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富裕層営業(プライベートバンキング業務)を行うために必ず知っておくべき信託業務

投稿日:2017年7月15日 更新日:

様々な種類の信託業務

富裕層向けの営業を行う際に必ず出てくるのが信託業務です。

所属している金融機関(会社)により信託業務を取り扱える方と取り扱えない方がいると思いますが、取り扱いえない方もライバルの金融機関がどのような提案を行っているかを知るために、信託についてはある程度の知識を持っておくべきです。

まず「信託」の当事者は「委託者」「受託者」「受益者」です。

「委託者」が「受託者」に依頼し、「受託者」は「受益者」の利益のために業務を行います。

「受託者」が信託銀行となります。

サービスによっては「委託者」=「受益者」となるケースもあります。

「信託」には投資信託、金銭信託、貸付信託、不動産管理信託、土地信託、年金信託、教育資金贈与信託等、様々な商品(サービス)があります。

その中でプライベートバンカーとして富裕層営業を行う際に知っておくべき業務は「株式処分信託(有価証券処分信託)」「遺言信託」です。

両方とも仕組み的にはそれほど難しくないので覚えておいてください。

株式処分信託(有価証券処分信託)

株式処分信託という名前から何か難しそうなイメージを持つかもしれませんが、実施にはそれほど難しいものではありません。

株券を信託銀行に預けて売却してもらうだけです。

ではなぜこのような仕組みが必要なのかを下記に掲載します。

上場企業のオーナーや大株主が保有株式を売却する際の執行方法の提案となります。

一般の株主と違い、上場企業のオーナーや大株主はインサイダー規制により、保有する株式をいつでも売却できるわけではありません

また、売却する際の規模は一般の投資家と比較して大きな金額になるケースが多くなります。

そのため限られた期間に大きな金額を売却する必要が発生、、マーケットにインパクトを与えてしまうこともあります。

この「インサイダーから隔離する目的」と「マーケットインパクト軽減の目的」のために株式処分信託を活用します。

仕組みは簡単で信託銀行と契約を締結し株式を拠出するだけです。

契約締結日以降は委託者である株主(オーナー等)が保有するインサイダー情報を遮断することができ、受託者である信託銀行は株価、株数、期間などの契約内容に従って少しずつマーケットで売却していきます。

通常は数週間~数か月かけて売却する契約となるのでマーケットに与えるインパクトを軽減することが可能です。

ただし通常、最低売却価格を設定しますがこの価格で必ず売却できるという保証をするわけではないので、株価が大きく下落した場合などは売却自体ができないというリスクはあります。

手数料は一般的に契約金額の1%~2%程度と委託注文による売却と比べて高くなりますが、特にインサイダー規制はオーナーや大株主は気になる部分であり一定のニーズがあります。

遺言信託

遺言作成のお手伝い、遺言書の保管、相続発生時に遺言書に基づく執行を信託契約により行うサービスです。

多くの金融機関で力を入れているサービスです。

相続発生時は相続人間のトラブルなど問題が起こりやすいので遺言は作成しておくべきです。

さらにその遺言を金融機関が管理してくれることは、顧客(被相続人)にとっても安心感があるようで多くの方が利用しています。

遺言信託の想定されるニーズ

  • 子供がおらず、長年連れ添った配偶者に財産のすべてを渡したい
    (子供がおらず親も他界している場合は配偶者と兄弟姉妹が法定相続人となるが、兄弟姉妹には遺留分がないため遺言で配偶者に全財産を渡すことは可能)
  • 法定相続分にとらわれず、自分の意思で財産を配分したい方
    (配偶者や特に面倒を見てくれた子供に多く資産を渡したい)
  • 相続人以外の人に財産を配分したい
    (義理の娘や孫に資産を渡したい)
  • 企業経営者の方
    (自社株などが分散しないようにあらかじめ対策を練っておきたい)
  • 寄付したい方

金融機関にとっては契約の際、全ての保有資産を具体的に開示してもらう必要があるため、他社の保有資産まで把握ができることで優良顧客の囲い込みが行いやすくなります

さらに相続発生時の執行も行うので相続人へのアプローチも行いやすくなるメリットがあります。

よって多くの金融機関で力を入れています。

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