ファイナンシャルスター

株式・債券・為替・REIT・投信・会計・税制など Copyright©2016-2021 financial star

お役立ちデータ(株式)

一目で分かる日本株の部門別売買状況と保有状況(長期推移)

こちらのページては日本株の「部門別売買状況」と「部門別保有状況」について時系列データとポイントを掲載します。

外国人投資家は1990年代以降、日本株を大きく買い越し、日本株の30%以上を保有するまでになりましたが、2015年を境に売り越し基調となっています。

日本株が「お腹いっぱい」になっていそうな点は少し心配です。

日本株の部門別売買状況(長期推移2006年~2020年)

※データは東証一部(単位:兆円)、委託注文の主要な部門のみ掲載

日本株の部門別売買状況(2006年以降の時系列データ)

日本株売買状況のポイントについて箇条書きで掲載します。

日本株売買状況の全体的なトレンド

  • 「個人」は2006年以降、ほぼ一貫して売り越している
  • 「外国人」は2014年までは買い越していたが、2015年以降は売り越しトレンドに転換している
  • 2013年以降行われている「日銀のETF買い」について、部門別売買状況では証券会社の「自己売買」にカウントされるため上記には含まれていない(一般的に報道される「日本株の部門別売買状況」は「自己」「委託」のうち「委託」における部門別の売買状況である)
  • 日銀のETF買いの金額は、「2013年~:年間1兆円」「2014年~:年間3兆円」「2016年~:年間6兆円」「2020年~:年間12兆円」が上限となっている

「外国人」の日本株売買状況

  • 上記表には掲載していないが、小泉元首相による構造改革期待から2005年に10兆円以上買い越し、2006年~2007年も含めると、2005年~2007年の3年間で20兆円買い越した。
  • アベノミクスの2013年には15兆円の買い越し。
  • 2014年までは比率はそれほど大きくないと思われるが、産油国のソブリンウエルスファンド(SWF)が一貫して買い越していた模様。2015年以降は外国人投資家が売り越し基調となっているが、これは原油価格の下落で産油国からの流入が減ったことも要因である。
  • 2018年は過去13年間で最大の売り越しとなった
  • 2020年は日本株が大きく上昇した11月・12月は買い越したが、年間トータルでは売り越しとなった

「個人」の日本株売買状況

  • 個人については新規公開(IPO)や公募増資(PO)による取得は買いに入っていないため、実際より売り越し額が大きく表示されていることになる。
  • 逆張りの傾向が強く、日本株が下落した年は買いが増加、上昇した年は売りが増加する

「事業法人」の日本株売買状況

  • 以前のように持ち合いで株式を購入するケースは少ない。
  • 「事業法人」の売りは持ち合い解消、買いは自社株買いがメインとなっている。
  • 2014年、2015年、2016年はコーポレートガバナンスコード・スチュワードシップコードの制定の影響もありROE経営にシフトする会社が多く、ROEを高める手段として自社株買いが増加した。
  • 自社株買いについてはこちらを参照:自社株買いの重要なポイントを全て分かりやすく解説

「信託銀行」の日本株売買状況

  • 年金の売買が中心。
  • 2013年までは日本株が下落すると、ポートフォリオの日本株比率が低下するので買い、日本株市場が上昇すると売りという、リバランス取引が多かった。
  • 2014年に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用の基本ポートフォリオ(資産構成割合)を見直しを行い、日本株の比率が12%→25%に引き上げられたことで、2014年と2015年はマーケットが上昇したにもかかわらず大幅な買い越しとなった
  •  GPIF基本ポートフォリオ(資産構成割合)の変更(2014/10/31)
    • 国内債券60%±8%⇒35%±10%
    • 国内株式12%±6%⇒25%±9%
    • 外国債券11%±5%⇒15%±4%
    • 外国株式12%±5%⇒25%±8%
    • 短期金融資産5%⇒0%
    • 株式比率24%・外貨比率23%⇒株式比率50%・外貨比率40%と大幅にリスク許容度を上げたポートフォリオに変更した
  • GPIFの基本ポートフォリオの変遷はこちらを参照:GPIFの役割とポートフォリオの変化

「生損保」「都銀・地銀」の日本株売買状況

  • 持ち合い解消で長期的に売り越しを継続

日本株の部門別保有状況(長期推移1990年~2020年)

日本株の部門別保有状況

日本株保有状況についてポイントを箇条書きで掲載します。

  • 「外国人」は1990年3月は4.2%しか保有がなかったが、2015年3月には31.7%超まで上昇した。日本株の時価総額は1990年3月末が約480兆円、2018年3月が575兆円であり、外国人投資家は約20兆円の保有が約180兆円まで拡大した計算になる。そのため、2015年頃から外国人投資家は日本株がお腹いっぱいになっている可能性がある。
  • 逆に「事業法人と都銀・地銀」を合計した持ち合い株は1990年頃には約45%を占めていたが、現在は持ち合い解消が進み約25%まで低下している。これは合理的な経営をそれほど望まない投資家が減少し、合理的な投資家(純粋な投資家)にシフトしていることを意味しており、日本株式市場にとってはプラスと言える。
  • 事業法人の数字がそれほど減少していない理由:①自社株買いで取得した株式を金庫株として保有している会社が増加、②オーナー系企業の場合、資産管理会社で保有するケースが増加、③親子上場が増加
  • 「信託銀行」は投信や年金が含まれている
  • 上記にはデータがないが「個人」は1970年頃は40%近く保有していた。1990年~2020年は個人株主数は増えているが、保有金額ベースでは15%~20%前後となっている。
  • 売買状況では個人は大幅な売り越しが続いていたにも関わらず、保有比率がそれほど低下していないのはIPO・POでの購入は売買状況の買いにカウントされない事が影響している
  • 日経平均の長期チャートと変動要因の解説はこちらをご覧ください:日本株(日経平均)とドル円レート長期推移(チャート・変動要因)
  • 日本の株式時価総額ランキングの変化についてはこちらをご覧ください:日本の株式時価総額ランキングの変化(1989年・2000年・2009年・直近)



-お役立ちデータ(株式)
-