金融に関するイベント(出来事)一覧
世界の金融市場で起こった重要な出来事を忘備録として掲載しています。
投資を行う上で、過去の主要な出来事を知っておくことは非常に重要です。
1987年10月:ブラックマンデー
- 1987年10月19日(月)NYダウが1日の下落率としては過去最高の22.6%の下落となった
- 日経平均は3836円安で下落率は-14.9%
- ブラックマンデー時の各アセットクラスの下落率はこちら:各資産の最大下落率(ブラックマンデー)
1997年5月:アジア通貨危機
- 当初タイバーツの急落から始まり、韓国ウォン、マレーシアリンギ、インドネシアルピア等にも影響が拡大していった
- タイバーツはヘッジファンド等から大量の売りを浴びせられ、タイ中央銀行はタイバーツ買いの為替介入を行ったが外貨準備が枯渇して買い支えることができなくなった
- 当時、多くのアジア通貨はドルペッグ制を採用していたが、変動相場制(管理フロート制)への移行を余儀なくされ、各通貨は大きく下落した
- インドネシアルピアの長期チャートはこちら:インドネシアルピア為替レート(円/ルピア・ルピア/ドル)長期推移(チャート・変動要因)
1998年8月:ロシア危機
- ロシア国債の一部デフォルト、ロシアルーブルの大幅切り下げを行った。
- アジア通貨危機による世界的な需要減により、ロシアの収入の大部分を占める資源の価格が大幅に下落したことが要因。
- ノーベル経済学賞受賞者を中心に設立された大手ヘッジファンドLTCMはロシア国債買いのポジションを多く保有していたことが原因で破たんし、世界の金融マーケットに大きなインパクトを与えた。
- アジア通貨危機及びロシア危機時の各アセットクラスの下落率はこちら:各資産の最大下落率(アジア通貨危機・ロシア危機)
1999年~2000年:ITバブルの発生と崩壊
- インターネットの広まりと金融緩和が重なって、IT関連株が短期間に大幅上昇した。しかし、その後は大幅下落。
- ナスダック総合指数の推移
- 1998/10/15:1,357
- 2000/3/13:5,027
- 2001/9/25:1,480
- JASDAQインデックスの推移
- 1998/10/15:23
- 2000/2/22:130
- 2001/9/17:41
- ITバブル崩壊時の各アセットクラスの下落率はこちら:各資産の最大下落率(ITバブル崩壊)
2000年4月15日:日経平均の30銘柄同時入替
- 日経平均は従来から重厚長大企業に偏っており、ハイテク企業は少なく時代遅れの指数とも言われ始めていた。
- 1999年から始まったITバブルの影響もあり、日本経済新聞社は銘柄の大幅入れ替えを決断。
- 発表から組み入れ日までの5営業日で新規組み入れの30銘柄は大幅上昇したが、需給だけで短期間に上昇しただけで、指数組み入れ後は下落した。
- この時の銘柄入替の影響で日経平均は10%低くなっているといわれている。
- 詳細はこちらを参照:2000年4月の30銘柄入替で日経平均は10%は低く見えている
2001年9月10日:J-REIT市場が誕生
- 日本ビルファンド(8951)、ジャパン・リアル・エステート(8952)が新規上場
2001年9月11日:米国同時多発テロ
- 米国株式市場は4営業日クローズし、翌週の9/17に取引が再開
2003年5月17日:りそな銀行に対し2兆円の公的資金注入を決定
- 金融不安の解消により日経平均は当時の最安値である7,607円(2003/4/28)から大幅に反発し、2003年7月には1万円を突破した。
2003年6月:VaRショック
- 2003年6月~8月にかけて10年国債利回りが0.4%から1.7%まで急上昇したことにより、国債価格が大幅下落した。
- VaR(バリュー・アット・リスク)は予想最大損失率を意味し、多くの銀行が有価証券運用を行う際に採用しているリスク管理手法である。
- 国債のボラティリィ(変動率)が上昇したことで、リスク管理上、銀行が保有できる国債の金額が減少→国債売却→さらにボラティリティが上昇→国債売却といった形で、売りが売りを呼び大きく下落した。
2005年9月11日:郵政解散総選挙で小泉政権が圧勝
- 2005/8/8に郵政民営化を争点として解散総選挙を発表。この前後で国内の改革期待から株式は上昇。
- 2005年6月に11,000円前後であった日経平均は2006年3月には17,000円超まで上昇(2007年3月には18,000円)。
2007年8月:パリバショック
