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先進国ソブリン債のポイント【グロソブを例に解説】

こちらのページは「グローバル・ソブリン・オープン(愛称:グロソブ)」を例に「先進国ソブリン債」のポイントやリスクを掲載しています。

大部分は先進国ソブリン債全般に共通する内容ですので、先進国ソブリン債の見通しを分析する上で活用いただけます。

先進国ソブリン債のポイントをまとめると下記の通りです。

  • 高い信用力
  • 分かりやすさ
  • 金利上昇に弱い

詳細は下記をご覧ください。データや内容は随時、更新しています。

まず最初に「グロソブ」の商品概要から紹介します。

グローバル・ソブリン・オープン(通称:グロソブ)の商品概要

実質的な運用会社

  • ウェスタン・アセット・マネジメント(委託会社:三菱UFJ国際投信)

投資対象

商品組成上の特徴

  • 毎月分配型に加え、3ヶ月決算型、1年決算型、NISAに対応して分配金を出さない資産成長型(グロソブN)をラインアップ

主な販売会社(販売手数料)

  • 三菱東京UFJ銀行:1億円未満1.65%、1億円以上1.1%
  • SBI証券:ノーロード(IFA経由の場合:1億円未満1.65%、1億円以上1.1%)

信託報酬

  • 1.375%

先進国ソブリン債(グロソブ)のポイント・メリット

安全性の高い投資対象(主要先進国のソブリン債)

  • グロソブの運用は世界主要先進国の信用力の高いソブリン債券を主要投資対象とし国際分散投資を行う
    • 世界主要先進国=原則、OECD加盟国
    • 信用力の高い=ムーディーズ、S&P等の格付け会社のうち、少なくともひとつがA格以上
    • ソブリン債=国債・政府機関が発行する政府機関債、世界銀行やアジア開発銀行などの国際機関が発行する国際機関債、カナダ・オーストラリアなどの州政府債
  • ベンチマークはシティ世界国債インデックス(円ベース、日本を含む)『通称WGBI(ウィグビー:World Government Bond Indexの略)』
  • シンプルで分かりやすい点が残高を伸ばした要因といえる

中長期投資で効果を表すクーポンの積み上げ効果

  • 中長期で投資することにより、インカム収入が積み上がり、為替の変動によるブレを吸収することが可能

リスクオフ時は債券価格の上昇により損失が軽減

  • リーマンショック等でリスクオフになると為替が円高になるケースが多い
  • 円高になるとグロソブ(先進国ソブリン債)にとってはマイナスとなるが、投資している債券はクレジットリスクをほとんどとっていないため、リスクオフで金利が低下すると債券価格は上昇する
  • そのためリスクオフ時は一定の損失軽減効果がある

【グロソブの投資手法】金利見通しに基づきデュレーションをコントロール

  • 各国の金利見通しを分析し、金利が上昇しそうな国の債券は残存期間を短めに、金利が低下しそうな国の債券は残存期間を長めにすることでベンチマークを上回る運用を目指す
  • デュレーションについては「社債のスプレッドとデュレーションについて」を参照

【グロソブの投資手法】為替見通しに基づきカントリーアロケーションをコントロール

  • 各通貨の見通しを分析し、国別のアロケーションを変更することでベンチマークを上回る運用を目指す
  • 米ドルとユーロをベースとして先進国通貨を中心とした分散投資が行われており、外貨投資のコア商品となる投信

【グロソブの投資手法】グロソブは4タイプだが実質2パターン(分配金が欲しい or 分配金はいらない)

  • グロソブの毎月分配型は以前は、ポートフォリオ利回りに対して分配金の割合が高くタコ配ファンドと呼ばれていたが、現在は分配金を減らし、適正化を図っている
  • 分配金利回りとポートフォリオ利回りのかい離は以前より小さくなっている
  • 4タイプの内、毎月決算型と3ヶ月決算型は分配金利回りに大きな差はなく、1年決算型と資産成長型(グロソブN)も大きな差はない
  • よって、分配金が欲しい投資家は毎月決算型か3ヶ月決算型に投資し、分配金が必要ない投資家は1年決算型か資産成長型(グロソブN)に投資すればよい

【グロソブの投資手法】運用はウェスタン・アセット・マネジメント株式会社の助言を得て行う

  • ウェスタン・アセット・マネジメント株式会社はフランクリン・テンプルトンのグループ企業で債券運用に特化した大手の運用会社

先進国ソブリン債(グロソブ)のリスク・デメリット

金利上昇に弱い

  • デュレーションコントロールは行うが、基本ベースは中長期債への投資がメインとなる為、金利上昇時は債券価格が下落する。
  • ただし、金利上昇は一般的に当該国の通貨が上昇する方向に働くため、債券価格の下落はある程度相殺されると考えられる

先進国の金利水準が低下傾向

  • グローバル経済が好調で、ポートフォリオ利回りが4%~5%あれば金利面でも魅力的であるが、2021年のようにグロソブのポートフォリオ利回りが1%前後では金利面の魅力は乏しい
  • ポートフォリオ利回りが信託報酬控除後でマイナスとなるような状況では、債券価格の上昇(金利の低下)か円安にならないと利益が出ない形となる

グロソブと投資対象が同じ投信・ETF(類似ファンド)

海外国債ファンド(アセットマネジメントONE)

  • ベンチマーク:シティ世界国債インデックス(円ベース、除く日本、7~10年)

三菱UFJ海外債券オープン

  • ベンチマーク:シティ世界国債インデックス(円ベース、除く日本)

BAMワールド・ボンド&カレンシー・ファンド(毎月決算型) 愛称:ウィンドミル

  • 投資対象は世界の高格付け債券に為替取引を組み合わせた運用
  • イメージとしてはグロソブ+為替オーバーレイ

上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型【ETF:1677】

  • FTSE世界国債インデックスをベンチマークとするETF

関連資料

世界各国のソブリン格付けはこちらを参照してください!

債券のイールドカーブについてはこちらを参照してください!



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