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資産クラスのポイント

「カバードコール+高金利通貨ヘッジ+REIT」戦略のポイント【トリプルストラテジーを例に解説】

こちらのページでは「グローバルREIT」に「カバードコール」と「高金利通貨ヘッジ」を組み合わせた「好配当グローバルREITプレミアム・ファンド通貨セレクトコース (トリプルストラテジー)」の商品概要やポイント・リスクを掲載しています。

「好配当グローバルREITプレミアム・ファンド通貨セレクトコース (トリプルストラテジー)」は「グローバルREIT+カバードコール+高金利通貨ヘッジ」の商品です。

下記では特にカバードコールが投資に与える効果について重点的に解説しています。

中長期ではカバードコールはマイナス効果になりやすいようです。

詳細は下記をご覧ください。

まず最初に好配当グローバルREITプレミアム・ファンド通貨セレクトコース (トリプルストラテジー)の商品概要から紹介します。

好配当グローバルREITプレミアム・ファンド通貨セレクトコース (トリプルストラテジー)の商品概要

実質的な運用会社

  • TCWインベストメント、ユニオンバンケールプリヴェUBP(委託会社:損保ジャパン日本興亜アセット)

投資対象

  • ①グローバルリート:配当利回り2.6%
  • ②通貨選択型(メキシコペソ・インルピー・インドネシアルピア・ロシアルーブル・トルコリラ・人民元におおよそ1/6ずつ)通貨プレミアム:4.1%
  • ③カバードコール(コールオプションの売り):オプションプレミアム:9.3%
  • ①+②+③=16.0%(信託報酬控除後14.1%)
    (データは2021/1末基準)

商品組成上の特徴

  • 3階建て(愛称:トリプルストラテジー)
  • グローバルREIT+カバードコール+高金利通貨ヘッジ

主な販売会社(販売手数料)

  • 楽天:ノーロード(IFA一律2.2%)
  • SMBC日興証券:ノーロード
  • 新生銀行:5000万円未満1.1%、5000万円以上0.55%

信託報酬

  • 1.938%

トリプルストラテジーのポイント

グローバルリートは米国リートが大半を占める

カバードコールでインカム収入アップ

  • グローバルリート下落時もカバードコールのオプションプレミアム分だけカバーできる。よって、マーケットの下落時にはある程度強いファンドといえる。

為替取引によるプレミアム戦略

  • 為替取引によるプレミアム戦略により、高いインカム収益を獲得
  • 金利水準や成長性等を考慮し原則6通貨で為替取引を行う
  • 各国の金利環境等により取引通貨を見直していく
  • 現在の取引通貨以外の候補はフィリピンペソ、ポーランドズロチ、カナダドル、ブラジルレアルなど

トリプルストラテジーのリスク・デメリット

カバードコールはマイナス要因になりやすい(最大のポイント)

  • カバードコールの平均行使価格109.3%、カバー率69.6%ということは、オプションプレミアムを得る為に、ポートの約69.6%部分は9.3%以上の値上がりを放棄していることになる。
  • よって、リートの上昇時にはマーケットの上昇についていけなく、下落時はマーケットと同様の下落となる。
  • 当ファンドのカバードコールの効果は兄弟商品である「ダブルストラテジー(ヘッジあり)」と「S&P世界リート指数(米ドル建て)」の騰落率の差で説明ができる。(米国の短期金利が概ねゼロで推移し、ドル円の為替ヘッジコストがかからない期間のみ比較可能)
  • 例えば、2013/1/29~2016/8/31の「ダブルストラテジー(ヘッジあり)」と「S&P世界リート指数(米ドル建て)」の騰落率の差は-30.34%。
  • 結果的にカバードコールは2013/1/29~2016/8/31では平均すると年率10%程度のプレミアムを得られるが、プレミアムを入れてもトータルでは-30.34%のマイナス効果となったことになる。
  • カバードコールは「コールオプションの売り」であり、やはり、オプションの売りポジションは、長期的にはマイナスになりやすいことがよく分かる結果である。仕組み債も多くの商品はオプションの売りであり、同様の結果になる。逆にコールオプションの買いポジションと同じ経済効果である転換社債(CB)への投資は長期的には利益を生みやすいと言える。(転換社債についての詳細はこちらを参照:転換社債(CB)の仕組み・特徴・ポイントを分かりやすく説明
  • オプションの仕組みについてはこちらを参照:オプション取引についての分かりやすくて詳しい説明
  • カバードコール戦略の検証はこちらを参照カバードコール戦略の効果をQYLD(ETF)で検証

高金利通貨の下落リスク

  • 為替取引によるプレミアム戦略おいて6つの高金利通貨に投資する形となるが、これらの通貨は金利収入が大きい反面、下落リスクも高くなる

投資対象が同じ投信(類似ファンド)

  • ラサールグローバルリート(日興アセット)
    • 実質的な運用はラサール
    • トリプルストラテジーとは異なり、通貨選択やカバードコールは行わない純粋なグローバルリート投信
  • ワールドリートオープン(三菱UFJ国際投信)
    • 実質的な運用はモルガンスタンレー・インベストメント
    • トリプルストラテジーとは異なり、通貨選択やカバードコールは行わない純粋なグローバルリート投信

関連ページ

好配当グローバルREITプレミアム・ファンド通貨セレクトコース (トリプルストラテジー)の月次レポート等はこちらを参照!

米国リートの長期チャートや利回りの推移はこちらを参照!



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