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為替レートの予想・分析は実質金利差・購買力平価を活用

投稿日:2016年7月16日 更新日:

為替レートを予想する指標

為替レートの予想は難しいと言われます。

株式におけるPERやPBRのようなバリュエーションと言えるものが少ないことや、変動要因が多岐にわたることが難しいと言われる所以だと思われます。

円高の要因として過去に挙げられたものも多岐にわたります。

  • プラザ合意
  • 日米貿易不均衡
  • ロシア危機によるリスクオフ
  • イギリスのEU離脱問題(Brexit)
  • ドル高による米国グローバル企業の業績伸び悩み
  • 中国バブル崩壊によるリスクオフ懸念

為替は予想が難しく、適正価格の算出も難しいと言われていますが、今回は非常に役立つ為替レートを分析するための指標を2つ紹介します。

日米の実質金利差で為替レートを分析

基本的な考え方は金利の高い通貨に資金はシフトするという理論です。

ただしここでいう金利は名目金利ではなく実質金利です。

実質金利とは名目金利からインフレ率を引いたものです

実質金利を使うのは、名目金利が高くても、インフレ率も高ければ実質的にお金が増えていることにならないからです。例えば名目金利2%、インフレ率3%の場合、実質金利は-1%となり、お金は実質的に目減りすることになります。それでは資金をシフトして預けておく意味はありません。

よって実質的な資産の増加を目指し、実質金利の高い通貨にシフトするということは理にかなっているいえます。

下記のチャートは日米の実質金利差とドル円の為替レートの比較です。

実際に過去の為替レートとの比較で検証すると、下記のチャートの通り、かなり連動することがわかります。

currency_yield

日米実質金利差
=米ドル実質金利-円実質金利
(米ドル3ケ月LIBOR-米国CPI対前年比)-(円3ケ月LIBOR-日本CPI対前年比)

1ドル=76円台まで円高が進んでいた2012年1月31日は

  • 米ドル3ケ月LIBOR:0.5%、CPI対前年比:2.9%、実質金利:-2.4%
  • 円3ケ月LIBOR:0.2%、CPI対前年比:0.1%、実質金利:0.1%

1ドル=124円台まで円安が進んでいた2015年5月29日は

  • 米ドル3ケ月LIBOR:0.3%、CPI対前年比:0.0%、実質金利:0.3%
  • 円3ケ月LIBOR:0.1%、CPI対前年比:0.5%、実質金利:-0.4%

日米実質金利差比較2012年・2015年

これを見ても実質金利の高いところにシフトしているのが分かります。

  • 2016年6月30日は1ドル=103円台
    • 米ドル3ケ月LIBOR:0.7%、CPI対前年比:1.0%、実質金利:-0.3%
    • 円3ケ月LIBOR:0.0%、CPI対前年比:-0.4%、実質金利:0.4%

1ドル=124円から103円に円高が進みましたが、ここでも相対的に実質金利の高くなった円にシフトしたと説明できます。

問題はこれからどうなるかですが、円安に進むためには米国の名目金利の上昇日本のインフレ率の上昇が必要になります。米国の利上げが進み日本はアベノミクスが掲げる2%のインフレに少しでも近づくことが必要となります。

逆にこれらが実現しないと思わぬ円高も想定しなければいけないかもしれません。

購買力平価で為替レートを分析

1物1価の法則です。同じものはどこの国で買っても同じ価格であるという考え方です。同じ価格になるように為替レートが変動し調整されるということです。

例えば
チョコが1個、米国で1ドル、日本で200円、ドル円レートが1ドル=100円とします。
1年後、米国は5%のインフレ、日本のインフレは0%とします。
米国でチョコは1.05ドル、日本は200円です。
この時、1物1価になる為には100÷1.05(1年前のドル円レート÷インフレ率の差)=95.23円/ドルとなります。

言い換えると、インフレ率が高い通貨は安くなるということになります。

ドル円の歴史では、多くの期間で米国のインフレ率が日本のインフレ率を上回っているので、購買力平価は長期的に円高方向にシフトしています。

下記に国際通貨研究所が作成している購買力平価のチャートを掲載します。

currency_ppp

 

画像が小さくて見にくい場合はこちらのサイトで確認してください。
国際通貨研究所

消費者物価、企業物価、輸出物価のどれを使うかで数値は変わりますが、どれも円高方向にシフトしています。このチャートをみると1ドル=100円±10円というのが現在の理論値と言えそうです。

ちなみに2013年から日銀が2%のインフレ目標を設定したのは円(JPY)の円高トレンドを防止することも目的の1つとなっています。

日銀の2%インフレ目標と円高トレンドの防止についてはこちらを参照してください!

日銀はなぜ2%のインフレを目標とするのか?理由は円高トレンド是正と財政再建

まとめ

今回は為替レートを分析する指標として①実質金利差、②購買力平価を紹介しました。
①実質金利差は短期~中期の分析
②購買力平価は中期~長期の分析
に使うとよいと思われます。

もちろんこれ以外にも様々な指標があると思いますが、この2つは過去の実績を検証しても非常に有効な手法であるため紹介させていただきました。
ご活用いただければ幸いです。

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