こちらのページでは「主要国のEC化率(小売りに占める電子商取引の割合)の推移」を掲載しています。
主要国では中国のEC化が圧倒的に進んでいます。【中国のEC化率は40%超】
一方、日本は先進国の中でもEC化率が低い水準です。【日本のEC化率は10%程度】
裏を返すと日本のEC化は大きなポテンシャルがあると言えます。
物流施設REITなど関連業種には追い風になります。
詳細は下記をご覧ください。
EC化率は物流REITの将来性を分析する上で重要
「EC化率」とは小売り全体に占めるネット取引(電子商取引)の割合です。
ECは「Electronic Commerce」の略で「電子商取引」のことです。
ここでは特に注意がない場合、ECは消費者向けのBtoC-EC(消費者向け電子商取引)を指します。
当たり前かもしれませんが、世界中のほぼ全ての国でEC化率は右肩上がりとなっています。
今後についても当面の間はEC化率が上昇していくことに異論がある人は少ないと思います。
ちなみに下記に掲載していますが日本のEC化率は世界的に見て相対的に低い水準です。
これまでもそうでしたが、今後EC化が進むと様々な分野で変化が起こります。
例えば米国では既に顕著化していますが、EC化により物流施設の数が増加する一方、ショッピングモールは閉鎖に追い込まれ数が減少しています。
それによってショッピングモールを保有するREITのパフォーマンスが大きく悪化しました。
一方、日本も同様ですが、物流施設を保有するREITは堅調に推移しています。
日本でも物流施設は開発しすぎではないかと懸念する声も聞かれますが、各国のEC化率と比較することで物流施設の将来性を確認することができます。
主要国のEC化率の推移(日本は遅れている分だけ上昇ポテンシャルは大きい)
EC化率は公表している主体によって計算方法が異なる場合がありますので、あくまで参考としてご覧ください。
主要国における2003年~2021年のEC化率の推移です。
まず、最初に目につくのが中国のEC化率が2010年以降、急激に上昇している点です。
中国のEC化率は2010年の1%から、2021年には43.9%まで上昇しています。
スマホの普及によりEC化が一気に進み、世界一のEC化率となりました。
日本のEC化率は2021年で11.8%と相対的に低い水準です
日本は現金決済の習慣が根強いことや、金融資産を多く保有するシニア層がECでの買い物に抵抗感が強いことがEC化率が低い原因と言われています。
2021年のデータをみると、ドイツのEC化率が最も低くなっていますが、理由は日本とほぼ同じです。国民性や文化が似ているのでしょうか。
米国のEC化率はイメージより低い印象ですが、Amazonに対抗すべく、小売チェーン世界最大手のウォルマートや同じく大手小売チェーンのターゲットなどがECに力を入れています。
最終的にEC化率はどれくらいの水準まで上昇するのかを予想するのは難しいですが、上限はどの国もある程度は同じレベルになると思います。
中国は例外かもしれませんが、どの国もEC化率は少なくとも30%~40%にはなるのではないかと思います。
そう考えると、少なくとも日本や米国などはまだまだEC化が進むのは間違いなさそうです。
EC化が進むと大型の物流施設のニーズが高まります。
J-REITにも物流施設特化型リートが数銘柄あります。
特に日本はJ-REITが保有するような先進的物流施設と呼ばれるハイスペックな物流施設が少ないと言われています。
首都圏や関西の高速道路の周りには大型の物流施設が多く目につきますが、これでもまだまだ足りないようです。
EC化率の上昇ポテンシャルは物流施設特化型リート等にとって追い風となりそうです。
(ただし、開発が過熱すると物流施設でも一時的に空室率が高くなったりするので注意が必要です)
- 物流施設特化型リートについての詳しい解説はこちらをご覧ください:物流リートについての詳しくて分かりやすい説明
また、中国のEC化率がどこまで上昇するかも注目です。
中国が最も進んでいる為、他の国のEC化率がどれくらいまで上昇するかの目安となります。
中国のインターネットユーザーの中心は大都市の人々ですが、これが地方都市にも広がっており当面はEC化率が上昇していくと予想されます。
その他の新興国も今後一気にEC化率が高まる可能性があります。
欧米諸国や日本は元々、電話回線(有線回線)を使用してパソコンでネットショップにアクセスしていたのが、現在は無線回線を使用してスマホでアクセスしています。
新興国はいきなり無線回線からスタートするのでインフラの普及速度はかなり速くなります。
中国がここまで急速にEC化率が高くなったのもそのためです。
今後、全世界的にEC化が進んでいくことは間違いないと思われます。
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