こちらのページでは国内の「バランスファンド」で残高が大きい商品のポイントをまとめております。
バランスファンドに近い商品としてラップ(ファンドラップ)がありますが、日本で販売されているラップ(ファンドラップ)は高コストのものが多くなっています。
また、ラップ(ファンドラップ)の場合、複数の投信に投資している形となる為、アロケーションの変更をするとその都度、損益が発生してしまいます。(法人の場合はその都度、会計処理も発生します)
- ラップとバランスファンドの比較についてはこちらも参照:ラップ・ファンドラップ・ラップ型投信・バランスファンドについて
そのため、個人的には下記でも紹介している「セソン・バンガード・グローバルバランスファンド」のような低コストのバランスファンドが投資対象としてベストと考えています。
詳細は下記をご覧ください。
まず最初にバランスファンドで注意すべきポイントについて紹介します。
バランスファンドの債券部分は注意が必要
バランスファンドで一つ問題になる点は円債部分です。
金利水準が低い為、信託報酬控除後の利回りがマイナスになるケースもあります。
個人的には債券投資でマイナス利回りは抵抗があります。
ポートフォリオを安定させる効果はありますが、言い方を変えるとパフォーマンスを薄めているだけです。
この問題についての解決策は下記の2点です。
- 低コストのバランスファンドに投資する(それにより債券部分の信託報酬控除後利回りがマイナスになる可能性が低くなります)
- バランスファンドではなく「グローバル株投信+アロケーション型債券ファンド」に投資して自分でバランスファンドと同様のポートフォリオを作成する
バランスファンド(アロケーション型ファンド)の代表商品
財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型【愛称:財産3分法ファンド】
商品概要
- 日本株式25%、J-REIT25%、海外債券50%
- 海外債券は通常ヘッジなしだが、為替ヘッジを行う場合もある
- 毎月分配型
ポイント
- シンプルで分かりやすい資産配分
- 株式・不動産・債券の3資産に分散(3分法)
- 2003年8月から長期のトラックレコード
- バランスファンドとしては最大規模の純資産
- 商品ページ:財産3分法ファンド
東京海上・円資産バランスファンド【愛称:円奏会】
商品概要
- 国内資産のみに投資
- 日本株式15%、J-REIT15%、国内債券70%
- マーケットのボラティリティが高まった場合、基準価額の変動リスクを年率3%程度に抑制することを目標として、株式とREITの資産配分比率をそれぞれ引き下げ、その引き下げた部分は短期金融資産等により運用する。株式とREITの資産配分はほぼ同じ比率を維持。
- 国内債券はBBB以上の投資適格社債
- 毎月分配型と年1回決算あり
ポイント
- 様々な環境に対応して中長期的に安定した運用を目指すファンド
- 国内資産のみに投資するため直接的な為替リスクなし
- 上記の通り、マーケットのボラティリティが高まる局面では日本株式とJ-REITのポジションを低下させる仕組みあり
- 商品ページ:東京海上・円資産バランスファンド【愛称:円奏会】
コア投資戦略ファンド【愛称:コアラップ】
商品概要
- 安定型と成長型の2コース
- 安定型と成長型はファンド間でスイッチングが可能
- 基本資産配分を年1回見直し
- 内外株式、内外REIT、内外債券、コモディティ、ヘッジファンドに幅広く投資
ポイント
- 割合は多くないが新興国の株式や債券、コモディティまで幅広く投資
- 安定型、成長型ともにヘッジファンドへの投資比率が高いのが特徴
- ヘッジファンドは1社だけでなく様々な戦略の10社程度に分散投資している
- ヘッジファンドを多めにアロケーションすることで分散効果を高めている
- 俗に言われる「ラップ型投信」。年金運用など豊富な運用ノウハウを持つ三井住友信託銀行の助言に基づき運用
- 商品ページ:コア投資戦略ファンド【愛称:コアラップ】
マイストーリー分配型(年6回)
商品概要
- 為替ヘッジあり(Aコース)と為替ヘッジなし(Bコース)の2コース
- 内外株式25%、内外債券75% (うち高利回り債30~45%程度)
- 高利回り債はハイイールド債とエマージングマーケット債(新興国債券)
