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アベノミクス景気はイメージよりも実態が伴っている / 景気拡大期間ランキングと株価・GDPの推移

2018年11月4日

こちらのページでは戦後最長を更新したと言われる「アベノミクス景気」をはじめとする過去の景気拡大期間にGDPや株価がどれくらい変化したのかを掲載しています。

まずは景気拡大期間のランキングから掲載します。

景気拡大期間のランキング

景気拡大・景気後退の定義は各国によって異なります。

欧米では「2四半期連続のマイナス成長」となると景気後退とみなし、これを回避している間は景気拡大とみなされます。

日本では内閣府が景気動向指数をベースに景気の山と谷を判断しています。

下記が日本の景気拡大期間のランキング上位です。

景気拡大期間ランキング

2012年12月からスタートした「アベノミクス景気」は2019年1月に過去最長のいざなみ景気を超えました。

ただし、景気の山と谷の判断は、景気動向指数研究会での有識者の議論を踏まえて、内閣府の経済社会総合研究所長が行うこととなっており、確定するまで1年~1年半程度かかります。(よって、正確には2019年時点でアベノミクス景気がいざなみ景気を抜いたことは、まだ確定していません)

ただ、いずれにしてもアベノミクス景気は戦後最長レベルの景気拡大期間となっていることは間違いありません。

しかし、世の中では「そうはいっても好景気を実感できない」という声も多く聞かれます。

ここからは、上記の景気拡大期間で株価やGDPがそのように推移したかを検証してみたいと思います。

景気拡大期間の株価とGDP

年次の古い順に株価とGDPの推移を掲載します。

いざなぎ景気の株価とGDP (1965年11月~1970年7月)

景気拡大期間は57ヶ月と過去3番目の長さとなりました。

いざなぎ景気時のGDP推移

いざなぎ景気時の株価推移

日本の高度成長期であり実質GDP成長率は平均10%前後、名目では15%前後と極めて高い成長率となっています。

この時期はカラーテレビが普及し始めるなど、日本人の生活水準が目に見えて変化している時期です。

為替相場は固定相場制でこの間は全て1ドル=360円でした。

ちなみに、1970年の日本の1人当たりGDPはまだ約2,000ドルの水準です。

株価は約5年間の間にピーク時1.8倍以上と大きく上昇しました。

バブル景気の株価とGDP(1986年12月~1991年2月)

景気拡大期間は51ヶ月と過去4番目の長さとなりました。

まさにバブル絶頂期です。

バブル景気とGDP推移

バブル景気と株価推移

実質GDP成長率は概ね5%~6%前後で推移しました。

この間、名目GDPは拡大し続けましたが、株式市場は1989年12月にピークを打ち、長期下落相場へと突入しました。

1986年~1989年の3年間でTOPIXは約2倍となりました。

またそれ以前も1975年以降は右肩上がりで上昇しており、1986年~1989年はバブル相場の最終局面となりました。

内閣府が景気の山と判断した1991年2月よりも1年以上も前に株価はピークをつけて下落したことになります。

1990年~1991年頃は株価は大幅に下落していましたが、国民の感覚としては景気が悪化すると思っている人はほとんどおらず、株価の見通しについても近い将来に回復すると楽観的な見方が大半でした。

この時はこれから失われた30年が始まるとは、誰も想像できませんでした。

いざなみ景気の株価とGDP (2002年2月~2008年2月)

景気拡大期間は73ヶ月と2018年11月時点では過去最長の景気拡大期間となっています。

いざなみ景気とGDP推移

いざなみ景気と株価推移

この時期の特徴として回復期間の初期は前年同月比ベースはGDP(名目・実質共に)がマイナスとなっています。

また、名目GDP成長率より実質GDP成長率が高い状態が続いていることからデフレ(物価のマイナス成長)が進んでいたことが分かります。

景気は拡大していたものの、まさに「デフレの時代」でした。

この期間はBRICsをはじめとする新興国ブームで、新興国の成長が米国や日本をはじめとする先進国にプラスの影響を与えていました。

株価(TOPIX)は2003年のボトムから2007年のピークまで2倍以上となりましたが、デフレの影響もあり名目GDPがそれ程拡大していないことから、一般の人が実体経済において好景気を実感することはあまりなかったと想定されます。

いざなみ景気は2008年2月まで景気拡大が続いていますが、金融市場では2007年頃から米国のサブプライムローンが問題視されはじめ、株式やリートは軟調な動きとなっていました。

この後、2008年9月のリーマンショックにより更なる景気悪化となりました。

アベノミクス景気の株価とGDP(2012年12月~)

2012年12月に始まったアベノミクス景気は2019年1月末には景気拡大期間が74ヶ月と「いざなみ景気」の記録を抜いて過去最長の景気拡大期間となっています。(2019年時点でまだ確定はしていません)

アベノミクス景気とGDP推移

アベノミクス景気と株価推移

上記のいざなみ景気と比較するとGDPの実数は拡大傾向であり、デフレも解消していることから、いざなぎ景気やバブル景気程ではないにしろ、ある程度好景気を実感することができると思われます。

アベノミクス景気が長期化できた理由として日銀の貢献も大きいと感じます。

2%のインフレ目標やマイナス金利の導入に加え、大規模金融緩和の一環で主要国の中央銀行では初の株式・REITの買入れまで行いました。

さらに、米国の好景気が続いたことも、アベノミクス景気が長期化できた要因として大きいと考えられます。やはり、日本経済は米国をはじめとするグローバル経済の動向に大きく影響を受けます。

国民の感覚と一部違うかもしれませんが、マクロデータから判断するとアベノミクス景気は2000年代のいざなみ景気より実態の伴う景気拡大と言えそうです。



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