- フランスの大手銀行BNPパリバ傘下のミューチュアルファンドが解約の凍結を発表。
- サブプライムローン関連を含む証券化商品に投資していたファンド。
- 2006年頃からサブプライムローンに関する悪い情報がマーケットで聞かれるようになっていたが、それまではそれほど大きく問題視されていなかった。
- パリバショックによりサブプライムローンに対する不安が表面化し、翌年のリーマンショックの引き金となった。
2008年3月:米国大手証券ベアスターンズが実質的に破たん
- 公的資金注入後、JPモルガンが買収
2008年9月15日:リーマンショック
- 当時、米投資銀行第5位であったベアスターンズは2008年3月公的資金を活用し救済された(後にJPモルガンに買収)
- また同じ2008年9月に住宅金融公社のファニーメイ、フレディーマックが公的資金を使って救済を受けており、市場では大手金融機関は破たんさせないだろうとの見方が広がっていた。
- しかし米投資銀行第4位のリーマンブラザーズは公的資金が使われず、連邦破産法11条(チャプター11)を申請し、破たんが決定したことで市場に混乱が広がった。
- リーマンを破たんさせたことで、同様に経営難であるが最後は米国政府が守るとみられていた大手保険グループAIGに対する市場の見方が厳しくなり、資金繰りが逼迫。米国政府は直前まで金融支援を否定していたが、リーマン破綻後、数日間の危機の深刻化を受けて最終的にはAIGに対し公的資金を活用して救済した。
- 株式をはじめとする金融マーケットの混乱は2009年3月頃まで続いた。
- リーマンショック時の各アセットクラスの下落率はこちら:各資産の最大下落率(リーマンショック)
2008年~2019年:米国の量的金融緩和(QE1~QE3)とその後のテーパリング・利上げ・FRBバランスシート縮小
- 2008年10月:リーマンショックを受け、FRBが量的金融緩和政策第1弾(QE1)を開始
- 2010年11月:追加の量的金融緩和(QE2)を開始
- 2012年9月:さらに追加の量的金融緩和(QE3)を開始
- 2014年1月~10月:テーパリング(FRBが債券購入額を徐々に縮小し、2014年10月には新規買入れは停止。その後は償還分のみ購入し、バランスシートは横ばいに。)
- 2015年12月~2018年12月:FRBが利上げを開始し、ゼロ金利を解除。2018年12月にはFFレートが2.5%となった。
- 2017年10月~2019年9月:FRBのバランスシート縮小
- 2019年7月:利下げ開始
- FRBバランスシートの推移はこちらを参照:日米中央銀行(FRB・日銀)のバランスシート(資産残高)推移 / ドル円レートに影響も
2009年10月~2012年7月:欧州債務危機(ギリシャショック)
- ギリシャの財政粉飾発覚による債務問題から始まり、これがアイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアへと波及し、欧州全体の債務問題となり、世界の金融市場を混乱させた。
- 2009年10月:政権交代によりギリシャの財政粉飾が表面化
- 2009年12月:ギリシャの格付けA-→BBB+
- 2010年4月:ギリシャの格付けBBB+→BB+
- 2010年6月:EFSF(欧州金融安定ファシリティ)設立、ギリシャの第一次支援を決定
- 2011年10月:ベルギーの大手銀行デクシアが破たん(ギリシャ国債を多く保有)
- 2012年2月:ギリシャの第二次支援を決定
- 2012年7月:スペインの支援を決定
- 欧州債務危機時の各アセットクラスの下落率はこちら:各資産の最大下落率(欧州債務危機)
2011年3月11日:東日本大震災
- 2011年3月11日の14時46分に地震が発生
- 当日は朝から日本株は小安く推移していた
- 地震発生後は売り物が増加したが極端な下落にはならず、地震発生後の追加の下落幅は日経平均で100円程度で、終値は前日比179円安の10,254円
- 週が明けた3/14は633円安の9,620円
- 3/15は福島第一原発の放射線量の増加が嫌気され日経平均は1015円安の8,605円まで下落した
2012年12月26日:第2次安倍内閣発足、アベノミクスがスタート
- 第1次安倍内閣は2006/9/26~2007/9/26で終了していた
- 第2次安倍内閣では「3本の矢」を柱とする経済政策を行うことを宣言
- 3本の矢=①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起する成長戦略