ポイント
- 野村ファンド・リサーチ・アンド・テクノロジー(NFR&T)が運用助言を行う
- AコースとBコース間でスイッチングが可能
- オーソドックスな国際分散投資を行いながら、スイッチング機能により為替リスクのコントロールは自身で行うことも可能
- 商品ページ:マイストーリー
日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンド
商品概要
- 同じポートフォリオで商品名が異なる投信が複数あり
- グローバル・アロケーション・ファンド
- グローバル・アロケーション・オープン
- 基本となる資産配分は株式60、債券40で700銘柄以上に分散投資
- 投資環境に応じて株式、債券、コモディティ、現金への投資比率を機動的に変更
- 限定為替ヘッジと為替ヘッジなし、年1回決算と年2回決算あり
- スイッチング機能により為替リスクのコントロールは自身で行うことも可能
ポイント
- 一般的なバランスファンドと比べると、マーケット環境を合わせてかなり機動的にアロケーション変更を行うファンド
- 世界最大の運用会社であるブラックロックのリサーチカをフル活用
- その時々の市場環境に合わせ、最適と考えられる資産配分と銘柄選択を行うグローバル・アロケーション戦略を採用。
- 中長期の資産運用を行う際のコアファンドとして最適
- 同一戦略ファンドは全世界で5兆円以上の残高となっている
- 商品ページ:日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンド
野村世界6資産分散投信
商品概要
- 国内外の株式、リート、債券に分散投資
- 原則、為替ヘッジは行わない
- コースは4コース
- 安定コース:株式20(国内5、外国15)、リート10(国内5、外国5)、債券70(国内60、外国10)
- 分配コース:株式20(国内5、外国15)、リート10(国内5、外国5)、債券70(国内20、外国50)
- 成長コース:株式70(国内35、外国35)、リート10(国内5、外国5)、債券20(国内10、外国10)
- 配分変更コース:株式・リートの合計は80%を上限とする
ポイント
- ゆうちょ銀行のみで販売
- シンプルな国際分散投資の商品
- コストが割安
- 信託報酬
【安定コース】年率0.6696%(税抜き年率0.62%)
【分配コース】年率0.7452% (税抜き年率0.69%)
【成長コース】年率0.8208% (税抜き年率0.76%)
【配分変更コース】年率1.026%(税抜き年率0.95%) - 販売手数料
【店頭】1.62%
【ゆうちょダイレクト】1.296% - 信託財産留保額0.3%
- 信託報酬
- 商品ページ:野村世界6資産分散投信
セゾン・グローバルバランスファンド
商品概要
- 内外株式50、内外債券50
- 原則、為替ヘッジは行わない
- 投資対象ファンドは8本のインデックスファンド
ポイント
- 低コストで国際分散投資を行いたい場合には最適なファンド
- セソン投信の直販ファンド
- コストが極めて安い
- 信託報酬0.69%±0.03%
- 販売手数料なし
- 信託財産留保額0.1%
- 毎月5,000円からの積み立てプランもあり
- 商品ページ:セゾン・グローバルバランスファンド
トレンド・アロケーション・オープン
商品概要
- 外貨資産は原則為替ヘッジ
- ①基本戦略、②補完戦略、③リスク管理戦略に基づき機動的に資産配分を行う
- ①基本戦略:低リスク資産ポートフォリオと高リスク資産ポートフォリオを構築し、毎月それぞれのポートを0~100%の範囲で調整
- 低リスク資産ポートフォリオ:先進国債券、現金等
- 高リスク資産ポートフォリオ:内外株式、リート、新興国債券、コモディティ
- ②補完戦略:基本戦略で決定した比率からポートフォリオの調整(±10%以内)を行い、補完戦略としてパフォーマンスの向上を図る
- ③リスク管理戦略:マーケット環境が急激に悪化した場合、必要に応じて、低リスク資産と高リスク資産の配分比率を維持したまま、短期債券・キャッシュの組入比率を高める。過去1年の高値からの下落率が15%以内に収まることを目指す
- ①基本戦略:低リスク資産ポートフォリオと高リスク資産ポートフォリオを構築し、毎月それぞれのポートを0~100%の範囲で調整
