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お役立ちデータ(株式)

世界の国別「株式時価総額/名目GDP」比率の推移

こちらのページでは国ごとの「株式時価総額/名目GDP」比率のチャートを掲載しています。

国ごとの「株式時価総額/名目GDP」比率は米投資家のバフェット氏が用いているとされ、「バフェット指数(バフェット指標)」とも呼ばれています。

経済がグローバル化したことで、国ごとの「株式時価総額/名目GDP」比率は重要度が低下しています。

特に米国はグローバル企業が増加したことで、以前よりもバフェット指数が高くなる傾向がありますが、必ずしも株価が割高とはいえません。

株式市場の水準感を確認する際は国ごとではなく、世界全体の「株式時価総額/名目GDP」比率を確認することが有効です。

データはbloomberg公表のデータを使用しています。(年次データを使用)

一部、各国の証券取引所等が公表しているデータと異なる場合があります。

全世界・米国・中国・日本の「株式時価総額/名目GDP」比率の推移

株式時価総額と名目GDPの両方で国別ランキングの1位~3位となっている米国・中国・日本の「株式時価総額/名目GDP」の推移です。

全世界の株式時価総額/名目GDPも併せて掲載しています。

国別の時価総額/GDP(主要国)

世界全体の「株式時価総額/名目GDP」比率はリーマンショック後の株価下落により、大きく低下しましたが、その後の株価の上昇により2017年12月末には一時、100%を超える水準まで上昇しました。

一旦、低下しましたが、2019年12月末はちょうど100%の水準となっています。

過去の推移を見ても分かる通り、世界全体の株式時価総額/名目GDP比率が100%を超える水準は割高であると考えられます。

米国の「株式時価総額/名目GDP」比率は2019年末:167%、2020年末:199%、2021年末:257%と常に高い水準ですが、これは必ずしも株式が割高であるということではなく、ニューヨーク市場やナスダック市場にはグローバル企業が多く、米国以外での利益も享受できている企業が多いことが要因です。(さすがに2021年末の257%はやや高すぎるような気がしますが)

日本も米国ほどではありませんが、海外で利益を稼ぐ企業が増えていることが、国内の経済規模(名目GDP)に対し時価総額が大きくなっている要因と言えます。

逆に中国は海外で利益を上げる企業が少なく、中国国外の企業が中国国内で利益を上げているケースが多いことが、「株式時価総額/名目GDP」比率が相対的に低い要因となっています。

このように経済がグローバル化したことで、国ごとに株式時価総額と名目GDPを比較することは以前より意味がなくなっています。

ただし、国ごとの「株式時価総額/名目GDP」比率を確認することで、各国の産業の特徴などを確認することができます。

株式市場の水準感を確認したい場合は、世界全体の「株式時価総額/名目GDP」比率を確認することをお勧めします。(上記リンク参照)

欧州各国の「株式時価総額/名目GDP」比率の推移

欧州主要国の「株式時価総額/名目GDP」の推移です。

国別の時価総額/GDP比率(欧州各国)

欧州はEUや通貨ユーロにより各国の経済的なつながりが強くなっており、上場している国以外でのビジネスが他の地域より容易となっています。

英国は「株式時価総額/名目GDP」比率が相対的に高くなっていますが、米国と同様、HSBC、ロイヤルダッチシェル、BP、ブリティッシュアメリカンタバコ、グラクソ・スミスクラインなどグローバル企業が多いことが最大の要因です。

ドイツはイメージより低い数値となっています。

ドイツの時価総額1位は2023年8月時点でSAPですが、円ベースで23兆円前後です。

ドイツの代表企業であるフォルクスワーゲンは10兆円、アディダスは5兆円と企業イメージより時価総額が小さい印象です。

イタリアの株式時価総額/名目GDP比率は2022年12月末で26.8%と非常に低い水準です。

イタリアはグローバルに稼ぐ企業が少ないことが要因です。

フェラーリ、フィアット、モンクレールなど日本でも馴染みのある企業が上場していますが時価総額はそれ程大きくありません。

アジア・オセアニア各国の「株式時価総額/名目GDP」比率の推移

アジア・オセアニア各国の「株式時価総額/名目GDP」の推移です。

国別の時価総額/GDP比率(アジア・オセアニア)

オーストラリアはBHP、リオティントをはじめとするエネルギー企業とコモンウェルス、ウエストパック、ANZをはじめとする金融機関が時価総額上位にあり、全体の時価総額を押し上げています。

韓国はサムスン、SKハイニクス、LGなどグローバル企業が多いことが「株式時価総額/名目GDP」比率を押し上げています。

インドはリライアンス、タタグループ、HDFCなど時価総額で10兆円を超える企業が増えています。

一方、人口は多いですが1人当たりGDPが2000ドル前後と低いことで名目GDPがそれ程大きくありません。

ただし、今後モータリゼーションなど急速に近代化して1人当たりGDPも拡大していくことが予想されます。

新興国の「株式時価総額/名目GDP」比率の推移

主要新興国の「株式時価総額/名目GDP」の推移です。

国別の時価総額/GDP(新興国)

ナイジェリアは国を代表する大手企業が現状では少ないことが比率が低い要因となっています。

人口も多く今後の発展が期待される国です。

ブラジルとロシアは国外で利益を上げる企業が少なく株式時価総額/名目GDP比率が低くなっています。

先進国・新興国全体でみると、先進国の企業が新興国でビジネスを拡大していることから、「株式時価総額/名目GDP」は先進国が高く、新興国が低くなりやすい傾向があります。



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