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米ドル10年スワップレートが10年国債利回りより低くなる現象が発生

投稿日:2016年9月18日 更新日:

金利スワップレートとは

金利スワップとは変動金利と固定金利のキャッシュフローの交換で、
(金利)スワップレートとはその固定金利のレートのことを表します。

10年スワップレートという場合、通常は6か月LIBORと交換する10年固定金利のレートのことになります。

6か月LIBORで資金調達して、10年スワップレートで固定すれば、実質的に10年の固定金利で調達したことになります。

取引はLIBORもスワップレートも銀行間の取引となります。

よってLIBORは銀行間の短期の資金調達レートを表し、スワップレートは銀行間の長期の資金調達レートを表すことになります。
(細かく説明するとLIBORは資金の移動が発生しますが、スワップは資金移動が発生しないオフバランスのデリバティブ取引となります)

swap

銀行間レート(インターバンクレート)を期間の短いものから一覧にすると下記のようになります。

銀行間レート

  • 1週間LIBOR
  • 1ヶ月LIBOR
  • 3ヶ月LIBOR
  • 6ヶ月LIBOR
  • 12ヶ月LIBOR
  • 3年スワップレート
  • 5年スワップレート
  • 10年スワップレート
  • 30年スワップレート

スワップレートの理論値

上記のとおりLIBORもスワップレートも金融機関同士の取引ですので、資金を出す側から見ると相手方の金融機関の信用リスクが発生します。

そのため、通常は国債金利と比較すると大手金融機関の信用リスク分のスプレッドが上乗せされ、国債利回りより高くなります。

イメージとしては米国債より1ノッチ下の格付けの債券と考えればよろしいかと思われます

現在の米国債の格付けはムーディーズがAaa、S&PがAA+、フィッチがAAAです。

よって米ドルスワップレートの想定される格付けはAA程度と考えられます。

つまり、米ドルスワップレートの利回りの理論値は米国債利回りにほんの僅かのスプレッドが上乗せされた水準ということなります。

米ドル10年スワップレート10年米国債利回りの長期チャート(1994/12-2017/8)です。

米ドル10年スワップレート10年国債利回り長期チャート

米ドルの10年スワップレートの過去の水準を見てみると、多くの期間で10年国債+0.5%程度となっています。

2000年代前半の景気後退期やリーマンショック後で金融機関の信用リスクが高まっていたときはスプレッド(上乗せ金利)が1%を超えることもありました。

スワップレートと国債金利の逆転現象の理由

2015年以降、米ドル10年スワップレートが10年米国債利回りを下回って推移してします。

0.1%~0.2%程度下回っているだけですが、これまでなかった現象で、上記の理論からも通常は起こりえない現象と言えます。

このような現象がおきている理由として1つ挙げられるのは、欧米の銀行のバランスシートの縮小化の動きです。

欧米の銀行はこれまでレバレッジを活用して高収益を上げてきましたが、世界的な流れとして景気のショックに備えるべくバランスシートを縮小する動きとなっています。国際決済銀行(BIS)によるバーゼルⅢという新しい規制でも銀行の自己資本比率を高めていくような流れとなっています。

バランスシートを縮小するうえで、保有金額も多く流動性の高い米国債を売却しており、逆に金利スワップは簿外の取引でバランスシートに直接影響を与えないため、そのまま契約を保有していると考えられます。

このため売却された国債の利回りが、スワップレートを上回る現象が起きているものと考えられます。

関連ページ

金利に関しての詳しい内容は下記を参照してください!

イールドカーブについて

社債のスプレッドとデュレーションについて

OIS(Overnight Index Swap)レートについての分かりやすい説明

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