2013年4月4日:黒田日銀の金融緩和がスタート(黒田バズーカ第1弾)
- 2%のインフレ目標を導入(厳密にはインフレ目標は2013年1月の金融政策決定会合で決定していた)
- インフレ率の目標を2%とする理由はこちら:日銀はなぜ2%のインフレを目標とするのか?理由は円高トレンド是正と財政再建
- 国債を年50兆円ペースで購入(2012年末89兆円の保有額を2年で190兆円にする)
- ETFを年1兆円、J-REITを年300億円買い入れ
2014年10月31日:黒田バズーカ第2弾
- 国債買い入れを年50兆円→年80兆円に拡大
- ETFを年3兆円、J-REIT900億円とこれまでの3倍の買い入れペースとした
- (その後、2016/7/29にETFの買入れを年間6兆円に増額した)
2016年1月29日:黒田バズーカ第3弾
- マイナス金利導入(日銀当座預金の一部で-0.1%を適用する、これまで日銀当座預金は全て+0.1%だった)
- 2016年9月にイールドカーブコントロールを導入し、短期金利はマイナス、長期金利は0%前後に誘導(イールドカーブコントロールについてはこちらを参照:イールドカーブについての分かりやすくて詳しい説明)
2015年5月~2016年2月:チャイナショック(原油価格の大幅下落)
- 2014年前半~2015年前半は中国株が大きく上昇してバリュエーションが高い状況だった
- そこに、景気減速懸念や債務問題が重なり、中国の株式市場は大きく下落した
- この期間中、原油価格も大きく下落した。2014年8月頃まで1バレル=100ドル台をキープしていた原油価格は、その後下落トレンドとなり、2016年2月には1バレル=約26ドルまで下落した
- 中国株の推移はこちら:新興国株式市場(中国・インド・ブラジル・ロシア)の長期推移
- 原油価格の推移はこちら:WTI原油スポット価格 長期推移(チャート・変動要因)
2016年6月23日:Brexit
- 英国での国民投票により当初、否決されると思われていたEU離脱(Brexit)が可決された
2016年11月8日:トランプ大統領誕生
- アメリカ合衆国大統領選挙で本命と見られていたヒラリ・クリントンを破り、トランプ氏が当選
- 当初、トランプ氏が当選した場合はマーケットがリスクオフになると言われていたが、結果的に株高・金利高となった
2018年10月:米中貿易摩擦(米中貿易戦争)が深刻化
- 2018年春ごろから徐々に問題が深刻化
- 互いに関税の対象製品の拡大と関税の引き上げを進めた
- 2018年末にはアメリカは中国製品の約50%、中国はアメリカ製品の約70%に関税をかける関税合戦となった
- 2018年10月~2018年12月は世界的に株安となり、米国株(S&P500指数)も約20%の下落となった
2020年2月:コロナショック
- 2020年2月から新型コロナウイルスが世界的に広がりマーケットは混乱した
- 2020年3月11日にWHO(世界保健機関)が「パンデミック」と表明
- 2020年3月21日時点で世界160ヶ国以上に広がり、死者は1万3,000人
- 米国株(S&P500指数)の下落は約34%とリーマンショック時以来の大幅下落となった。株式市場のボトムは2020年3月20日前後。
- 2020年4月にはWTI原油先物が一時マイナスとなった
2020年3月16日:黒田バズーカ第4弾
- ETFを年12兆円、J-REIT1,800億円とこれまでの2倍の買い入れペースとした
- 国債買い入れは2020年4月に80兆円の上限を撤廃し、「当面、さらに積極的な買い入れを行う」という表現に変更した
2020年11月:バイデン大統領誕生
- トランプ前大統領と大接戦の末、大統領選に勝利
- 就任時に歴代最高齢となる78歳の大統領となった
2021年~2023年:世界的な高インフレと金利上昇
- 米国では2021年4月頃からCPIが急上昇したが、FRBは当初「高インフレは一時的で近い将来終息する」との見方であった
- しかし、2022年に入っても高インフレは収まらず、2022年3月から利上げを開始した(2022年3月:FFレートを0.25%→0.5%)
- 米国CPIのピークは2022年6月の9.1%
- FFレートは2023年5月には5.25%まで上昇した
- FFレートとCPIの比較チャートはこちらを参照:金利とインフレ率推移(チャート・変動要因)【①先進国】
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