ポイント
- 為替は原則ヘッジしていることと、マーケットが大きく下落した場合にダメージを減らす仕組みを備えていることから、ダウンサイドリスクに極めて気を使った商品設計といえる
- アリアンツ・グローバル・インベスターズが実質的な運用を行う
- 商品ページ:トレンド・アロケーション・オープン
投資のソムリエ
商品概要
- 国内外の公社債・株式・REITに分散投資
- 外貨建資産は投資環境に応じて弾力的に対円での為替ヘッジ
- 基準価額の変動リスクを年率4%程度に抑えながら、安定的な運用を目指す
ポイント
- 国内外の8資産に機動的に分散投資
- 債券部分:国内債券・為替ヘッジ先進国債券・新興国債券
- 株式部分:国内株式・先進国株式・新興国株式
- REIT部分:国内REIT・先進国REIT
- 機動的配分戦略(日次戦略):市場環境に応じて、安定資産・リスク性資産・現金等の比率を調整
のむラップ・ファンド
商品概要
- 選べる5つのポート(保守型・やや保守型・普通型・やや積極型・積極型)
- 株式・REITへの投資比率
- 保守型:50%以内
- やや保守型:60%以内
- 普通型:75%以内
- やや積極型:85%以内
- 積極型:制限なし
ポイント
- 野村證券の助言に基づき投資配分比率を定期的に見直し
- マーケットが大きく変化した場合は適宜リバランスを行う
スマート・ファイブ
商品概要
- 投資対象は5つの資産(日本国債・海外債券・グローバル株式・グローバルREIT・金)
- 原則、為替ヘッジは行わない
ポイント
- 各資産の値動きのインパクトが5資産で均等になるようにポートフォリオを構築
世界経済インデックスファンド
商品概要
- 日本・先進国・新興国の株式・債券(6資産)に分散投資
- インデックスファンドに投資
- 原則、為替ヘッジは行わない
ポイント
- 地域別の投資比率はGDPシェアの変化に応じて年1回見直し
- 信託報酬は0.55%と低コスト
eMAXIS Slim バランス(8資産均等)
商品概要
- 8資産に均等に投資(国内の株式・債券・REIT、先進国の株式・債券・REIT、新興国の株式・債券)
- インデックスファンドに投資
- 原則、為替ヘッジは行わない
ポイント
- 信託報酬0.143%と超低コスト
SMBC・アムンディプロテクト&スイッチファンド【愛称:あんしんスイッチ】『2021年9月償還』
2021年9月2日に基準価格9,000円で償還しました。2020年3月のコロナショックによる影響で基準価格が下落し、その後のマーケット上昇局面では全く回復しませんでした。
基準価格が下がるとポジションを落とす必要があるため、マーケット回復時に値上がりを享受することができませんでした。
このタイプの商品の悪いところが出た結果となりました。
商品概要
- プロテクトライン(基準価格の最低保証ライン)が付いている
- プロテクトラインまで基準価格が下落した場合は繰り上げ償還となる
- プロテクトラインの保証はクレディ・アグリコル・エス・エー(保証銀行)が行う
- 株式・債券・短期金融資産で運用
- 株式や外貨建て資産について投資比率の制限はない
- 外貨資産については原則為替ヘッジを行う
ポイント
- プロテクトラインにより損失を一定の範囲内に限定できる
- 基準価額が11,111円に到達した日から、プロテクトラインは日々の基準価額の最高値の90%になる
- 一旦上昇したプロテクトラインは下がることはない
- ポートフォリオのリスクの取り方は基準価格がプロテクトラインを下回らないようにするため、「基準価格とプロテクトラインの差の大小」と「マーケットの見通し」の2点を考慮して決定される
- 例えば「基準価格とプロテクトラインの差が大きく」「マーケットは強気の見通し」の場合、ポートフォリオのリスクは大きくなる
- 逆に「基準価格とプロテクトラインの差が小さく」「マーケットは弱気の見通し」の場合はリスクが小さくなる
- また「マーケットは強気の見通し」でも「基準価格とプロテクトラインの差が小さい」場合はそれ程大きなリスクはとらないポートフォリオとなる
- 商品ページ:SMBC・アムンディプロテクト&スイッチファンド【愛称:あんしんスイッチ】
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