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地銀や年金が私募REITを積極購入~日経新聞記事~

2016年9月14日

2016/9/11 日経朝刊からの引用です。

地銀や年金基金が私募REITにこぞって投資しているという内容です。

「約300億円の当初運用枠はあっという間に埋まってしまいましたよ」。日本生命保険の関係者はこう話す。子会社が8月に運用を始めた私募形式の不動産投資信託(REIT)。

「日本生命丸の内ガーデンタワー」(東京・千代田)などの優良物件に投資する。

想定する利回りは3~4%。これに全国の地銀や年金基金などが飛びついた。運用の主軸だった国債の利回りは、リスクの高い40年物でも0.6%台。超低金利に追い詰められた「運用難民」たち。利回りを求めて不動産投資に群がり、相場をさらに押し上げる。

2016年時点では、10年国債ですらマイナス金利となっており、円建てで安定的に運用できる投資対象はほとんどありませんでした。

地銀はこれまで預金で資金を調達し、長期債を購入すれば一定のスプレッドは確保できましたが、今後はそう簡単にはいきません。

貸出(融資)は伸びず、国債運用もできない。

そうすると残された選択はヘッジ付き外債・日本株・REITぐらいしかありません。

ただし、日本株はリスクも大きく、売買益が業務純益にもカウントされないことから積極的に投資する対象とはなりません。

持ち合い解消もあり、どちらかというと縮小方向です。

よって、2016年時点ではヘッジ付き外債とREITを積み増していました。

REITに関しては売買益も業務純益にカウントされることから、これまでも一部の地銀が積極的に保有しておりJ-REIT市場で一定の存在感があります。

J-REITは上場されており流動性がある為、使い勝手の良い投資商品ですが、ボラティリティ(変動率)が比較的大きいことが欠点となります。

特に下落時にボラティリティが大きくなる傾向にあります。

これは株式と比較して時価総額が小さいことが大きく影響しています。

多くの地方銀行はポートフォリオをVAR(バリュー・アット・リスク)というリスク管理手法で管理しています。

これが諸悪の根源です。

これはボラティリティが高くなるとポジションを減少させなければならなくなる手法であるため、J-REITのように下落時にボラティリティが大きくなると売りが売りを呼ぶ現象が起きます。

実際、リーマンショックの際は地銀の投げ売りもありJ-REITの下落率は株式を上回りました。(リーマンショック時のJ-REITの下落率は最大で70%を超えました)

J-REITに投資していた金融機関は減損を余儀なくされ、大きな損失が発生しました。

このような経験もあり、地銀がこぞって私募REITを購入しているのだと思います。

以前であれば地銀が私募REITを購入するのは極めてレアケースでしたので、すこしびっくりです。

それだけ本業の収益が足りないということでしょう。

私募REITは名前の通り、上場しているJ-REITとは異なり、上場していないREITです。

上昇していない為、J-REITのようにマーケットプライスはなく、評価は年1〜2回の鑑定価格ベースとなります。

価格変動が鑑定価格ベースですのでボラティリティはかなり低くなります。

例えばリーマンショックの際、J-REITは2600ポイントから700ポイントまで70%以上下落しましたが、不動産の鑑定価格の下落率はある程度の優良物件であれば大きくても概ね20%以内でした。

地銀の運用担当者としてはボラティリティが低く、減損リスクが小さいため、それで4%程度の利回りが確保できればありがたい商品と言えます。

しかし、私募REITは当たり前ですが流動性は極めて低い商品ですので売りたいときに売ることができないリスクがあります。(私募REITはほとんど実物不動産を保有しているのと同じイメージです)

特に市況が悪化したタイミングで私募REITを売却することはほぼ不可能です。

もちろん価格をディスカウントすれば可能ですが、この点については目をつむって消去法的に買われている面もあるようです。

今後、不動産市況が悪化すると、不動産融資が増えているという点に加えて、金融機関が直接、不動産関連商品を保有している割合が増えている為、金融不安につながりやすくなっており、注意が必要です。

銀行の存在意義は融資によって信用創造を行うことだと思います。

今のままでは単なる投資会社になってしまいます。

また、不動産投資や外債投資について特段ノウハウがあるわけではありません。

金融庁はこの辺をしっかり規制するとともに、合併による再編を早く進めて欲しいものです。

日銀がJ-REITを購入している中では言い出しにくいかもしれませんが。



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