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ドル円レート長期推移1971~(チャート・変動要因)

2017年5月18日

こちらのページでは為替レートの中で最も注目されるドル円レートの推移とその変動要因を掲載しています。

変動相場制移行後の「ドル円為替レートの歴史」を全て確認することができます。

下記では、まず最初にドル円レートの1971年から現在までの長期チャートを掲載し、大きなトレンドを把握していただきます。

その後、10年ごとにチャートを分割し、ドル円チャートとドル円レートを動かした変動要因を掲載しています。

変動要因は箇条書きで記載しています。

それでは最初にドル円レートの長期推移です。

ドル円為替レートの長期チャート(1971年3月~)

ドル円レート長期レート

【変動相場制以前の解説(上記チャートより以前)

  • 1816年~1914年は金本位制で英ポンドが基軸通貨となっていた
  • 第一次世界大戦開戦(1914年~)から第二次世界大戦終戦(~1945年)までは世界恐慌(1929年)などもあり、世界経済が混乱する中で英ポンドの地位が徐々に低下し、米ドルが基軸通貨として台頭してきた。
  • 1944年~1971年まではいわゆる「ブレトンウッズ体制」が続いた。ブレトンウッズホテルに連合国の代表が集まって決定した国際通貨制度で、米ドルだけが金と交換比率を固定し、他の通貨は米ドルとの交換比率を固定するもの。金本位制とほぼ同じに見えるが、米ドル以外は直接金との交換ができず、国際的な通貨決済は米ドルを中心に行われる点が金本位制と大きく異なる。「金・ドル本位制」と呼ばれることもある。この時点で米ドルが完全に基軸通貨の地位を確立した。
  • 1971年8月のニクソンショックによりアメリカは米ドルと金の交換を停止し、ブレトンウッズ体制が終了した。
  • その後、主要通貨は変動相場制へ移行していくことになる

【変動相場制移行後の解説(上記チャート部分)

  • ドル円レートは1971年まで続いた1ドル=360円の固定相場から2011年10月31日にはドル円の過去最高値となる1ドル=75円32銭まで円高トレンドとなった
  • 長期的に円高ドル安トレンドとなっている要因として日米のインフレ率の差があげられる(多くの期間で米国は日本より高いインフレ率)
  • 一物一価の法則である購買力平価の理論では、2か国間のインフレ率の差は通貨で調整される(インフレ率が高いと通貨は安くなる→ドル円ではドルが安くなる)
  • また、インフレ率が高いと実質金利の低下を招き、これも通貨安の要因となる
  • 大きな円高トレンドは日本が低インフレ下での高い経済成長を続けたことが要因と考えられる
  • インフレ率と為替レートの関係はこちらをご覧ください為替レートの予想・分析は実質金利差・購買力平価を活用

チャートを10年ごとに区切った詳細な説明は下記を参照。

ドル円為替チャートと変動要因(1970年代)

ドル円レート1970

  • 1949年4月25日~1971年4月まで1ドル=360円の固定相場制
  • 1971年8月、ニクソン米大統領は8月に米ドルの金交換停止等を発表(ニクソンショック)
  • 1971年12月、スミソニアン会議で主要国通貨の対ドル・レートが調整されドル円レートは1ドル= 308円に設定される。変動幅は上下2.25%に設定(314.93円~301.70円)
  • 1973年2月から変動相場制に移行
  • 変動相場制移行は1ドル=260円台まで円が急伸したが、1973年10月に発生した第一次石油ショックをきっかけに1ドル=300円前後まで円安ドル高が進んだ
  • 1976年~1978年にかけては日本の貿易黒字の拡大、米国の貿易赤字の拡大が要因となり1ドル=300円前後から1ドル=180円前後まで大幅に円高が進んだ
  • 1978年11月、インフレ率高騰を落ち着かせる目的で、カーター大統領からドル防衛策が発表され(カーターショック)、1ドル=250円前後まで円安ドル高が進行

ドル円為替チャートと変動要因(1980年代)

ドル円チャート(1980年代)

  • 1980年~1984年までは1ドル=200円~280円の円安ドル高水準で推移した。この間、米国は双子の赤字(財政赤字、貿易赤字)で苦しむ中、日本は大幅な貿易黒字を計上しており、一般的な経済理論から考えると円高ドル安にシフトしやすい環境であった。
  • しかし、この間の米国は高インフレの時代で、一時期10%を超えるなど高止まりしていたインフレ率抑制のため政策金利を大幅に引き上げていた。 1980年代前半のFFレートは概ね10%~20%で推移しており、高金利が資金シフトを呼び、円安ドル高になったと考えられる
  • 1985年9月22日、ニューヨークのプラザホテルで、主要国の財務大臣・中央銀行総裁が集まり、ドル高是正についての会合(G5)が開催され、プラザ合意が成立した(これは円安ドル高による国際競争力の低下を恐れた米国が要請し各国が承認した形であった)
  • これにより円高ドル安トレンドが形成されたことと、米国の双子の赤字の深刻化や1987年10月19日のブラックマンデーなどが重なり、1988年には1ドル= 120円前後まで円高ドル安が進んだ。

ドル円為替チャートと変動要因(1990年代)

ドル円チャート(1990年代)

