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フラット為替(クーポンスワップ、通貨スワップ、長期為替予約)は悪い商品ではない(契約例も紹介)

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リーマンショック後の円高時に問題化したフラット為替の仕組み(取引例)

リーマンショック後の2009年~2012年頃の円高局面で大きな問題となったフラット為替取引。

一般的には「フラット為替」と呼ばれることが多いですが、「クーポンスワップ」「通貨スワップ」「長期為替予約」等と呼ばれることもあります。

前回問題となったケースは2005年~2007年頃に契約した取引でその後の2009年~2012年の円高局面で問題が表面化しました。

当時の一般的な取引例を紹介します。

  • 契約日:2007年5月
  • ドル円スポットレート:1ドル= 120円
  • 契約期間:5年
  • 条件:1ドル= 103.9円で毎年100万ドルの米ドルを購入

上記の1ドル= 103.9円という条件は通常の為替予約と同じで日米金利差により算出されます。

2007年5月頃の米ドル金利はイールドカーブがフラット化しており、短期~長期まで概ね5%程度の金利水準でした。

イールドカープについてのポイントはこちら:イールドカーブについて

日本はほぼゼ囗金利と考えると金利差はそのまま5%です。

ドル円のスポットレートが1ドル= 120円で金利差が5%とした場合、各年限の予約レート(フォワードレート)は下記のようになります。

米ドルの方が金利が高いので、予約レート(フォワードレート)は円高方向にディスカウントしたレートとなります。

予約レート(フォワードレート)の計算方法はこちらを参照してください:ヘッジコストは金利差とベーシス(ドル需要)で決まる

フラット為替

これらを平均すると(114.3+108.8+103.7+98.7+94.0) /5=103.9円となります。

よって上記の例では5本に分かれている為替予約取引を1つにまとめて平均化したものが上記のフラット為替の例となります。

本来、年限ごとにディスカウント幅が異なるため、予約レート(フォワードレート)も異なることになりますが、1つにまとめて予約レート(フォワードレート)をフラット化しています。

期間は長いもので10年のものも一般的にあり、米ドルの購入頻度は毎月や4半期毎のものも多くありました。

当時は円安が進むとの相場観を持っている投資家が多かったことで多くの企業がフラット為替を契約しました。

上記の例で言うと、少なくとも1ドル= 103.9円より円高にはならないと思ている人が多く、かつ1ドル= 120円の時に1ドル=103.9円で米ドルを購入できるということで条件的には魅力的に感じたようです。

当初は多少の円高になっても利益が出ましたが、2009年に入り1ドル=100円を超える円高が進んだ頃から問題となってきました。

2011年~2012年にかけては1ドル=70円台まで円高が進み大きな損失を計上せざる負えない状況となりました。

上記の例で5年後の2012年5月に100万ドルを決済しようとすると、当時のドル円スポットレートは1ドル=80円程度ですので(80-103.9)×100万ドル= 2,390万円の損失となります。

資金的に余裕のある投資家は円に転換せずにそのまま米ドルで保有することができましたが、資金的に余裕のない投資家は円転して決済せざるを得ず、上場企業や学校法人等でも大きな損失を計上するところが出てきました。

フラット為替は使い方次第では非常に良い商品(取引)

2005年~2007年頃に人気化した際は為替は円高にならないとの思い込みがあり、必要以上に大きな金額を契約したことが問題だと考えられます。

フラット為替は為替予約取引と同様に資金が必要ないため、銀行が引き受けれさえすればかなり大きな取引をすることが可能です。

当時はそれ程極端に大きくなく資産運用規模が100億円前後の法人で毎月300万ドルで期間10年のような契約をしていました。

10年間で合計3.6憶ドル(1ドル100円で360億円)の契約です。

期間を延ばすことで契約の為替レートがより円高の水準となるため、見栄えが更に良くなります。

この規模になるとドルで保有する前提ではなく、当初から円転して決済することが前提となっています。

輸入企業などの実需であれば全く問題ないのは当たり前ですが、運用目的でもやり過ぎなければ資金負担もないので悪くないと思います。

実質的な経済効果はFXや外貨預金、外債と同じですから。

フラット為替をやるタイミングは米国の金利とドル円レートの兼ね合いで決まり、これも他の外貨投資と同じです。

契約するべストなタイミングは米国の金利が高く、為替が円高のときであるのは言うまでもありません。

使い方次第では悪い取引ではないと思います。

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