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知識・ノウハウ(株式)

ドル元本確保戦略(為替リスクは取れるが株式には抵抗がある人向けの投資プラン)

2018年3月11日

こちらのページではリスクを限定しながら高いリターンも狙う「ドル元本確保戦略」について紹介しています。

投資において儲けることはもちろん大切ですが、それ以上に損をしないことも重要です。

これを両立するのが「ドル元本確保戦略」です。

米ドルは円と比較して利回りの高い債券が存在します。

その米ドル債券運用で全体の投資元本を確保し、残りの資金は株式などで積極運用を行います。

詳細は下記をご覧ください。

ドル元本確保戦略(債券で元本を確保して残りはリスク投資)

ドルにはなじみがあって為替リスクはOKだが、株式には抵抗がある人は意外といらっしゃいます。

そのような方はちょっとした工夫で安心して株式を保有することが可能となります。

おすすめは「ドル元本確保戦略」です。

例として10万ドルの運用で説明します。

仮に最終利回り4%の米ドル債(期間10年)がある場合、10年保有すると単純計算で1.4倍となります。

ここで10万ドル全て米ドル債を購入しては面白くないので少し工夫を加えます。

まず10万ドル÷1.4=71,429ドルという計算をします。

少し余裕を見て約72,000ドルの米ドル債(利回り4%・期間10年)を購入します。

米ドル債(利回り4%・期間10年)を72,000ドル購入すると10年後には72,000ドル×1.04×10年=100,800ドルとなり、当初運用しようとしていた10万ドルの元本部分はこれで確保できます。

そこで残りの28,000ドルはリスク投資部分として株式等好みの資産クラスに多少リスクをとって高いリターンを狙うことが可能となります。

米ドルベースで最低限の部分を確保した上での投資ですので、気持ちよく投資することができます。

この「気持ちよく投資する」ことは利益を上げる上でも非常に重要な要素となります。

10年後はリスク投資部分の金額自体がそのまま全体のリターンとなります。

元本保証型プラン

28,000ドルが3倍になれば84,000ドルですので、全体で10万ドルが18.4万ドルになったことになります。

運用結果は+84%という高いリターンです。

仮に運用が上手くいかず-30%の場合、28,000ドルが約20,000ドルですので合計は約12万ドルで、全体のリターンは+20%となります。

このようにリスク投資部分の運用が上手くいかなくても元本割れする訳ではありません。

極論すると、リスク投資部分がゼロになってもプラスマイナスゼロです。

このように考えるとかなりリスクを抑えながら気持ちよく投資ができることが分かります。

投資において儲けることは大切ですが、あまり狙いすぎると失敗してしまいます。

そういう意味では損をしないで運用を継続していくことこそが最も大切と言えます。

そのための戦略の1つとして「ドル元本確保戦略」は活用できますので覚えておいてください。

リスク投資部分を何に投資するか

28,000ドル部分は必ずしも米国株に限らず、新興国株など大きなポテンシャルがあるものに投資しても良いと思います。

新興国株式はボラティリティが大きいですが、長期間保有することで高いリターンが期待できます。

また、通貨がドル建てですのでリスクヘッジの意味から、米ドル安になると上昇するアセットに投資するのも悪くないと思います。

米ドル安になると上昇するアセットで最も分かりやすいのは金(Gold)ETFへの投資です。

もちろん、ある1つのアセットクラスにする必要はなく、上記の例で言えば新興国株式ETFと金(Gold)ETFに14000ドルずつ投資するのも良いと思います。

また、エッセンスとして一部、個別株式を少し入れてみるのも面白いでしょう。

長期的に大きなポテンシャルがあると思う銘柄をじっくりと保有するのも良いと思います。

普段は少し儲かるとすぐに売ってしまうような人も、このプランであればホールドすることができ、結果的に大きな利益になることもあります。

投資で最も重要な「損をしない」ということを担保したうえでの投資になりますので、気分よく投資が行えます。

リスク投資部分は色々なことを想像しながらポートフォリオを考えてみると良いでしょう。

債券部分の運用は何に投資するか

元本確保をするためのドル債部分の投資対象はいくつか考えられます。

下記はドル建ての債券や保険の商品例です。

利回りが低いと元本確保する為の債券運用割合が高くなり、リスク投資に回せる資金が減少してしまいます。

しかし、無理に高利回りを狙うとクレジットリスクが高くなってしまいます。

この点については、その時々のマーケット環境を分析しながら投資する必要があります。

クレジットリスクと利回りを比較して検討しましょう。



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