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知識・ノウハウ(債券)

債券市場の全体像【債券の種類を一覧で分かりやすく紹介】

こちらのページでは数多くの種類が存在する債券市場を一覧で理解できるように掲載しています。

債券市場の全体像を体系的に理解することができますので参考にしてください。

特に米ドル建ては様々な種類の債券が存在します。

詳細は下記をご覧ください。

一般的な債券市場の全体像(債券の種類を一覧で紹介)

まずは、一般的な債券の分類を紹介します。

一般的な債券市場の全体像

債券は大きく分けて「公共債」と「社債」があります。

公共債」には国債・地方債・政府機関債があり、「社債」には普通社債(SB)・ハイブリッド証券(劣後債・優先証券)・転換社債(CB)があります。

これは日本国内に限定されるものではなく、多くの国(地域)で共通の分類です。

普通社債(SB:Straight Bond)」に関して、日本国内ではBBB格以上の投資適格社債が大半を占めます。

一方、米国においてはBB以下のいわゆるハイイールド債も多く発行されています。

米国は信用リスクが高くても、それに見合ったスプレッドを上乗せして、資金ニーズのある企業に資金を供給するマーケットが存在します。

一方、日本は銀行もそうですが「金利が低くてもいいからつぶれない先にしか貸さない」というマーケットになっています。

そして、ここだけを見ると日本の社債市場の方が安全性が高く感じますが、ここで注意しなければいけないことは、日本と米国では格付会社の基準が異なるという点です。

一般的に米国のS&Pとムーディーズの方が日本のJCRとR&Iより厳しい判断基準となっています。

そのため、JCR・R&IでBBB格以上でも、S&P・ムーディーズで格付けを取得するとBB格以下となることもあります。

この点についてはソフトバンクGの社債が分かりやすい事例となります。

ソフトバンクGのシニア債はJCRではA格ですが、S&PではBB格となっています。

つまり、必ずしも日本の債券の方が安全ということではないということです。

逆に米国の社債市場の方が、格付が厳しい分、投資家はリスクに見合ったスプレッドを享受できています。

ハイブリッド証券」は主に欧州や日本の金融機関が発行するCoCo債や米国の金融機関が発行する優先証券、一般事業者が発行する劣後債(コーポレートハイブリッド証券)などがあります。

特に欧州の金融機関が発行するCoCo債は日本人投資家にも人気の債券の一つとなっています。

米国の金融機関が発行する優先証券は著名なETFである「iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF(PFF)」の主要投資対象となっています。

一般事業者が発行する劣後債(コーポレートハイブリッド証券)は世界各国の事業会社が発行しています。日本企業ではソフトバンクGや楽天が円建て・ドル建て・ユーロ建て等で発行しています。

転換社債(CB)」も世界各国の事業会社が発行しており、マーケット環境によっては投資家にとって極めて魅力的な投資対象となりますので、覚えておいてください。

次に、債券市場の中でも特に種類が豊富な米ドル建ての債券の全体像を紹介します。

大きな枠組みは上記の一覧通りですが、下記ではもう少し細かく分類して紹介します。

米ドル建て債券市場の全体像(米ドル建て債券の種類を一覧で紹介)

米ドル建て債券は「公共債」と「社債」に加えて、MBSなど特殊な債券も豊富に存在します。

また、上記でも紹介しましたが、社債にはBB格以下のハイイールド債なども一定のマーケット規模があり、円建て債券のマーケットと比較して厚みのあるマーケットとなっています。

下記は米ドル建て債券の一覧です。

米ドル建て債券の全体像

米ドル建ての「公共債」は「先進国国債」と「新興国国債」が日本国内でも多く取引されています。

「先進国国債」は概ね高格付けのものが多いですが、「新興国国債」はアルゼンチン国債のように低格付けのものも存在します。

社債」はBBB格以上の「投資適格社債」、BB格以下の「ハイイールド債」に加えて、厳密には債券ではありませんが、「バンクローン」市場も一定の市場規模があります。

「バンクローン」は文字通り銀行融資ですが、米国の銀行は融資の一定割合を証券化してマーケットに転売します。特徴としては「変動金利+担保付のハイイールド債」のようなイメージです。

劣後債」「CoCo債」「優先証券」「転換社債(CB)」も円建て債券と比較して幅広い発行体の債券が存在します。

一覧表では「その他(証券化)」で分類していますが「CMBS」「RMBS」「CLO」「CBO」「CATボンド」など特殊な種類の債券も存在します。

「CMBS」「RMBS」「CLO」「CBO」「CATボンド」の簡単なポイントは上記の一覧をご覧ください。

詳しい内容は下記のページでご確認ください。

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