こちらのページでおススメしている新興国株式ETFは「iシェアーズ・コアMSCIエマージング・マーケットETF(IEMG)」です。
「iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF(EEM)」ではありません。
名前が似ていますが異なるETFですので注意してください。
- iシェアーズ・コアMSCIエマージング・マーケットETF(IEMG)【こちらがおススメ】
- iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF(EEM)
新興国株式全般に投資するETFとしては「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」をベンチマークとする「iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF(EEM)」が有名ですが、コストやパフォーマンスを総合的に勘案すると「iシェアーズ・コアMSCIエマージング・マーケットETF(IEMG)」がベストです。
詳細は下記をご覧ください。
iシェアーズ・コアMSCIエマージング・マーケットETF【IEMG】の概要
「iシェアーズ・コアMSCIエマージング・マーケットETF(IEMG)」のベンチマークは「MSCIエマージング・マーケッツIMIインデックス」です。
「IMI」は「Investable Market Index」の略で投資可能な大型株・中型株・小型株をすべて網羅するという意味で使用されています。
つまり「iシェアーズ・コアMSCIエマージング・マーケットETF(IEMG)」の投資対象は新興国の大型株・中型株・小型株ということになります。
「iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF(EEM)」のベンチマークである「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」は大型株・中型株が投資対象となっていますので、「iシェアーズ・コアMSCIエマージング・マーケットETF(IEMG)」と「iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF(EEM)」の違いは小型株を含むか否かという点になります。
また、「IEMG」には同じベンチマークで東証に上場している「iシェアーズ・コアMSCI新興国株ETF (1658)」というETFも存在します。
ただし、海外資産の国内ETFは乖離のリスクがあることから、基本的には海外上場の「IEMG」がおススメです。
信託報酬も「1658」より「IEMG」が低くなっています。
- 国内ETF・海外ETFのメリット・デメリットはこちらを参照:日本から買えるETFは国内ETFと金融庁登録された海外ETF
下記では「iシェアーズ・コアMSCIエマージング・マーケットETF(IEMG)」と「iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF(EEM)」を比較していますのでご覧ください。
「コアMSCIエマージング・マーケットETF(IEMG)」と「MSCIエマージング・マーケットETF(EEM)」の比較
まずは、「IEMG」と「EEM」の比較表です。
「IEMG」と「EEM」の構成国は同じで、違いは小型株が含まれるか否かのみです。
また、組み入れ上位銘柄は構成比率が若干異なるだけで、銘柄と順位は基本的にほぼ同じになります。
そのため、パフォーマンスもほぼ同じになるはずです。
ただし、コスト(信託報酬)はやや異なります。(上記の表を参照)
念のためにパフォーマンスを比較します。
ほとんど同じ動きです。
収益率は「iシェアーズ・コアMSCIエマージング・マーケットETF(IEMG)」の方が若干上回っています。
これは、銘柄による差もありますが、コストの違いによる部分も大きいと考えられます。
ただし、1つだけ注意すべきは新型コロナウイルスの影響で株式市場が大きく下落した2020年3月には両ETFのリターンの差が小さくなっています。
これは「IEMG」が小型株まで含まれるため、マーケット下落時には下落率が大きくなっていると考えられます。
そのためボラティリティは「IEMG」の方が高いと理解してください。
- 「EEMG」についての最新データはブラックロックの公式サイトをご覧ください:iシェアーズ・コアMSCIエマージング・マーケットETF(IEMG)
【参考】MSCIエマージングの構成国の変化について
こちらでは参考として「MSGIエマージング・マーケッツIMIインデックス」「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」の構成国の変化を掲載します。
MSCIエマージングは1988年から算出されており、当初は10ヶ国からスタートしています。
2024年時点では24ヶ国となっています。
1998年と2024年の構成国の一覧です。
MSCIのインデックスは先進国・新興国・フロンティア市場に分かれています。
- 先進国:MSCIワールド
- 新興国:MSCIエマージング
- フロンティア市場:MSCIフロンティア
直近の昇格国は下記のとおりです。
- 2014年5月:カタールとUAEがフロンティアからエマージングヘ
- 2017年5月:パキスタンがフロンティアからエマージングへ
- 2020年5月:クウェートがフロンティアからエマージングヘ
逆に除外になる銘柄もあります。
- 2021年:パキスタン・アルゼンチンがMSCIエマージングから除外
- 2022年:ロシアがMSCIエマージングから除外
「iシェアーズ・コアMSCIエマージング・マーケットETF(IEMG)」が新興国株式ETFでベストな理由のまとめ
- 指数として有名なのはMSCIエマージングだが、「IEMG」のベンチマークである「MSCIエマージング・マーケッツIMIインデックス」は構成銘柄・パフォーマンスがほぼ同じで、中身の違いは小型が含まれるか否かのみ
- コストはMSCIエマージングをベンチマークとする「EEM」より「IEMG」の方がかなり低い
- 「新興国の小型株はリスクが高いから少しでも含まれるのはイヤ」という事でなければ、コストが安い「IEMG」がベスト
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