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ホテル需要はインバウンドよりも日本人の65歳~70歳人ロに影響される

2010年代のホテル需要の増加がインバウンド(訪日外国人旅行者)によるものと勘違いしている人が多いようです。

国内ホテルの宿泊者数の内、80%以上は日本人によるものです。

また、2010年代のホテル需要の増加もインバウンド(訪日外国人旅行者)より日本人の旅行需要の増加による影響が大きくなっています。

下記ではその勘違いについて、警笛の意味も込めて解説しています。

詳細は下記をご覧ください。

訪日外国人旅行者数は大幅増加

こちらは訪日外国人旅行者数(インバウンド旅行者数)の2007年~2020年の推移です。

インバウンド旅行者数推移

2019年までは確かに順調に伸びています。

ただし、インバウンド旅行者の増加でホテル業界が活況に沸く一方、ホテルの建設ラッシュが始まったことで、将来的な需給には注意しなければいけません。

上記の通り、2010年代はインバウンド旅行者数が確かに大きく増加しましたが、さらにデータを詳しく分析してみると、ホテル需要についてはインバウンド以外に、もっと重要なポイントがあることが分かりました。

それでは次に、国内のホテル等の宿泊データを紹介します。

インバウンドより日本人の旅行者が増えている

下記は国内の「ホテル等の延べ宿泊者数(泊数)」の推移です。

内訳として「日本人」と「外国人」の宿泊数も掲載しています。

国内ホテル宿泊者数(日本人・外国人内訳)

まず、1つ目のポイントはホテルの宿泊数の内、約80%は日本人によるもので、外国人の宿泊数割合はそこまで大きくないという事です。

そして、2つ目のポイントとして宿泊数の増加も日本人の影響が大きいという事です。

トータルの宿泊数は2007年から2019年で約2.86億泊増加しています。(3.09億泊→5.95億泊)

内訳をみると日本人が1.94億泊の増加、外国人が0.93億泊の増加となっています。

宿泊者数(泊数)の増加比率で見れば4倍以上になっている外国人の方が大きいですが、増加した数でみると約70%が日本人による宿泊者増となっていることが分かります。

これは非常に重要なポイントです。

ホテル需要の増加はインバウンドによるものと言われることが多いですが、本当のところは日本人の影響の方が大きかったということです。

しかし、日本人についてはビジネス(出張)需要が大きく拡大しているという話はあまり聞きませんでした。

それではこれだけ大きく増加した理由は何でしょうか?

最も大きな要因は2010年頃から団塊の世代(1947年~1949年生まれ)が定年退職していることだと考えられます。

時間とお金に余裕できたシニア層の人たちが国内旅行を楽しんでいたということです。

団塊の世代は現役時代の所得も退職後の年金も、比較的恵まれた世代とも言えます。

人口も多い団塊の世代が小旅行を楽しむことで、国内のホテル需要が高まっていたのです。

逆に今後、団塊の世代が高齢になり、旅行に行かなくなるような状況が来た場合は、インバウンド旅行者が増加していても全体で見ると減少する可能性もあります。

これはホテル業界にとっては非常に大きな問題といえます

また、この観点で考えると、時間に余裕があり、なおかつ健康面でも余裕のある「65歳~70歳位の日本人の人口がホテル需要の大きなポイント」になりそうです。

下記は2018年12月時点の日本の年齢別人口の抜粋です。

日本人の年齢別人口構成

団塊の世代はそれより少し上の世代と比較して人口が急増していることが分かります。

しかし、2018年時点の69歳〜71歳(団塊の世代)をピークにその後は減少傾向となっています。

団塊の世代は1学年の人口が200万人前後いますが、団塊の世代より5歳下の世代からは1学年の人口が150万人前後となっています。

よって、ホテル需要が堅調であった2010年~2018年と比較すると、2020年~2030年は退職者が少なく65歳〜70歳の人口は減少します。

そのため、日本人のホテル宿泊者数が低迷する可能性があります。

一方、2017年~2020年頃はホテルは全国的に建設ラッシュとなっていました。

将来的なホテル需給の動向を考えた場合、日本人旅行者の増加ペースがスローダウンする部分をインバウンド旅行者の増加でどこまでカバーできるかがポイントになりそうです。

カバーできないとホテル業界は厳しい環境となる可能性があります。

特に団塊の世代が70代後半になる2025年前後は日本人のホテル需要が大きく減少することが予想されるので注意が必要です。

ホテル関連REITは日本人の人口動態に影響を受ける

J-REITでホテルを所有する銘柄が増加しています。

ホテル関連のJ-REITではホテルの需要動向は非常に重要なポイントになります。

J-REITの中でもホテル関連REITは特殊な存在です。

オフィス・商業施設・レジデンシャル・物流施設などは単に賃料を受け取るだけですが、ホテルの場合は変動賃料(歩合賃料)などがあり、ホテルの業績によってREITの利益・分配金が大きく変化します。

また、J-REIT以外の一般企業でもホテル運営を行うところが増えてきています。

上記の通り、将来のホテル需要を予想する際にはインバウンド需要に加えて、日本国内の人口動態(特に65歳~70歳人口)も確認する必要があります。

個人的には「日本の定年退職者の減少」と「ホテルの供給増」を考えると少し心配です。



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