ではアマゾンは時価総額は71億ドルまで減少しましたがランキング31位、アップルは51億ドルで41位となっています。
2020年前後には、アマゾンの時価総額は1兆ドルを超え、アップルの時価総額は2兆ドルを超えました。
- ITバブル崩壊時の各資産クラスの最大下落率はこちらを参照:各資産の最大下落率(ITバブル崩壊)
ナスダック時価総額ランキング【コロナショック前ピーク】(2020年2月20日ナスダック総合指数9,817ポイント)
ナスダック総合指数は2020年2月20日にITバブルのピーク時を大きく上回る9,817ポイントまで上昇したこともあり、各銘柄の時価総額も大きなものとなっています。
特にマイクロソフト、アップル、アマゾン、アルファベット(グーグル)、フェイスブックの5社の時価総額はそれ以下と比較すると非常に大きなものとなっています。
マイクロソフト、アップル、アマゾン、アルファベット(グーグル)の4社の時価総額は1兆ドルを超える水準まで拡大しました。
また、同時期の全世界の時価総額ランキングを見ると1位がサウジアラムコ、2位~6位がマイクロソフト、アップル、アマゾン、アルファベット(グーグル)、フェイスブックとなっています。
サウジアラムコは特殊なケースですので、実質的にはナスダック上位5社が全世界でもトップ5ということになります。
- 全世界の株式時価総額のランキングはこちらを参照:マーケットピーク時の株式時価総額ランキング推移(2000年・2007年・直近)
ナスダック時価総額ランキング【コロナショック後ピーク】(2021年11月19日ナスダック総合指数16,057ポイント)
2020年2月~3月のコロナショックにより短期間の大幅下落を経験した後、世界的な異次元の金融緩和により世界の株式市場は大きく上昇しました。その中でも成長株が多く上場しているナスダック市場の上昇率は大きなものとなりました。
下記はナスダック総合指数の推移です。
- 2020年2月20日:9,817ポイント(コロナショック前の高値)
- 2020年3月23日:6,860ポイント(コロナショック時の安値)
- 2021年11月19日:16,057ポイント(コロナショック後の高値)
2021年11月19日の時価総額ランキングではアップル、マイクロソフトの時価総額が2兆ドルを超え、アルファベット、アマゾン、テスラが1兆ドルを超えています。
また、フェイスブック(メタ)、エヌビディアも1兆ドルに迫る水準まで時価総額が拡大しています。
上記掲載2020年2月20日(コロナショック前の高値)の時価総額ランキングと比較するとテスラの時価総額が大きく増加していることが確認できます。