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米国ハイイールド債・新興国国債・投資適格社債の利回り・スプレッド長期推移

2019年9月30日

こちらのページでは米ドル建てクレジット債券の中で最も代表的な「米国ハイイールド債・新興国国債・投資適格社債」について掲載しています。

それぞれの概要から利回り・スプレッドの比較チャートまで幅広く掲載しておりますので参考にしてください。

それではまず、米国ハイイールド債・新興国国債・投資適格社債の概要から始めます。

米国ハイイールド債・新興国国債・投資適格社債の概要

米国ハイイールド債・新興国国債・投資適格社債は米ドル建てクレジット債の中で最も基本的な債券です。

それぞれの概要を簡潔にまとめるとこのような形になります。

米国ハイイールド債は非投資適格級(BB格以下)の社券です。インデックスベースの平均格付けはB~BB格です。

新興国国債は新興国が発行する米ドル建て債券です。格付けは国ごとに大きく異なりますがインデックスベースの平均格付けはBB~BBB格です。

投資適格社債は投資適格級(BBB格以上)の社債です。インデックスベースの平均格付けはBBB~A格です。

下記ではハイイールド債・新興国国債・投資適格社債の最終利回りとスプレッドの長期推移を掲載しています。

ここでのスプレッドは5年米国債に対する利回り差を使用しています。

各債券のインデックスは下記を使用しています。

  • 米国ハイイールド債:Bloomberg Barclays us Corporate High Yield Statistics Index
  • 米ドル建て新興国国債:Bloomberg Barclays EM USD Aggregate Statistics Index
  • 米ドル建て投資適格社債:Bloomberg Barclays us Agg Baa Statistics Index

債券を分析する際はベース金利(ここでは5年米国債利回り)とスプレッドの両方を確認する必要があります。

  • 債券利回り=ベース金利+スプレッド

ベース金利が上昇すると債券価格は下落します。同じくスプレッドが拡大すると債券価格は下落します。

よって、クレジット関連の債券に投資する際はベース金利の見通しとスプレッドの水準をしっかり把握する必要があります。

ベストなタイミングはベース金利がそれほど上昇しそうもない環境で、かつ、スプレッドが大きく拡大している時です。

数年に1度はおいしい局面がありますので、定期的に下記のチャートで利回りやスプレッドの水準を確認することをお勧めします。

米国ハイイールド債の利回りとスプレッドの長期推移

米国ハイイールド債の最終利回りと5年米国債対比のスプレッドです。

米国ハイイールド債利回り・スプレッドチャート

米国ハイイールド債のスプレッドが最も縮小したのは1997年と2007年で共に2.6%前後まで縮小(タイトニング)しました。

逆にリーマンショック後の2008年11月にはスプレッドが約20%まで拡大(ワイドニング)しました。

このリーマンショック時を除くとマーケットにストレスがかかった場合、スプレッドは7%~10%まで拡大しているのが確認できます

よって、米国ハイイールド債の場合、スプレッドが7%~10%まで拡大した時は投資を検討するタイミングと言えます。

ベース金利(ここでは5年米国債利回り)の見通しも検討する必要はありますが、スプレッドが7%~10%の水準で投資していれば、その後にリーマンショック時のようなことが発生しても、我慢して持ち続けることで結果として良い投資になる確率が高いと思われます。

スプレッドが3%~5%の範囲で推移する時期が多くなっていますが、この水準はやや中途半端なので注意が必要です。

近年、ハイイールド債は原油価格が下落するとスプレッドが拡大するケースが増えています。

これはエネルギーセクターのデフォルト率上昇を懸念して売られることが要因ですが、その後、原油価格が落ち着けばスプレッドも縮小します。

新興国国債(米ドル建て)の利回りとスプレッドの長期推移

新興国国債(米ドル建て)の最終利回りと5年米国債対比のスプレッドです。

新興国国債利回り・スプレッドチャート

新興国国債のスプレッドが最も縮小したのは2006年~2007年で2%以下まで縮小しました。

この時期は新興国株式(特にBRICs)が大きく値上がりしてブームになっていたこともあり、新興国に対するリスクが低く認識されていたと考えられます。

逆に新興国国債のスプレッドが最も拡大したのは1994年・1998年・2001年・2002年・2008年で10%前後の水準まで拡大しています。

一般的に他の債券はリーマンショック時(2008年)に最も信用リスクが大きくなりスプレッドが過去最高となっていますが、新興国国債はそこまでのスプレッド拡大とはなっていません。

さらに、リーマンショック以降は過去と比べてスプレッドの水準が低下しています。

これは新興国の経済成長や国の安定性の高まりから、徐々に新興国国債自体の信用力が上がっている為と考えられます。

今後、何らかのショックが発生しても、スプレッドが10%を超える可能性は低いと考えらます。

当面はスプレッドが5%を超えてくれば投資を検討するタイミングとして良いと思われます。

投資適格社債(米ドル建て)の利回りとスプレッドの長期推移

投資適格社債(米ドル建て)の最終利回りと5年米国債対比のスプレッドです。

投資適格社債利回り・スプレッドチャート

投資適格社債のスプレッドの動きは概ねハイイールド債と同じような形となっています。

もちろん格付けが高い分、スプレッドは小さくなっています。

投資適格社債の場合は、スプレッドが3%前後になれば投資を検討するタイミングとして良いと思われます。

S&PとムーディーズでBBB格以上の企業はかなり高い信用力があると考えて問題ありません。

ただし、過去にもあったように粉飾決算や急激な業績の変化で元々BBB格以上でも、その後にデフォルトするケースは稀に発生します。

その点、ETFなどを活用して指数ベースで投資すれば、そのようなリスクは軽減できますのでおすすめです。

米国ハイイールド債・新興国国債・投資適格社債の比較チャート

こちらでは米国ハイイールド債・新興国国債・投資適格社債の利回り推移を比較しやすいように1つにまとめて掲載しています。

ハイイールド債・新興国国債・投資適格社債利回り比較チャート

上記でも触れましたが、新興国国債の利回りが相対的に低下しているのが良く分かります。

新興国の信用力が徐々にアップし全体の格付けが上昇、スプレッドが縮小(タイトニング)しています。

また、ベース金利が長期低下傾向ということもあり、スプレッドを含めた最終利回りも全ての債券で長期低下傾向となっています。

裏を返せば、債券マーケットは長期に渡り非常に良い環境で推移してきたことになります。

米国ハイイールド債と新興国国債の最終利回りは一見、同じように動いているように見えますが、例えば2015年前後にハイイールド債の利回りが上昇した際は、新興国国債の利回りはそれ程変化していません。

この時、ハイイールド債の利回りが上昇(債券価格が下落)した理由は原油価格の下落によるエネルギーセクターのデフォルト発生懸念でした。

しかし、新興国国債はエネルギーセクターのデフォルトが増えてもほとんど関係ないことからこのような差がでました。

これは裏を返すと米国ハイイールド債と新興国国債は同時に保有することで高い分散効果が得られるという事になります。



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