こちらのページでは「OECD景気先行指数」についての様々な情報を掲載しています。
最初にお伝えしておくと、「OECD景気先行指数」は名前の通り景気に先行する指数ですが、株価には先行しないようです。
2018年までのデータですが忘備録として掲載しています。
詳細は下記をご覧ください。
まず最初にOECD景気先行指数の概要から説明していきます。
OECD景気先行指数(CLI:Composite Leading Indicators)の定義
OECD景気先行指数(CLI:Composite Leading Indicators)はOECD(経済協力開発機構)が主要国の経済指標をベースに作成する指標で、6~9ヶ月後の経済見通しを測る指標です。(使われる指標は国ごとに異なり、日本のCLIを作成するために使われているデータは鉱工業在庫率指数・製造業所定外労働時間・住宅着工戸数などとなっています)
- OECDは「Organisation for Economic Co-operation and Development」の略でEU23ヶ国、その他13ヶ国の合計36ヶ国が加盟しています。先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて①経済成長、②貿易自由化、③途上国支援に貢献することを目的としています。(経済産業省HPより)
- EU23ヶ国:イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、デンマーク、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、アイルランド、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロヴァキア、エストニア、スロベニア、ラトビア、リトアニア
- その他13ヶ国:日本、アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランド、スイス、ノルウェー、アイスランド、トルコ、韓国、チリ、イスラエル
OECD景気先行指数は地域や国ごとにいくつかの指数が公表されています。
- OECD全体
- OECDヨーロッパ
- G7
- ユーロ圏
- 国別
国別データは加盟国36ヶ国だけでなく、非加盟国の中で主要新興国である6ヶ国(中国・ブラジル・インド・ロシア・南アフリカ・インドネシア)についても作成されます。
データは毎月公表され、公表日は翌々月の10日前後となっています。
OECD景気先行指数は常にウォッチしておく必要はありませんが、景気の大きな流れを把握する上で役立ちますので、たまにチェックすることをお勧めします。
データの見方は下記の通りです。
- 100が基準値
- 100より低い→景気後退
- 100より高い→景気拡大
- CLIが下降している→景気減速
- CLIが上昇している→景気加速
CLIが100以下で上昇している場合は景気後退からの回復局面です。
CLIが100以下で下落している場合は景気後退がより悪化している局面となります。
図で表現するとこのようになります。
世界景気の転換点を表す早期シグナルとして、景気の先行きを予想する際に注目されます。
次に主要国のOECD景気先行指数の推移を掲載します。
OECD景気先行指数(CLI:Composite Leading Indicators)の推移【長期チャート】
主要国(米国・中国・ユーロ圏・日本)OECD景気先行指数の長期チャートと直近チャートを掲載します。
まずは長期チャートです。
次に直近のチャートです。
チャートを見て分かる通り、OECD景気先行指数は数値が大きく変動する指数ではく、100を中心値として±2前後の範囲で推移するケースが多くなっています。
リーマンショック後の最も低下した時でも米国CLIが95、中国CLIが94、ユーロ圈CLIが96、日本CLIが97前後となっています。
次に主要国のOECD景気先行指数と株価を比較してみます。
OECD景気先行指数(CLI:Composite Leading Indicators)は株式投資に役立つか
OECD景気先行指数が株式投資の今後を占うで有効であるか否かを確認します。(景気に先行する指数ですが、株価にも先行するかの確認です)
米国・中国・ユーロ圏・日本のOECD景気先行指数と株価指数をチャートで比較します。
OECD景気先行指数は6ヶ月〜9ヶ月程度景気に先行しますが、よく株価も景気に先行すると言われます。
確かにチャートを見る限りその通りのようです。
そのため、株価とOECD景気先行指数は同じような動きになっているケースが多々あります。
また、株価とOECD景気先行指数がほとんど相関性を持たずに動いているケースもそれなりに多くあります。
よって、少なくともOECD景気先行指数が株価より先行しているとは言えないので、株式投資をする上で直接的には役立つとは言えません。
あくまでも景気の方向性など大まかな流れを確認するツールとして活用しましょう。