ファイナンシャルスター

株式・債券・為替・REIT・投信・会計・税制など Copyright©2016-2024 financial star

知識・ノウハウ(株式)

公募増資・売出(PO)は儲かるのか分析してみた / 新旧のつなぎ売りも解説

2018年11月18日

こちらのページでは株式の「公募増資・売出」(PO)が儲かりやすいということを説明しています。

「公募増資・売出」(PO)はディスカウントで購入でき、値決め日は株価が安くなりやすく、価格決定後は安定操作期間とインデックス買いがあります。

また、「昔のつなぎ売り」は禁止となりましたが「新時代のつなぎ売り」は可能です。

詳細は下記をご覧ください。

公募増資・売出(PO)とは

「PO」は「Public Offering」の略です。

「公募増資」は新株を発行して投資家に購入してもらうことで、「売出」は大株主が売却する株式を投資家に購入してもらうことです。

両者をまとめて「PO」と呼びます。

POの場合、既に株式は上場されている銘柄ですので、POが発表された後でも当該銘柄を市場で売買することは可能です。

一方、POで購入する場合はスケジュールが決められるので購入のタイミングを選ぶことはできません。

また、購入した後、株式が交付されるまでの数日間は売却できませんので、売買の自由度は低くなります。

しかし、POで株式を購入する際は価格決定日の終値から1%~5%程度のディスカウント価格で購入でき、委託手数料も必要ありません。

このようにPOは売買の自由度が低くなる代わりに安く購入できるということになります。

ただ、安く買えるといっても数%ですので、後はマーケット次第ということは否定できません。

ただし、POが発表された後は希薄化や需給悪化の懸念で株価が下落するため、結果的に安いところで価格が決まるケースも多くあります。

また、少しマニアックな人はPOと空売りを合わせた「つなぎ売り」を行うことでサヤ取りを行っている人もいます。

下記に「つなぎ売り」について解説します。

従来のつなぎ売りは禁止になったが価格決定後の空売りは可能(インデックス買いも期待)

昔は「つなぎ売り」と言えば、PO公表日~価格決定日までの間に空売りを行い、その後、POで購入した株式で空売りポジションの解消を行うことでした。

通常、POの価格決定日は5/15~5/17のように数日間のいずれかの日というような決め方をしていますが、多くの場合初日に決定されます。

一昔前は価格決定日初日の大引けで空売りを行い、POで購入した株式で決済すればディスカウント分がノーリスクで得られるという取引が横行していました。

現在はこの「昔のつなぎ売り」は禁止となっています。

(POを申し込んだ証券会社とは別の証券会社で空売りをするケースは規制のしようがないので事実上黙認されていますが)

ただし、現在でも価格決定後であれば空売りは可能ですので、価格決定後に株価が上昇した際に空売りを行いサヤをとる取引を行う人はそれなりにいます。

下記が「新時代のつなぎ売り」です。

ここでポイントになるのが、価格決定後に株価が上昇しやすいタイミングが存在するということです。これを知っている人がサヤとりを行っています。

下記はPOの一般的なスケジュールです。

公募増資・売出しスケジュール(ファイナンス期間・安定操作期間)

  • ファイナンス期間:募集・売出し発表日翌日~払込期日
  • 安定操作期間:価格決定日の翌日~申込み最終日

上記の図で説明すると、価格決定後の3日間は安定操作期間となります。

安定操作は日本独自の仕組みで、この間に株価が下がるとPOで購入するよりマーケットで購入する方が安くなるので、そうならないように証券会社が買い支えるというものです。

マーケット環境が悪い日などで株価が下がりそうになってもPOの幹事証券会社が株価が下がらないように買い支えます。

よって、この安定操作期間は株価が公募価格を上回っている可能性が高くなります。

この安定操作期間で空売りできれば利益が確定できます。

また、公募増資の場合もインデックス組入れの対象となり「インデックス買い」が期待できます。

TOPIXや東証リート指数ではIPOの場合は指数組入れは翌月の最終営業日となるため、その前日の大引けでインデックス買いが発生します。

このIPOはよく知られていますがPO(公募増資)のインデックス買いのタイミングは意外と知られていません。

PO(公募増資)の場合は、IPOと異なり売買開始日に組入れとなるのでその前日(上記の例では払込期日)の大引けで「インデックス買い」が発生します。【PO(公募増資)の指数組入れは売買開始日の前営業日の大引け】

よって、上記の図で説明すると価格決定後~売買可能日まで5日間ありますが、そのうち安定操作期間(3日間)とインデックス買いで、合計4日間も通常より株価が上がりやすい日があることになります。

ここで公募価格以上の値段で空売りができればサヤとりが確定できます。

これが「新時代のつなぎ売り」です。

一応、「昔のつなぎ売り」も空売りをする口座と公募増資に申込む口座を分ければ、法的には問題ないということになっています。(グレーですが)

さすがに公募増資で購入した株式を空売りした口座に移管して決済すると証券会社から何か言われる可能性がありますが、それぞれの口座で同タイミングで決済すれば実質的に昔の「つなぎ売り」も可能となります。(どこかで規制が入るとは思いますが・・・)

また、POが公表されると希薄化懸念・需給悪化懸念で価格決定日までの間に大きく下落することが一般的です。

よって、そもそもPOで株式を取得するというのはタイミング的にも悪くないと考えられます。

あと、発生確率は小さいですが安定操作期間に公募価格を割ることもあるので、そこをすかさず買って安定操作で上昇したところをすかさず売るという地道な取引手法もあります。

最後に注意点として空売りは場合によって逆日歩が発生することがありますので、この点は注意してください。

特に多くの人がチャンスと思い、空売りする人が増えると逆日歩がつきマイナスとなります。



-知識・ノウハウ(株式)
-