  • 1990年代のドル円レートは非常に特徴的な動きとなった。1995年までの大幅な円高、1997年のアジア通貨危機による円安、1998年のロシア危機による円高と短期間でトレンドが大きく変化した
  • 1990年代前半は円高トレンドとなり、1995年4月に当時の最高値である1ドル= 79.75円をつけた(上記チャートは月次ベースデータのため80円を下回っていないが、日次ベースでは80円割れとなった)
  • 1990年代前半は日本の大幅な貿易黒字による日米の貿易不均衡が問題視されており、長期的な円高の最も大きな要因と考えられる
  • 1995年4月に1ドル=79.75円をつけた後、約3年後の1998年8月には1ドル=147.66円まで大幅に円安となった
  • この間、日本の景気低迷に加えて、1995年4月のG7で円高が行き過ぎとの声明を発表、さらに1997年7月にタイから始まったアジア通貨危機が発生し同じアジア圈の日本の通貨である円も売られたことで大きく円安が進んだ
  • 更に1997年11月北海道拓殖銀行、山一證券の経営破たんも円売りの材料となった
  • ロシア危機直前の1998年8月には1ドル=147.66円まで円安が進んだ
  • 1998年8月のロシア危機によるロシア国債デフォルトは大手ヘッジファンドLTCMの破たんを引き起こした。世界の金融マーケットはリスクオフの状況となり、レバレッジ解消から円が買われる要因となり1998/8/11の1ドル=約147円から、2か月後の1998/10/19には1ドル=115円前後まで急激に円高が進んだ。(以前は有事のドル買いと言われたが、このロシア危機以降、リスクオフ時の円買いが意識されるようになった
  • その後、1999年後半には1ドル=100円前後まで円高が進んだ
  • ここまで円高が進んだ要因として、米国の金利水準が当時としては過去最低水準で推移(FFレートで5%前後、10年国債で5%~6%前後)していたことに加え、日本の景気回復期待から10年国債利回りが一時期2.5%まで上昇したことによる資金シフトが大きいと考えられる

ドル円為替チャートと変動要因(2000年代)

ドル円チャート(2000年代)

  • 2000年前半~2002年1月にかけて1ドル=100円前後から1ドル=135円前後まで円安が進んだ
  • この時、米ドル金利は低下しているにも関わらず1ドル=130円を超える水準まで円安が進んだ要因はこの頃から円キャリートレードが流行したことや、2001年9月11日の米国同時多発テロの影響もある考えられる。(有事のドル買い?)テロの前は120円前後で推移していたが、テロ以降一気に円安ドル高が進み130円を超える円安ドル高となった
  • 2002年〜2004年は米国の低金利政策の影響で1ドル=102円前後まで円高が進んだが、2004年6月〜2006年6月の利上げ(FFレート:1%→5.25%)により円安トレンドとなった
  • 2007年6月の1ドル=123円前後をピークに大幅な円高トレンドとなった
  • 2007年8月のパリバショックを皮切りにサブプライムローンの問題が表面化、2008年3月米大手証券ベアスターンズの実質破たん、2008年9月米大手証券リーマンブラザーズの破たんが発生し、世界的に景気後退に陥り、金融マーケットは大混乱となった。
  • FRBは2007年9月から利下げを開始し、2008年12月までに5.25%あったFFレートをゼロ金利とした。同時に2008年11月以降は大規模な量的金融緩和(QE)を行ったことが円高ドル安の大きな要因となった。
  • 量的金融緩和(QE)の規模感は中央銀行のバランスシートに表れるのでこちらを参照: 日米中央銀行(FRB・日銀)のバランスシート(資産残高)推移 / ドル円レートに影響も

ドル円為替チャートと変動要因(2010年代)

※2020年以降のデータもこちらに追加しています

ドル円レートチャート2010年代

  • 第2次安倍政権が誕生する2012年後半まではリーマンショック以降の円高トレンドが継続していた
  • 2011/3/11に発生した東日本大震災による影響もあり、2011年10月31日にはドル円の過去最高値となる1ドル=75円32銭まで円高が進んだ(リスクオフによる円高に加え、生損保が保険金支払いの為、外貨資産を売却するというニュースも流れた)
  • この円高ドル安局面において、米国はインフレ率が2%~3%あるにも関わらず、ゼロ金利政策を行ったことで実質金利が大幅なマイナス圏で推移していた。日本もゼロ金利政策を導入していたがデフレ(マイナスのインフレ率)であった為、相対的に実質金利が高止まりした。これが超円高の大きな原因となった。【日米実質金利差はこちらを参照:為替レートの予想・分析は実質金利差・購買力平価を活用
  • 2012年12月に第2次安倍政権(アベノミクス)が発足したことと、2013年4月に日銀総裁に黒田氏が就任(黒田バズーカー)したことで日本も大規模な量的金融緩和を開始し円安ドル高トレンドとなった(日銀は2%のインフレ目標も導入:日銀はなぜ2%のインフレを目標とするのか?理由は円高トレンド是正と財政再建
  • 2016年の前半は急激な円高が進んだが、これは米国の利上げが予想より進まないとの思惑が要因であったと考えられる(インフレ率はある程度上昇しているにもかかわらず利上げが遅れると実質金利が大きくマイナスとなり通貨安要因となる)
  • 2016年11月のトランプ大統領就任により米国長期金利上昇をきっかけとして円安ドル高が進んだ。1ドル=100円前後から1ドル117円前後まで円安が進んだ。
  • 2017年~2019年は概ね1ドル=110円を挟んだ動きとなり、3年連続で低いボラティリティ(変動率)となった
  • 2020年2月以降、新型コロナウイルスの影響によりマーケットがリスクオフとなる中、FRBは2度の緊急利下げを行った。2020年3月3日に0.5%、2020年3月15日に1%の緊急利下げを行い、FF金利の誘導目標は0%~0.25%とゼロ金利政策が復活した。この間、米国10年国債利回りは一時、0.3%まで低下した。ドル円レートは日時ベースでは2020年2月20日の1ドル=112円台から2020年3月10日には1ドル=101円前後まで円高が進んだ。しかし、直ぐにリバウンドし月次ベースでは横ばいとなった。

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