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時価総額ランキング上位企業(1992年と2019年) / 世界は大きく変化・日本の地位は低下

2020年1月12日

世界の時価総額ランキングTOP50(1992年と2019年)

世界の時価総額トップ企業を1992年と2019年で比較すると銘柄も規模感も大きく変化しています。

これを見るとグローバルでは世の中が発展していることを実感することができます。

世界の時価総額ランキング(1992年と2019年)

世界の時価総額ランキング(1992年と2019年)②

下記に変化したポイントを解説付きで掲載します。

ちなみに、1位のサウジアラムコはサウジ証券取引所(タダウル)で発行済み株式数のほんの一部を公開しているだけなので、参考程度に見ていただければ結構です。

よって、実質的なランキングトップはアップルということになります。

IT企業が上位を独占

トップ10のうち、いわゆるGAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)とマイクロソフトの米国IT関連企業が5社、アリババ・テンセントの中国IT関連企業が2社がランクインしています。

グーグル・フェイズブック・アマゾン・アリババ・テンセントは1992年の時点ではまだ設立もされていません。

米国の5社は革新的なサービスを掲げ、グローバルに展開し、世界中で大きなシェアを獲得しています。

このような新しい企業が短期間で世界のトップ企業となるところに米国株式市場の魅力を感じます。

そして、中国の2社は人口が多い自国のビジネスを基盤として急成長を遂げてきました。

また、中国以外でも韓国のサムスン電子や台湾のTSMCなどがトップ50にランクインしています。

中国企業が大きく躍進

1992年のランキングでは中国企業は1社もランクインしていませんが、2019年には8社(アリババ・テンセント・中国工商銀行・中国平安保険・中国建設銀行・貴州茅台酒・中国農業銀行・チャイナモバイル)がランクインしています。

1990年代以降、中国は高い経済成長を実現し、世界第2位の経済大国となっています。

順調にいけば2020年代には米国を抜いて世界最大の経済大国になります。

中国は外資系企業に高い参入障壁を課し、国内企業を保護しながら、自国の経済成長を国内企業に還元することで大企業を育成してきました。

日本企業は大きく減少しトヨタのみに

1992年の時価総額世界トップ50には日本の企業が10社ランクインしていましたが、2019年では33位のトヨタ1社のみとなっています

7行がランクインしていた日本の大手銀行はその後、合併により規模が拡大されているはずですが、全てランキング外となっています。

例えば1992年の11位日本興業銀行・15位富士銀行・16位第一勧業銀行の3行が合併してできたのがみずほ銀行です。

1992年の3行の時価総額合計は1,299億ドル(ちなみに1989年は2,500億ドル以上)でしたが、現在のみずほFGの時価総額は395億ドルです。

しかも、現在のみずほFGは上記3行に加え、みずほ信託銀行(旧安田信託)やみずほ証券(旧和光証券・新日本証券・勧角証券)なども含まれています。さらに、2003年・2005年・2009年・2010年の大型増資で発行済み株式数は2.5倍になっています。

よって、株価は実質的に1/10以下になっています。(ピークから時価総額が1/6、株数が2.5倍)

逆に米銀は1992年は1社もランクインしていませんでしたが、2019年はJPモルガンチェース、バング・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、シティグループの4社がランクインしています。

そして、NTTは時価総額を拡大させました(713億ドル→1,000億ドル)が、相対的には伸びが小さく、ランキング外となりました。

時価総額の水準が大きく上昇した

1992年トップのエクソンモービルの時価総額は759億ドルでした。

2019年はサウジアラムコは例外としても、2位アップル、3位マイクロソフトが1兆ドル超えとなっています。

円ベース計算すると4位のアルファベット(グーグル)、5位のアマゾンで100兆円前後となります。

1992年と2019年では桁数が2ケタ違います。

ITバブル時の2000年やリーマンショック前の2007年は約5,000億ドルが上限でしたが、2010年代後半に入り、大手IT企業の時価総額が大きく拡大し、時価総額1兆ドル企業が誕生しました。

