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知識・ノウハウ(株式)

投資をするならオーナー企業 / 指数を大きくアウトパフォーム

こちらのページではオーナー企業の株式に対する投資の有効性について解説しています。

合理的に経営されるオーナー企業と必ずしも合理的に経営されない非オーナー企業(サラリーマン企業)では株価のパフォーマンスに差が出るのはある意味当たり前と言えます。

詳細は下記をご覧ください。

オーナー企業とは

オーナー企業とは経営者が実質的に主要株主となっている企業です。

分かりやすい例として「ソフトバンク(孫正義)・ファーストリテイリング(柳井正)・楽天(三木谷浩史)・日本電産(永守重信)」のような会社です。

これらは大企業ですが本来、オーナー企業は小型の新興企業に多く存在しています。

逆にオーナー企業でない会社というのはサラリーマン社長が経営している企業のことです。

こちらも分かりやすい例をあげると「3メガ銀行・東芝・日立」など歴史のある大企業です。

オーナー企業の場合は良くも悪くもオーナー社長に権限が集中しており、大胆かつスピーディーに戦略を実現する可能性が高まります。

同時に株主目線で長期的な視野をもって経営を行います。

非オーナー企業の場合は合議制で経営が行われることや、会社全体に非効率な業務が増えることで会社の成長が阻害されるケースが多くなります。

また、サラリーマン経営者は任期が比較的短く、どうしても自身の任期中の業績にこだわることで、長期的な成長を阻害してしまいがちになります。

上記の企業例からもイメージできると思いますが、株式投資の観点で見た場合、オーナー企業の方が圧倒的にパフォーマンスが良くなります。(下記参照)

ただし、オーナー企業といっても経営者が創業者ではなく2代目・3代目の場合は必ずしも良いケースばかりではありませんので注意が必要です。

一方、創業者でなくても実質的に会社を大きくした2代目・3代目のオーナーが経営をしているパターンは投資妙味があります。

世界と日本の代表的なオーナー企業(オーナー企業でなくなった銘柄には注意)

世界の代表的なオーナー企業

アマゾン・アルファベット(グーグル)・フェイスブックは世界の代表的なオーナー企業です。

ちなみに一見オーナー企業のように感じますが、アップルはオーナー企業ではなくなっています。

アップルは実質的にオーナー社長であったスティーブ・ジョブズが2011年に死亡しています。

スティーブ・ジョブズの遺産であるiphoneの後継となる革新的なプロダクトを提供できるか注目です。

また、中国のアリババもオーナー企業でなくなりました。

2018年9月、オーナー社長のジャックマーが2019年に退任することを発表しました。

アップルと同様、今後の業績には注意が必要です。

日本の代表的なオーナー企業

ソフトバンク・ファーストリテイリング・楽天・DeNA・ニトリ・ドン・キホーテ・GMO・ツルハ・日本電産が日本の代表的なオーナー企業です。

キーエンスは創業者の滝崎氏が2015年に退任し、現在はグループに対する助言等のみを行っていることからオーナー企業でなくなりました。

アップルやアリババと同様、今後の業績に注意が必要です。

同じくZOZOもオーナー社長であった前澤友作氏が持ち株をヤフーに売却すると共に社長を退任したことでオーナー企業ではなくなりました。

日本は米国と比べて時価総額上位にオーナー企業が少ないことが大きな問題と言えます。

これが日米株価のパフォーマンスの差に表れている可能性があります。

時価総額ランキングはこちらをご覧ください。

オーナー企業の株式指数(インデックス)とS&P500のパフォーマンス比較

米国の独立系運用会社「Horizon Kinetics」とナスダック傘下のインターナショナル・セキュリティーズ取引所(ISE)が共同でオーナー企業株式で構成されるインデックス「Horizon Kinetics ISE Wealth Indexes」を公表しています。

インデックスは4種類あります。

オーナー企業インデックス

トラックレコードが最も長い米国のオーナー企業株式インデックスである「Horizon Kinetics ISE US Wealth Index」とS&P500指数のパフォーマンスを比較します。(1990/12/31を100として指数化)

米国オーナー企業株式のパフォーマンス

パフォーマンスの差は明らかです。

米国株(S&P500)も大きく上昇していますが、米国のオーナー企業株は更に大きな上昇となっています。

特に2008年のリーマンショック以降はオーナー企業株式インデックスが大きくアウトパフォームしています。

日本のオーナー企業に投資する投信

日本の公募投信でもオーナー企業に投資する商品がいくつか存在します。

  • 日本創業者株式ファンド
  • ニッポン創業経営者ファンド
  • ジャパン・オーナーズ株式オープン

上記でも触れましたが、日本の場合は時価総額が大きい銘柄でオーナー企業はそれほど多くありません。

一方、当たり前ですが、小型株はオーナー企業が多くなります。

そのため結果的に上記のファンドでもオーナー企業ファンドというよりは、小型株ファンドといった性格の商品となっています。

トラックレコードが短い投信もあるので一概には言えませんが、「ジャパン・オーナーズ株式オープン」のパフォーマンスが際立っています。

最後に、上記の通りオーナー企業の株式への投資はかなり魅力的と言えます。

逆に途中でオーナー企業ではなくなった企業についてはすぐにダメになる訳ではありませんが、中長期的には注意が必要です。



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