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オペレーティングリース(JOL)を活用した節税【多くの法人が契約】

投稿日:2016年9月1日 更新日:

オペレーティングリース(JOL)とは

匿名組合を経由して10年程度、航空機や船舶を保有する取引です。

航空機や船舶を保有することで1年目や2年目に大きな減価償却費が発生、その分を税務上も損金として計上できるので、多くの法人が「課税所得の圧縮」の為に活用しています。

ただし、最初に申しあげておきますが、1年目や2年目に損金を計上し利益を圧縮しても、その分はリース期間満了時に利益(益金)として計上されますので、節税ではなく、あくまで利益の繰り延べとなります。

法人税が将来的に低下するような時には、利益を繰り延べて将来の低い税率で課税されるようになるため、実質的に節税となります。

航空機オペレーティングリースの仕組み、損益の例

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匿名組合の出資者の資金と銀行借入を組み合わせて航空機を購入します。

今回の例は航空会社に10年間リースし、10年目が終了した時点で航空会社が一定の価格で購入するオプションをつけた契約です。

購入オプションが行使されない場合は市場で売却することになりますが、一般的に購入オプションは高い確率で行使されます。また航空機は整備等メンテナンスがしっかり行われているため、中古市場での売却も比較的高い価格となります。

よってオペレーティングリースの投資家の多くは、航空会社のネームバリューが高く、機体もボーイング等の人気機種であれば投資元本が毀損する確率はそれほど高くないとの認識で投資しています。

オペレーティングリースに契約した場合の会計上の損益、税務上の損益、キャッシュフローを一覧で見ると分りやすくなりますので下記に掲載します。

航空機オペレーティングリースに1億円投資した場合

operatinglease_soneki_ichiran当初はリース先の航空会社から受け取るリース料よりも、航空機の減価償却費の方が上回っているため、匿名組合は赤字となります。

出資金100に対し会計上の損失は100を超えていきますが、税務上の損失は出資額までとなりますので100が上限です。
(ここは読み飛ばしても結構ですが、会計上の損失が100を超えるのは借入を使ってレバレッジをかけて航空機を購入しているからで、出資金100に対し、減価償却の対象となる航空機の資産価格は150や200となるからです。)

上記の例ではオペレーティングリースを1億円契約すると1年目に6,000万円、2年目に4,000万円の税務上の損金が計上でき、利益が圧縮されます。
反対に10年目に1億500万円の利益(益金)が計上されます。500万円は運用利回りと理解していただければ結構です。

よってこの取引を言い換えると、2年間で1億円分の利益を繰り延べ、年間0.5%程度の運用利回りがつく商品と言えます。

航空機オペレーティングリースはどのような会社がターゲットになるか

オペレーティングリースは大企業から中小企業までかなり多くの企業が利用しています。応接室に航空機の模型が飾ってある法人は十中八九、オペレーションリースを利用した経験があるはずです。

どのような法人がターゲットになるかというと、利益の繰り延べですので利益が上がっている会社というのは当たり前ですが、10年近く資金が固定されるということもあり下記のような法人がターゲットとなります

  • キャッシュリッチな法人
  • 今期、特別利益等で大きな利益がスポット的に出た法人
  • 取引先からの値下げ要請を避けるため対外的な利益を圧縮したい法人
  • リース期間満了時に社長の退任が見込まれ多額の退職金による損金計上が予定されている法人

航空機オペレーティングリースのリスク / 航空会社の破たんリスクには注意が必要

上記の通り一般的なオベレーティングリースの場合、リース期間満了時に航空会社が買取るオプションがついています。

そして仮にオプションが行使されなかった場合でも、航空機は流動性が比較的高いことから他に転売することもできるため元本割れリスクは低いとされています。

しかし、第3者への転売の場合、マクロ経済環境や航空機の市況次第で安い価格で売らざるを得なくなるリスクが存在します。

基本的にはリース先の航空会社にしっかり買取オプションを行使してもらわないと困ります。

よって対象となる航空会社の信用力は重要な要素となります。

しかしここで注意が必要なのは航空業界はボラティリティが非常に大きい業界ということです。

現時点での信用力に問題がなくても急激に業績が悪化して破たんするケースをある程度想定しておくべきです。

実際、過去に多くの航空会社が破たんしています。

現在の米国大手4社の内、サウスウェスト航空を除く3社は過去に破たん経験があります。

またデルタ航空と合併したノースウェスト航空も2005年9月に破たんしています。

  • アメリカン航空:2011年11月チャプター11(連邦破産法11条)申請
  • デルタ航空:2005年9月チャプター11(連邦破産法11条)申請
  • ユナイテッド航空:2002年12月チャプター11(連邦破産法11条)申請

さらに日本でもJALとスカイマークがそれぞれ破たんした経験があります。

  • JAL:2010年1月会社更生法申請
  • スカイマーク:2015年1月民事再生法申請

航空業界は非常に予測が難しいビジネスです。

機材購入においても数年後に総額1兆円以上など、長期かつ大口の契約です。

さらに原油価格の変動やテロなどのリスクもあります。

よって航空会社のクレジットリスクは少し厳しめに見ておく方が賢明です。

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