日本企業はトヨタを除くと10兆円が1つの壁になっていますが、グローバルでみると桁が1つ違うことが分かります。

ちなみに1992年トップである時価総額759億ドルは2019年のランキングでは160位前後となります。

M&Aにより時価総額が嵩上げされている点は注意が必要

上記の通り、時価総額は大きく拡大していますが、時価総額の増加は必ずしも株価の上昇によるものではないことに注意すべきです。

近年、M&Aの増加により個別企業の時価総額が大きくなりやすい状況にあります。

例えば、それぞれ「発行済み株式数1億株、株価1000円、時価総額1000億円」のA社とB社が対等合併すると、単純計算で「発行済み株式数2億株、株価1,000円、時価総額2,000億円」の企業が誕生します。

時価総額は増加しますが、投資家は1株1,000円の株式を持っていることに替わりはありませんので、儲かっている訳ではありません。

このようなケースが特に欧米の企業で多くなっています。

上記で触れた日本のメガバンクだけでなく米国の大手金融機関(バンカメとメリルリンチなど)も数多く合併しています。

また、金融機関だけでなく、オラクルがサンマイクロシステムズを買収するなどIT大手の合併も増えています。

このような理由で時価総額自体が大きくなっている可能性がある点は注意が必要です。

一方、大手企業がベンチャー企業を現金で買収するケースは発行済み株式数が増えませんので問題ありません。

アマゾンやグーグル、フェイスブックは多くのベンチャー企業を買収しています。

ただし、買収先の株主に新株を渡して買収するケースでは株数が増加するので注意が必要です。

例えばユーチューブやインスタグラムは共に上場前にグーグルとフェイスブックに買収されました。

時価総額の観点ではアルファベット(グーグル)とフェイスブックの中に含まれています。

これらのM&Aでは現金に加えて新株を渡して買収していますので、アルファベット(グーグル)とフェイスブックの既存株主は時価総額の拡大分がそのまま利益になっている訳ではありません。

日本の時価総額ランキングTOP20(1992年と2019年)

日本の時価総額ランキングは、前回2016年に比較した時は1992年と2016年でほとんど変化がないと掲載しましたが、3年前よりは新しい銘柄が増えている印象です。

それでも物足りない変化ではあります。

日本の時価総額ランキング(1992年と2019年)

<1992年も2019年もランクインした銘柄>

  • トヨタ自動車、NTT、ソニー、三菱UFJFG、任天堂、三井住友FG

<1992年にはランク外で2019年にランクインした銘柄>

  • NTTドコモ、ソフトバング・グループ、キーエンス、KDDI、ソフトバンク、リクルート・ファーストリテイリング、武田薬品工業、中外製薬、本田技研工業、オリエンタルランド、第一三共、信越化学工業、JT

本当の意味で新しいといえるのはキーエンス、リクルート、ファーストリテイリング、オリエンタルランド、信越化学工業です。

また、製薬会社が2社ランクインしていますが、中外製薬はロッシュ傘下になり大きく株価が上昇しているのに対し、武田薬品工業は合併で時価総額が拡大しただけで、株価は上昇していません。

そして、上記でも触れましたが、日本の大手銀行の時価総額減少は著しいです。

上記で紹介したみずほFGは日本のトップ20から初めて外れています。

世界ランキング上位のGAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)のように革新的なビジネスモデルでグローバルに展開する企業が少ないことが時価総額が大きく伸びない要因です。

日本人の生活スタイルを見ても、iPhoneを使い、買い物はアマゾン、分からないことがあればグーグルで検索し、フェイスブックやインスタグラム・YouTubeを見る時間が増えています。

全て米国企業のサービスです。

米国の企業は革新的な技術により生活スタイルを変えるようなイノベーションを起こすことで大きな成長を遂げていますが、今のところ日本ではそのような企業は見当たりません。

今後、日本初のグローバル企業が出てくることを期待したいと思います。

ちなみに1992年12月末から2019年12月末で日経平均は約40%の上昇となっていますが、S&P500指数は約7.4倍となっています。



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